第98話「アクアの型」
メタルスライム。
よく見ると。
枝に。
びょーん。
腕みたいなものを伸ばしていた。
そして。
その反動で。
高速射出。
アクア。
避けながら分析する。
「なるほどな」
ユウ。
枝を蹴って跳ぶ。
「なにかわかった?」
アクア。
「伸び切った瞬間」
「止まってる」
ユウ。
「あー!」
アクア。
「その瞬間捕まえればいい」
ユウ。
ニヤリ。
「やってみる!」
そのまま。
上の枝へ。
ジャンプ。
ドォン!!
軽すぎる。
メタルスライム。
ピュン!!
飛んでくる。
伸び切る。
その瞬間。
バシッ!!
ユウ。
空中キャッチ。
「取れたー!」
さらに。
細い枝を掴む。
びゅん!!
振り子みたいに戻ってくる。
アクア。
「器用だな!?」
その間にも。
スライム襲来。
ピュン!!
ピュン!!
アクア。
避ける。
しゃがむ。
回転。
片手でキャッチ。
右手。
一匹。
左手。
一匹。
同時。
「よし」
指を突っ込む。
核。
引き抜く。
ポケットへ。
流れるような動き。
完全に作業。
しばらく続く。
枝の上。
高速戦闘。
だが。
突然。
静かになる。
アクア。
周囲を見る。
「……尽きたか?」
ユウ。
上から降りてくる。
軽やか。
そして。
ポケットを逆さにする。
ジャラジャラ。
核。
十三個。
「はい」
アクアへ差し出す。
アクア。
首を振る。
「いや」
「それはお前のだ」
ユウ。
「え?」
アクア。
ドヤ顔。
「もらったらヒモだ」
ユウ。
吹き出す。
「まだ気にしてるの!?」
アクア。
自分のポケット確認。
七個。
合計。
二十個。
金貨六百枚。
アクア。
「やば」
ユウ。
「大金持ち!」
だが。
本来の目的。
世界樹の新芽。
探す。
探す。
探す。
……ない。
全然ない。
アクア。
「あれ?」
依頼書確認。
読む。
数秒後。
固まる。
『新芽は初夏一ヶ月のみ発生』
アクア。
「……」
ユウ。
「今何月?」
「十一月」
沈黙。
ユウ。
大爆笑。
「あはははは!!」
アクア。
「依頼出したやつアホだろ!!」
ユウ。
笑いながら。
「また夏に来ようよ」
アクア。
ため息。
「まぁ収穫はあったしな」
ユウ。
「じゃあ依頼終了!」
次の瞬間。
枝から飛び降りる。
アクア。
「おいぃぃ!?」
慌てて追う。
飛び降りる。
だが。
ユウ。
真っ直ぐ。
速い。
どんどん加速。
追いつけない。
アクア。
「速ぇ!?」
地面。
迫る。
ユウ。
地上三十メートル。
くるり。
前転。
ドン!!
両足着地。
軽くクレーター。
アクア。
「うそだろ」
もう遅い。
調整できない。
そのまま。
ベチャァァァン!!
全身着地。
地面。
人型にへこむ。
両手。
両足。
綺麗に広がった型。
まるで芸術。
静止。
数秒後。
アクア。
むくり。
普通に起き上がる。
「あれ?」
あまり痛くない。
ユウ。
呆然。
「平気なの!?」
アクア。
身体を見る。
「防御力どうなってんだ……」
そして。
自分の型を見る。
ユウ。
腹抱えて笑う。
「あはははは!!」
「ここに粘土入れたらアクア像作れる!!」
アクア。
自分の型見て。
吹き出す。
「あははっ!」
二人。
雪の中で笑い転げた。




