第3話 最初の敗北
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小説版ドリームチャレンジ(Web版)
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マックの声が、黒い部屋に静かに響いた。
「第一マッチ、ここに開幕でございます」
その言葉が落ちた瞬間、空気が変わった。
さっきまでの説明や軽口が、すべて前置きになった。
テーブルの中央に置かれた新品のカード。
僕の側に並ぶ金チップ五枚。
翠の足元で揺れる厚底サンダル。
四隅の警備員。
黒い壁の向こうにいる、見えない観客。
全部が、僕の視界の中で妙にはっきりしていた。
翠がカードを持ち上げる。
カードの裏面には、例の悪趣味なシルエットが並んでいた。
白と黒の装飾、ハート、女性の後背位を思わせる図柄。
さっき翠が文句を言ったせいで、余計に意識してしまう。
見ないようにしようとすると、逆に目に入る。
「英知様。第一ラウンドの基本ベットは金チップ二枚でございます」
マックが告げた。
僕は目の前のチップを見下ろした。
一枚、百万円。
それを二枚。
数字にすれば二百万円だ。
講義の合間に、学食で数十円の差を気にしている僕にとって、理解できる金額ではなかった。
それでも、ここではただの基本ベットだった。
僕は指先でチップを押し出した。
金属の硬質な音が、緑のフェルトの上で小さく鳴る。
向かい側で、翠が肘をついた。
「手、震えてない?」
「震えてません」
「ふーん。じゃあ、顔が震えてる」
「顔は震えないでしょ」
「そういうツッコミはできるんだ」
翠は笑った。
余裕たっぷりに見える笑顔だった。
けれど、さっきから彼女の指先はテーブルの縁を小さく叩き続けている。
黒い壁の向こうの観客を見たあとから、その癖は消えていなかった。
僕だけが緊張しているわけではない。
そう思った瞬間、ほんの少しだけ呼吸が楽になった。
翠がカードを配る。
僕に二枚。
翠に二枚。
カードがフェルトを滑る音は、妙に乾いていた。
僕の手札は二枚とも表向きで置かれている。
翠の手元では、一枚だけが表向き、もう一枚は伏せられたままだった。
「英知様。手札をご確認くださいませ」
僕の前に置かれた二枚は、どちらも表向きだった。
六。
そして、五。
合計十一。
悪くはない、と思った。
いや、ブラックジャックに詳しいわけではないが、二十一にはまだ遠い。
ここで一枚引けば、十が来ても二十一になる。
絵札でも十扱いだから、可能性はかなりあるはずだ。
けれど、指先が妙に重かった。
たった一枚を引くという行為が、二百万円分の判断になっている。
「英知様。選択をお願いいたします」
HITか、STANDか。
十一で止まる理由はない。
そう頭では分かっている。
少なくとも、僕が昔遊んだWebの脱衣ブラックジャックでは、十一で止まるとだいたい負けていた。
もちろん、あれはブラウザの中の話だ。
画面の向こうにいたのは、クリックすれば決まった反応を返す二次元の女の子だった。
今、目の前にいる翠は違う。
声がある。
息遣いがある。
テーブルの向こうで、こちらを見ている。
そして勝てば、本当に彼女の身につけているものが一つ失われる。
最初はサンダル。
けれど、説明された衣服区分を思い出せば、それだけで終わるとは限らない。
もし勝負が続けば、トップスも、ボトムスも、彼女の身体を隠しているものが一つずつ賭け対象になっていく。
白いチューブトップに包まれた胸元。
短いデニムから伸びる脚。
さっき視線を逸らそうとして、結局逸らせなかった場所。
それらが、勝負の結果として少しずつ剥がされていく光景が、勝手に頭の中へ浮かんだ。
