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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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92/141

第92話「グルガ爺さん」


 街外れ。

 雪。

 黒煙。

 カン!カン!カン!

 鍛冶の音。

 アクアたちは古びた鍛冶屋へ辿り着いた。

 看板。

『グルガ工房』

 ユウ。

「なんか怖そう」

 アクア。

「まぁ鍛冶屋ってこんなもんじゃないか?」

 扉を開ける。

 ギィィ……

 アクア。

 右足から入る。

 そして。

 店内をキョロキョロ。

 次の瞬間。

「てめぇぇぇぇ!!」

 爆音。

 二人ビクッ!!

 奥から。

 筋肉ダルマみたいなジジイ。

 白ヒゲ。

 鬼の形相。

「右足から入るんじゃねぇ!!」

「えぇ!?」

「しかも入ってすぐキョロキョロすんじゃねぇぇ!!」

「なんで!?」

 意味不明。

 グルガ。

 激怒。

 持っていた金づちを投げる。

 ゴォッ!!

 速い。

 だが。

 アクア。

 反射でキャッチ。

「うおっ」

 そして。

 そのまま投げ返す。

 グルガ。

「!?」

 ギリギリキャッチ。

 バチィン!!

 掌が痺れる。

 目が見開く。

「……やべぇやつが来たな」

 堂々と言う。

 ユウ。

 即答。

「やべぇ店に来たな」

 アクア笑いを堪える。

「それはそう」

 グルガ。

 鼻を鳴らす。

「勝手に見ていけ」

 アクアたち。

 刀を見る。

 大量。

 槍。

 斧。

 鎧。

 どれも只者じゃない。

 その時。

 ミーちゃんがトコトコ歩き始める。

 物色。

 完全に店主みたい。

 一本の刀の前で止まる。

「にゃー」

 アクア。

「これか?」

 手を伸ばす。

 瞬間。

「フギャー!!」

 ミーちゃん威嚇。

 アクア。

「うおっ!?」

 爪まで出てた。

 グルガ。

 黙って見ていた。

 ニヤリ。

「ほぉ〜」

 近づく。

「わかるのか。猫ちゃん」

 アクア。

「?」

 グルガ。

 刀を見る。

「その刀は呪われてる」

 空気変わる。

 ユウ。

「呪い?」

「持ち主が必ず死ぬ刀だ」

 アクア。

「うわぁ……」

 見た目は美しい。

 黒い刀身。

 妖しい輝き。

 だが。

 怖い。

 グルガ。

「見た目に騙されて死んだ奴が何人もいる」

 ミーちゃん。

「シャー……」

 完全警戒。

 アクア。

「お前すごいな」

 ミーちゃん。

 ふんっと鼻を鳴らす。

 その後。

 また歩き始める。

 一本一本。

 確認。

 プロ鑑定士。

 ユウが笑う。

「店員さんみたい」

 全部見終わる。

 すると。

 ミーちゃん。

 ぴょん。

 カウンターへ飛び乗る。

 グルガへ。

「にゃーにゃー」

「ん?」

「にゃー!」

 グルガ。

 なぜか真面目に聞く。

 そして。

 喉元をくりくり。

 ミーちゃん。

「ゴロゴロゴロ……」

 一瞬で陥落。

 デレデレ。

 グルガ。

 満足そう。

「よし!わかった!」

 アクアとユウ。

「「急に!?」」

 グルガ。

 腕組み。

「どんな刀が欲しい?」

 アクア。

「何が!?」

 ユウ。

「会話成立してる!?」

 グルガ。

「この猫ちゃんに免じて一本打ってやる」

 ミーちゃん。

 ドヤ顔。

 アクア。

 慌てて紹介状を出す。

「あ、そうだこれ」

 グルガ。

 受け取る。

 読む。

 数秒後。

「お前ぇぇぇぇ!!」

 また怒鳴る。

「なんで最初に出さねぇ!!」

 アクア。

「出すタイミングなかった!!」

 正論。

 グルガ。

 紹介状とカードを見る。

「Sクラス……二人ともか……」

 急に目が職人になる。

 ワクワク。

 興奮。

「それは鍛冶師冥利に尽きるなぁ……」

 なぜか。

 ミーちゃんに向かって言う。

 ミーちゃん。

「にゃー」

 完全に会話成立していた。


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