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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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98/141

第98話「アクアの型」


 メタルスライム。

 よく見ると。

 枝に。

 びょーん。

 腕みたいなものを伸ばしていた。

 そして。

 その反動で。

 高速射出。

 アクア。

 避けながら分析する。

「なるほどな」

 ユウ。

 枝を蹴って跳ぶ。

「なにかわかった?」

 アクア。

「伸び切った瞬間」

「止まってる」

 ユウ。

「あー!」

 アクア。

「その瞬間捕まえればいい」

 ユウ。

 ニヤリ。

「やってみる!」

 そのまま。

 上の枝へ。

 ジャンプ。

 ドォン!!

 軽すぎる。

 メタルスライム。

 ピュン!!

 飛んでくる。

 伸び切る。

 その瞬間。

 バシッ!!

 ユウ。

 空中キャッチ。

「取れたー!」

 さらに。

 細い枝を掴む。

 びゅん!!

 振り子みたいに戻ってくる。

 アクア。

「器用だな!?」

 その間にも。

 スライム襲来。

 ピュン!!

 ピュン!!

 アクア。

 避ける。

 しゃがむ。

 回転。

 片手でキャッチ。

 右手。

 一匹。

 左手。

 一匹。

 同時。

「よし」

 指を突っ込む。

 核。

 引き抜く。

 ポケットへ。

 流れるような動き。

 完全に作業。

 しばらく続く。

 枝の上。

 高速戦闘。

 だが。

 突然。

 静かになる。

 アクア。

 周囲を見る。

「……尽きたか?」

 ユウ。

 上から降りてくる。

 軽やか。

 そして。

 ポケットを逆さにする。

 ジャラジャラ。

 核。

 十三個。

「はい」

 アクアへ差し出す。

 アクア。

 首を振る。

「いや」

「それはお前のだ」

 ユウ。

「え?」

 アクア。

 ドヤ顔。

「もらったらヒモだ」

 ユウ。

 吹き出す。

「まだ気にしてるの!?」

 アクア。

 自分のポケット確認。

 七個。

 合計。

 二十個。

 金貨六百枚。

 アクア。

「やば」

 ユウ。

「大金持ち!」

 だが。

 本来の目的。

 世界樹の新芽。

 探す。

 探す。

 探す。

 ……ない。

 全然ない。

 アクア。

「あれ?」

 依頼書確認。

 読む。

 数秒後。

 固まる。

『新芽は初夏一ヶ月のみ発生』

 アクア。

「……」

 ユウ。

「今何月?」

「十一月」

 沈黙。

 ユウ。

 大爆笑。

「あはははは!!」

 アクア。

「依頼出したやつアホだろ!!」

 ユウ。

 笑いながら。

「また夏に来ようよ」

 アクア。

 ため息。

「まぁ収穫はあったしな」

 ユウ。

「じゃあ依頼終了!」

 次の瞬間。

 枝から飛び降りる。

 アクア。

「おいぃぃ!?」

 慌てて追う。

 飛び降りる。

 だが。

 ユウ。

 真っ直ぐ。

 速い。

 どんどん加速。

 追いつけない。

 アクア。

「速ぇ!?」

 地面。

 迫る。

 ユウ。

 地上三十メートル。

 くるり。

 前転。

 ドン!!

 両足着地。

 軽くクレーター。

 アクア。

「うそだろ」

 もう遅い。

 調整できない。

 そのまま。

 ベチャァァァン!!

 全身着地。

 地面。

 人型にへこむ。

 両手。

 両足。

 綺麗に広がった型。

 まるで芸術。

 静止。

 数秒後。

 アクア。

 むくり。

 普通に起き上がる。

「あれ?」

 あまり痛くない。

 ユウ。

 呆然。

「平気なの!?」

 アクア。

 身体を見る。

「防御力どうなってんだ……」

 そして。

 自分の型を見る。

 ユウ。

 腹抱えて笑う。

「あはははは!!」

「ここに粘土入れたらアクア像作れる!!」

 アクア。

 自分の型見て。

 吹き出す。

「あははっ!」

 二人。

 雪の中で笑い転げた。



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