見たい、と思ってしまった。
そう思った瞬間、喉の奥が熱くなる。
最低だ。
そう分かっているのに、胸の奥で興奮が小さく膨らんでいくのを止められなかった。
その事実を意識した瞬間、僕の知識は急に頼りなくなった。
脱衣ブラックジャック経験者。
文字にすると最低の肩書きだった。
「……HITで」
翠が一枚、僕の手元へカードを滑らせた。
追加カードは、表向きで止まる。
九。
合計二十。
胸の奥で、何かが跳ねた。
いける。
たぶん、これは強い。
僕は思わず顔を上げた。
「へえ」
翠がこちらを見ていた。
「二十見えた瞬間、ちょっと勝った顔した」
「……してません」
「してた。すごいしてた」
僕は黙った。
たぶん、していた。
僕の顔は、僕より先に勝利宣言をしていた。
翠の伏せカードが開かれた。
翠は公開された手札を見下ろして、小さく息を吐いた。
翠は山札からカードを一枚引いた。
追加カードは表向きで置かれ、数字が全員に示された。
数字がまだ届いていないのか、翠は続けてもう一枚、自分の手元へカードを滑らせた。
そのカードも表向きで止まった。
翠は公開された数字を見て、口角を上げた。
嫌な予感がした。
そこで翠は、カードを引く手を止めた。
マックが双方の手札を確認する。
「英知様、二十」
二十。
かなり強いはずだ。
「翠様、二十一」
視界が一瞬、止まった。
「第一ラウンド、勝者、翠様」
金チップ二枚が、僕の側から翠側の処理領域へ移される。
音は小さかった。
けれど、頭の中では何かが大きく崩れたように響いた。
「ざーんねん」
翠が笑った。
「二十で勝ったと思った?」
僕は何も言えなかった。
二十なら勝てると思った。
思ってしまった。
それが顔に出ていたのだろう。
翠は楽しそうに目を細める。
「そういう顔、ほんと分かりやすい」
* * *
第二ラウンドの基本ベットも、金チップ二枚だった。
僕の手元には、もう三枚しか残っていない。
まだ三枚ある。
そう考えようとした。
けれど、最初に並んでいた五枚を思い出すと、すでに失った二枚の方が大きく感じられた。
マックがベットを確認し、翠がカードを配る。
僕の手札は、十と七。
合計十七。
微妙だった。
二十一には届かない。
けれど、ここで引けばバーストする可能性も高い。
十が来れば終わる。
九でも終わる。
八でも終わる。
でも、十七で止まって勝てるのか。
翠は僕をじっと見ていた。
「悩んでる」
「そりゃ悩みますよ」
「十七って、いちばん嫌な数字だよね。引いても怖いし、止まっても怖いし」
軽い声だった。
だが、その軽さが逆に刺さった。
これは彼女にとっても勝負のはずなのに、なぜそんな顔ができるのか。
いや、できるように見せているだけなのか。
僕には分からなかった。
「英知様。選択をお願いいたします」
十七。
引くか、止まるか。
安全に見えるのはSTANDだ。
でも、翠が十八以上なら負ける。
ここで負ければ、残りは一枚になる。
二枚失って、さらに二枚失う。
その現実が、指先を冷たくした。
「……STAND」
僕は止まった。
止まるしかなかった。
翠の伏せカードが開かれる。
翠は公開された手札を確認し、山札へ手を伸ばした。
一枚を自分の手元へ滑らせる。
追加カードは表向きで置かれた。
その数字を見た瞬間、翠の口元がほんの少し動いた。
そこで、翠はそれ以上カードを引かなかった。
マックが確認する。
「英知様、十七」
僕は祈るように翠の手元を見た。
「翠様、十九」
「第二ラウンド、勝者、翠様」
また、チップが移動した。
金チップ二枚。
僕の手元に残ったのは、一枚だけだった。
「あれ?」
翠がわざとらしく首を傾げる。
「もしかして、もう終わりそう?」
