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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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第96話「螺旋階段」


 最初の枝。

 広い。

 静か。

 巨大。

 アクアとユウは周囲を見回す。

 すると。

 枝が生えている根元部分。

 ぽっかり。

 大穴。

 アクア。

「ん?」

 近づく。

 覗く。

「……あ」

 中。

 空洞。

 そして。

 ずっと上へ続く。

 螺旋階段。

 アクア。

 思わず叫ぶ。

「階段あった!!」

 ユウ。

「嘘ぉ!?」

 ダダダッ!!

 走ってくる。

 その瞬間。

 ぷるん!!

 銀色。

 メタルスライム三匹。

 不意打ち。

 ユウへ飛びかかる。

「うわっ!」

 反応。

 速い。

 二匹。

 バシィッ!!

 叩いて逸らす。

 だが。

 三匹目。

 角度が悪い。

 腹へ直撃。

 ドゴッ!!

「きゃっ!?」

 ユウ。

 枝の外へ。

 落下。

 アクア。

「ユウ!!」

 考えるより先。

 飛び出していた。

 迷いゼロ。

 枝から飛び降りる。

 ユウへ一直線。

 空中。

 ユウを掴む。

「捕まえた!」

 だが。

 腹に張り付いたメタルスライム。

 びよーーーん。

 ゴムみたいに伸びる。

 枝にくっついたまま。

 そのまま。

 スライムだけ戻っていく。

 ぷるん。

 枝へ帰還。

 アクア。

「逃げやがった!」

 だが今は。

 それどころじゃない。

 落下。

 超高速。

 風圧。

 ユウ。

 なぜか余裕。

「大丈夫だよー」

「多分落ちても平気ー」

 アクア。

「多分で言うなぁぁ!!」

 地面迫る。

 もう近い。

 普通なら即死。

 アクア。

 片手でユウを抱え。

 もう片方。

 下へ向ける。

「爆ぜろ!!」

 爆発魔法。

 ドゴォォォォン!!

 地面直前。

 爆風。

 反動。

 速度を相殺。

 二人。

 ズザァァァァ!!

 地面へ着地。

 土煙。

 沈黙。

 そして。

 アクア。

「……生きてる」

 ユウ。

「たのしかった〜」

 アクア。

「俺は楽しくない!!」

 二人とも。

 髪ボサボサ。

 爆風で焦げ気味。

 ユウ。

 髪を触る。

「あ、チリチリ」

 アクア。

「うわ俺もだ……」

 完全に失敗着地。

 だが。

 生還。

 アクア。

 ため息。

「普通に階段使えばよかった……」

 ユウ。

「あ」

 二人。

 同時に上を見る。

 遥か上。

 世界樹。

 ユウ。

 笑う。

「階段あるね」

 アクア。

「あるな」

 無言。

 気まずい。

 そのまま。

 世界樹の根元へ戻る。

 中。

 空洞。

 巨大。

 まるで塔。

 螺旋階段。

 延々と上へ続いている。

 ユウ。

「最初からこれで良かったじゃん」

 アクア。

「ほんとにな!!」

 二人は。

 ボロボロ頭のまま。

 階段を上り始めた。



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