第94話「幻影少女と貴族鬼殺し」
ギルド。
昼。
熱気。
酒。
怒号。
依頼掲示板の前には冒険者が群がっていた。
アクアが歩く。
ユウも後ろ。
ミーちゃんは肩。
冒険者たちがチラチラ見る。
豪華な毛皮。
子供。
黒猫。
かなり目立つ。
アクア。
依頼書を眺める。
低ランク依頼。
薬草。
荷運び。
狼討伐。
そして。
一枚だけ。
赤い印。
Sクラス専用依頼。
アクア。
「これだな」
ペリッ。
剥がす。
周囲。
静止。
冒険者の一人。
大男。
傷だらけ。
「おい坊主」
アクア。
「ん?」
「意味わかって取ってんのか?」
凄む。
威圧。
だが。
アクア。
完全無視。
そのまま受付へ。
「これ受ける」
受付嬢。
依頼書を見る。
顔色変わる。
「Sクラス依頼ですが……」
アクア。
カードを置く。
ユウも。
カタン。
受付嬢。
「……え?」
カードを見る。
もう一回見る。
子供を見る。
カードを見る。
混乱。
「Sクラス……?」
周囲。
ざわざわ。
「は?」
「ガキだろ?」
受付嬢。
偽造を疑う。
だが。
カード本物。
魔法刻印。
ギルド紋章。
間違いない。
名前を見る。
そして。
固まる。
「……幻影少女」
ユウ。
「?」
受付嬢。
さらに。
「……貴族鬼殺し」
アクア。
「あ」
受付嬢。
慌てる。
「な、なんでもありません!」
アクア。
「今絶対変な呼び方したよな?」
受付嬢。
冷や汗。
「き、気のせいです!」
だが。
納得した。
判子。
ドン!
「受理します」
周囲。
騒然。
「Sクラス!?」
「嘘だろ!?」
「子供じゃねぇか!!」
受付嬢。
小声。
「幻影少女と貴族鬼殺しです」
冒険者たち。
「「えぇぇぇぇ!?」」
空気変わる。
一気に距離を取る者。
興味津々の者。
恐怖する者。
ユウ。
アクアへ。
「貴族鬼殺しって何?」
アクア。
「俺も知らん」
絶対嘘。
二人は無視して出ていく。
依頼書確認。
内容。
『世界樹の新芽採取』
『メタルスライム討伐』
場所。
北西へ一時間。
報酬。
世界樹の新芽。
金貨五十枚。
メタルスライムの核。
金貨三十枚。
ユウ。
「高っ!」
アクア。
「Sクラスだしな」
ミーちゃんへ視線。
「行くか?」
ミーちゃん。
ぴょん。
肩から降りる。
床へ。
「にゃー」
アクア。
「行かないのか?」
ミーちゃん。
丸くなる。
完全に留守番モード。
ユウ。
「宿で寝たいんじゃない?」
アクア。
「寒いしな」
そのまま。
宿へ戻る。
ミーちゃんを部屋へ置く。
暖炉前。
毛皮の上。
「にゃ〜」
超快適そう。
アクア。
「じゃあ留守番頼むな」
ミーちゃん。
しっぽだけ振る。
そして。
アクアとユウは。
雪降る北西の森へ出発した。
世界樹の新芽。
そして。
高額報酬を求めて。




