108 ロンダット一家
子沢山で有名なロンダット一家の大黒柱は、かつて王宮で魔術部隊隊長すら務めた魔術師である。
現在は町の守の要として、自警団に籍を置いている。
そして彼の妻は、町で一番腕利きの魔道具士だ、ちょくちょく出産と育児のために店を閉めるのが玉に瑕だが、彼女の作る魔道具は一風変わっているが使い勝手がよく、近隣の町からも買いに来る人間が後を絶たない。
彼らの間には、この町に定住した翌年に生まれた長男を筆頭に既に6人の子供が居る、7人目はまだ生まれてきていないが、お腹の中で元気に育っているようだ。
彼らは知らないが、こっそり子宝と安産の象徴として崇められており、不妊に悩む近隣の夫婦がロンダット家の方角に向かって毎朝晩手をあわせている。
彼らが居るおかげで随分と町も活性化した。
町長は毎晩寝る前に、ロンダット家の方角に向かって手を(以下略)。
Fin
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の本命小説が更新されるまでの間繋ぎとしての需要を見込んで始めた、隙間産業的な"軽く・短く・わかりやすく・毎日更新"をモットーに書き始めた作品でありました。
毎日更新は途中で途切れ、隙間産業としての意義を失っていたわけではありますが、それでも何とか煩悩の数(108話)までたどり着き締めくくる事となりました。
これもひとえに、この作品を読んで応援してくれた皆様のおかげです。
回収出来ていない伏線も有り、むず痒い思いを残してしまい申し訳ありません。
最後までお付き合い頂き、本当に、本当にありがとうございました。
koru.
H23.10.13-H24.4.7