逃げ出してきた二人
私のさっきの坂道は一体…。
一瞬でいける場所があるなら、知りたかったな。
ルゥカさんめ‥。
少し恨みつつ、ふと思った。
「あれ、ルトって『逃げたしてきた』って、教えてくれたよね?」
逃げ出して来たということは……、どうしよう。怒られる。
もし、他のメイドさん達、そしてリーアさんにルトがバレたら終わりだ……。
そう、思いながらルトの方に向くと、私の思いが伝わったのか。
ルトは“ごめんね”というように頭を少し下げていた。
(ルトが犬に見える。)
(シュンとしてる所が似てる。)
そして何を思ったかシュンとしてるまま、舌を出してコツンと頭を叩いた、真顔で。
(‥?)
(どうしたんだろう?大丈夫かな。)
何をしてるんだろう?と見ているとルトが顔をあげて、紙に何やら書き始めた。
──
書き終わり見てみると。
【やらかシだときはごれをやったら、ぃいよッて】
今回は読みやすいな。
やらかしたときにはこれをやったら、いいよって。
ということかな。
次のページをめくると。
【おシえてもらッて、つかッてみだの。へんだッだね。わカらないゖどね。】
うーん。
おんえてもらって、つかってみたの。
へんだったね。
わからないけどね。 かな。
ルトの文字を4回見て思ったけど、
4回とも”し“を間違えてるな。
たぶん、こうかな。
やらかしたときにはこれをやったら、いいよって。
おしえてもらって、つかってみたの。
へんだったね。わからないけどね。
(そうなんだ。)
(だれにおしえてもらったんだろう?)
と考えていると背後から声がした。
「ちびっ子二人で何をしてるんだ?」
「にしても…」
と言ってルトの方を見ながら話す。
「こんな子もいたのかな?」
声の主はリトさんだった…。
(どうしよう。リトさんにバレたら。)
(な、何とかしなきゃ。)
私はリトさんのスカートの裾を引っ張った。
「何?カルヤ。」
(何を言おう‥。 えっと……。)
(あ、そうだ。)
「リトさんも仕事から逃げてきたんですか?」
確かリトさんは途中でメイドさんの誰かに連れて行かれていたはず、着替える時もいなかったし。
「え、そうだけど。」
(あっさりだ。)
そう思っているといつの間にかリトさんの後ろにレオさんがいた。
(いつの間に。)
「…本音は‥?」
「…!、何だレオか‥。」
後ろにいたレオさんに驚いたみたいだった。
でも、後ろにいるレオさんに慣れているような感じもした。
「本音…は?」
「はい、はい。」
そう言うとリトさんはニヤリと口角を上げて言った。
「カルヤちゃんがきちんと出来てるのか見学ツアーしに来た」
「…もう、一‥声。」
「やらかしてたら、面白そうだなと思って見に来たね」
(やっぱり、いじわるだ。リトさん。)
と思いながらリトさんを少し睨んでいると。
小さめ声で。
「確保…。」
と言ってレオさんがリトさんを腰に下げていた縄を取り出して、あっという間にグルグル巻きにしていた。
(何をやってるのかな。)
(メイドさんで合ってるよね?)




