[三章-21:捜索《search》]
一馬、悠一捜索にかなりの人員が割かれ始めた。なんせ数時間経っても二人とも見つからないのだから。獣道も、森の中もだいたい探したのに見つからない。先生達にも焦りが見え始めた頃、
「先生、警察に……」
と自分が付いていながら二人も失踪者を出してしまった罪悪感から仕事が終わった後から捜索に加わった先導さんが言う。その目はひどく怯えていた。もし、もしも二人が死んでいれば、自分は仕事を続けられなくなるなんてちっぽけなことになる。自分のせいで死なせてしまった、それは殺したのと同等だ。守る術があったのにしなかった、どうして…と罪悪感のループに堕ちていき、目から生気が失われていくのを見て、先生は
「あなたが悠一達を助けに行っていれば、他の生徒が巻き込まれたかもしれません。むしろあなたは正しい行動をとったのです。彼らもこの付近にいるはずですから諦めずに探しましょう。後でこっ酷く叱っておきますので」
と言う。
(能力課の警察を呼ぶ必要が出てくるから、警察呼ぶの面倒なんだよな)
と思ったことは心の中にとどめておくことにした。
龍人に掴まり高速移動する、四人。
「速い、速い、速い。いやぁぁぁ」
と遥が“一緒に行く”なんて行ったことを後悔しながら悲痛な声を上げる。
《ギャァァァ!ストップ!ストップ!》
と龍人にしか聞こえない遥の上を行く喚き声。龍人はため息をつきながら気持ちスピードを落とす。
(さっきよりはだいぶん遅くなったな)
と一馬は考える。
「大丈夫さ、龍神は事故らないって」
と優しく声をかける。先ほどの自分の姿を忘れたかのように爽やかに。遥は涙目で右側にいる一馬の顔を見て、
「本当に?」
と尋ねる。一馬は龍人への最大限の信頼を表すように
「もちろん、龍神を信じろ」
と言う。遥もその自信を感じ取ったのか小さく頷いた後、悲鳴をあげることはなかった。ただ龍人だけは常に悲鳴を聴きながら移動していた。
数分後、龍人がふと口を開いて
「奴らは本当に邪龍を復活させる気か」
と自分自身に言うように続けて
「だとすれば目的地は龍の柱か……」
と呟く。その目は今まで見たことないほどこの後、起こりかねない事に対する恐怖に染まっていた。
「だが、私も……」
と呟きを止める龍人。目の前に人影、接触直前で急停止する。
「見つけた、一馬くん」
と暗く姿がはっきり見えない。ただ一馬にだけはその声に聞き覚えがあった。