「まだ、一枚あります」
「一枚ね」
翠は小さく笑った。
「五百万円が、もう百万円になっちゃったね」
その言葉で、胸の奥が冷えた。
五百万円。
祖父が残した金。
僕がここまで抱えてきたバッグの重み。
それが、もう一枚のチップに圧縮されている。
しかも、その一枚を失えば終わりだ。
何もできずに終わる。
翠のサンダルどころか、彼女の余裕を崩すことさえできずに。
「英知様」
マックの声は、最後まで静かだった。
「第三ラウンドにおいて、英知様の所持チップは基本ベットに満たないため、残り全額、金チップ一枚をベットしていただきます」
僕は最後の一枚に触れた。
薄い。
軽い。
なのに、指から離れなかった。
「どうぞ」
マックが促す。
僕はチップを押し出した。
これで、全部だった。
* * *
第三ラウンドのカードが配られる。
僕の手札は、八と三。
合計十一。
また十一。
最初のラウンドと同じように、一枚引くには悪くない数字だった。
僕は息を整えようとした。
大丈夫だ。
ここで勝てば、少しだけ戻せる。
いや、戻せるわけではない。
勝っても、次がある。
けれど少なくとも終わらずに済む。
祖父の五百万円を、たった三ラウンドで失った男にはならずに済む。
「英知様。選択をお願いいたします」
「HIT」
ほとんど反射だった。
翠がカードを配る。
追加カードは、僕の手元に表向きで置かれた。
八。
合計十九。
悪くない。
今度こそ、と思った。
翠は僕の顔を見て、少しだけ眉を上げた。
「また希望出た顔してる」
「……してません」
「してる。十九って見えた瞬間、ちょっと生き返った」
「そんなに分かりますか」
「分かる。隠すの下手すぎ」
翠の伏せカードが開かれる。
翠は公開された手札へ視線を落とし、ほんの少しだけ唇を噛んだ。
その仕草を見て、僕の胸が跳ねる。
今度こそ。
そう思った。
翠はディーラーとして、山札から自分のカードを引いた。
追加カードは表向きで置かれた。
ほんの短い沈黙が落ちた。
翠の指が、山札から離れる。
それ以上、引かない。
その動きだけで、嫌な予感が背筋を這い上がった。
マックがカードを確認する。
「英知様、十九」
僕は息を止めた。
「翠様、二十」
その数字を聞いた瞬間、身体の中から力が抜けた。
「第三ラウンド、勝者、翠様」
最後の金チップが、僕の前から消えた。
「以上をもちまして、第一マッチ終了でございます」
マックの声が、黒い部屋に丁寧に響いた。
「チップの流れは止まり、判定の時が参りました」
僕はテーブルの上を見ていた。
さっきまで五枚あったはずの金チップが、もう一枚もない。
五百万円がない。
祖父が残した一度きりのチャンスも、なくなった。
何もない。
「勝敗を確認いたしました」
マックは淡々と続ける。
「本マッチの勝者は、翠様でございます」
翠は椅子の背にもたれ、厚底サンダルのつま先を軽く鳴らした。
余裕ぶっているように見えた。
けれど、その肩からは、ほんの少しだけ力が抜けている。
勝ったことに安心しているようにも見えた。
「当然の結果ね。おつおつ」
軽い声だった。
「最初の一戦で終わりとか、ちょっと早すぎない?」
返す言葉がなかった。
最初のラウンドで二十を出して負けた。
二度目は十七で止まって負けた。
最後は十九で負けた。
決して、めちゃくちゃな判断をしたつもりはない。
それでも負けた。
すべて負けた。
マックが規定を読み上げる。
僕が継続を希望する場合、追加賭け金の提示により再戦は可能。
ただし、次のマッチで翠が提示する賭け対象と同価値の金額を、その場で現金として用意する必要がある。
後払い、口約束、外部資産の証明のみでの追加は認められない。
もちろん、僕にそんな現金はない。
バッグの中にあった五百万円は、もう消えた。
祖父が残した最後のチャンスは、何ひとつ形になることなく、今この瞬間に潰えた。
「追加賭け金の提示が確認できないため、英知様の継続権は失効いたします」
マックの丁寧な声が、かえって残酷に響いた。
「残念ですが、英知様。今回のドリームチャレンジは、ここで終了でございます」
「え、ほんとに終わり?」
翠が目を丸くした。
「あたし、まだ何も取られてないんだけど」
彼女は自分のサンダルを軽く鳴らし、勝ち誇ったように笑った。
その足元さえ、僕には届かなかった。
「五百万円払って、何もできずに負けただけ」
翠の言葉は、軽い。
軽いからこそ、深く刺さる。
「逆にすごいね。じゃあね」
マックが一礼した。
「本日はご参加いただき、誠にありがとうございました」
礼儀正しく、淡々としていて、だからこそ救いがない。
僕は、負けてはいけない最初の場面で負けてしまった。
一つでも勝てば、何かが変わったかもしれない。
せめて一度だけでも、翠の余裕を崩せたかもしれない。
だが、現実には何も起こらなかった。
五百万円を失い、挑戦権を失い、祖父が残した可能性まで失った。
こんなことなら、参加するべきではなかった。
こんなことなら、あのお金を別のことに使えばよかった。
いや、そもそも祖父の家になど行かなければよかったのかもしれない。
強い後悔だけが、胸の奥で黒く膨らんでいく。
息が詰まり、視界の端が暗く滲んだ。
黒い壁。
見えない観客。
翠の笑い声。
マックの丁寧な声。
全部が遠ざかっていく。
やがて、僕の意識はゆっくりと暗闇に沈んでいった。
* * *
誰かの声がする。
最初は、音なのか記憶なのか分からなかった。
ただ暗い。
音もなく、光もなく、身体の重ささえない。
僕はどこかに浮かんでいるようだった。
「……や」
遠くから、誰かが呼んでいる。
「英知や」
聞き覚えのある声だった。
だが、その声の主はもうこの世にいないはずだった。
「おお。負けてしまったか、英知」
目の前に、祖父が立っていた。
亡くなったはずの祖父。
金庫に五百万円と会員証と手紙を残し、僕をドリームチャレンジへ送り込んだ張本人。
「じいちゃん……?」
声がかすれた。
祖父はいつものような、どこか飄々とした顔をしていた。
死んだ人間にいつもの顔も何もないはずなのに、僕の記憶の中の祖父そのままだった。
「死んだはずのワシが出てきて、驚いておるのも無理はない」
祖父はうむ、と頷いた。
「正直、ワシ自身も驚いておるわ」
「そこは驚かないでよ」
思わず言ってしまった。
状況が異常すぎて、まともな反応をする余裕がなかった。
「じゃが、そんなことよりもじゃ」
祖父は急に表情を引き締めた。
「英知よ。負けてしまうとは情けない」
腹が立った。
「いや、待ってよ。普通に無理だよ」
自分でも驚くくらい、言葉が出てきた。
「ブラックジャックって運もあるし、そもそもディーラー側が有利なんじゃないの? 翠がディーラーで、僕は二十とか十九とか出して負けたんだけど」
「その通りじゃ」
祖父はあっさり認めた。
「ブラックジャックは、基本的にディーラー側が有利にできておる。今回で言えば、翠ちゃんの側じゃな」
「じゃあ、なんでもっとお金残してくれなかったの」
「そりゃ、全部使ってしまったからじゃ」
「は?」
「ワシの金じゃ。何に使おうがワシの自由じゃろう」
確かにその通りだが、なんだか釈然としない。
「それに、仮に金が残っていたとしても、ワシは最初から、お前に何度も再戦させるつもりはなかった」
祖父は少しだけ真面目な声になった。
「いや、再戦させたくなかったのじゃ」
「どういう意味?」
「今、こうしてお前と再び会えたこと。それこそが、すべての理由じゃ」
僕には、その意味が分からなかった。
祖父は続ける。
「お前には、ワシからある能力が受け継がれておる。ただし、その能力が目覚めるには条件がある」
暗闇の中で、祖父の声だけが妙にはっきり響いた。
「それは、心の底から強く後悔することじゃ」
後悔。
胸の奥に、さっきまでの黒い重さが戻ってくる。
五百万円を失ったこと。
翠に何もできずに負けたこと。
祖父の手紙を信じてしまったこと。
それでも、あの場所へ行かなければよかったと完全には言い切れないこと。
全部が混ざって、胃の奥を掴まれるようだった。
「お前は戦いに敗れ、悔しさのあまり、目の前が真っ暗になったじゃろう? その強い後悔によって、能力が開花したのじゃ」
祖父が何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
だが、亡くなった祖父と会話しているという異常な状況を前にして、否定することもできなかった。
それに、胸の奥で何かがざわついている。
後悔の底に沈んでいたものが、ゆっくり形を持ち始めるような感覚があった。
「では、お前が目覚めた能力について説明してやろう」
祖父は指を一本立てた。
「まず一つ目は、やり直しのSAVE&LOADじゃ」
「……名前、安直すぎない?」
思わず苦笑した。
「分かりやすいのが一番じゃ」
祖父は胸を張った。
「これは、時間を巻き戻してやり直す能力じゃ。戻れる時間は、最大で一日前まで。その範囲内であれば、どの時点へ戻るかもある程度調整できる」
「強い後悔……」
「ただし、発動には強い後悔が必要になる。後悔を失えば、戻ることはできん。最大でも一日前までじゃから、体は子供、頭脳は大人、みたいに小学生から人生をやり直して無双することもできんぞ」
祖父もきっと、それを試したかったのだろう。
「二つ目は、透視能力X-RAYじゃ」
祖父は二本目の指を立てた。
「これは、カードを透かして見ることができる能力じゃ」
「カードを?」
「そうじゃ。カードだけじゃ」
祖父は妙に悲しそうな顔をした。
「壁も服も、もちろん人間も透けん。本当に残念じゃ」
「何に使うつもりだったんだよ」
「男には、聞かんでも分かることがある」
「……分かるのが嫌だよ、じいちゃん」
少しだけ、息が楽になった。
祖父と話している。
死んだはずの祖父と、わけの分からない能力の説明を聞きながら、くだらない会話をしている。
異常なのに、妙に懐かしかった。
「ゲームなら回数制限でも付きそうな能力じゃが、これは現実じゃ」
祖父は軽く肩をすくめた。
「じゃが、見えることと勝てることは別じゃ。見えたものをどう使うか、どこまで踏み込むかは、お前自身が決めることになる」
祖父の輪郭が、少しずつ薄れていく。
暗闇の奥から、何かに引き戻されるような感覚があった。
「どうやら、時間切れのようじゃ」
「待って、じいちゃん」
聞きたいことは山ほどあった。
ドリームチャレンジとは何なのか。
祖父はどうしてあの会員証を持っていたのか。
翠は何者なのか。
僕は本当に戻れるのか。
けれど、言葉になる前に、祖父の姿はさらに遠ざかった。
「ではな、英知」
祖父は笑った。
「ワシは常に、お前を見守っておる。そしてワシも翠ちゃんの裸もエッチなところも見たい。頑張れよ、英知」
「いろいろ台無しだよ!」
返事はなかった。
闇が白く滲む。
僕は、自分が落ちているのか浮かんでいるのかも分からないまま、意識を引き戻されていった。
カードを見透すX-RAY。
最大一日前まで、戻る時点を調整できるSAVE&LOAD。
そして、心の底からの後悔。
次に目を開けたとき、僕はまた、すべてを失う前の場所に立つことになる。




