第92話「グルガ爺さん」
街外れ。
雪。
黒煙。
カン!カン!カン!
鍛冶の音。
アクアたちは古びた鍛冶屋へ辿り着いた。
看板。
『グルガ工房』
ユウ。
「なんか怖そう」
アクア。
「まぁ鍛冶屋ってこんなもんじゃないか?」
扉を開ける。
ギィィ……
アクア。
右足から入る。
そして。
店内をキョロキョロ。
次の瞬間。
「てめぇぇぇぇ!!」
爆音。
二人ビクッ!!
奥から。
筋肉ダルマみたいなジジイ。
白ヒゲ。
鬼の形相。
「右足から入るんじゃねぇ!!」
「えぇ!?」
「しかも入ってすぐキョロキョロすんじゃねぇぇ!!」
「なんで!?」
意味不明。
グルガ。
激怒。
持っていた金づちを投げる。
ゴォッ!!
速い。
だが。
アクア。
反射でキャッチ。
「うおっ」
そして。
そのまま投げ返す。
グルガ。
「!?」
ギリギリキャッチ。
バチィン!!
掌が痺れる。
目が見開く。
「……やべぇやつが来たな」
堂々と言う。
ユウ。
即答。
「やべぇ店に来たな」
アクア笑いを堪える。
「それはそう」
グルガ。
鼻を鳴らす。
「勝手に見ていけ」
アクアたち。
刀を見る。
大量。
槍。
斧。
鎧。
どれも只者じゃない。
その時。
ミーちゃんがトコトコ歩き始める。
物色。
完全に店主みたい。
一本の刀の前で止まる。
「にゃー」
アクア。
「これか?」
手を伸ばす。
瞬間。
「フギャー!!」
ミーちゃん威嚇。
アクア。
「うおっ!?」
爪まで出てた。
グルガ。
黙って見ていた。
ニヤリ。
「ほぉ〜」
近づく。
「わかるのか。猫ちゃん」
アクア。
「?」
グルガ。
刀を見る。
「その刀は呪われてる」
空気変わる。
ユウ。
「呪い?」
「持ち主が必ず死ぬ刀だ」
アクア。
「うわぁ……」
見た目は美しい。
黒い刀身。
妖しい輝き。
だが。
怖い。
グルガ。
「見た目に騙されて死んだ奴が何人もいる」
ミーちゃん。
「シャー……」
完全警戒。
アクア。
「お前すごいな」
ミーちゃん。
ふんっと鼻を鳴らす。
その後。
また歩き始める。
一本一本。
確認。
プロ鑑定士。
ユウが笑う。
「店員さんみたい」
全部見終わる。
すると。
ミーちゃん。
ぴょん。
カウンターへ飛び乗る。
グルガへ。
「にゃーにゃー」
「ん?」
「にゃー!」
グルガ。
なぜか真面目に聞く。
そして。
喉元をくりくり。
ミーちゃん。
「ゴロゴロゴロ……」
一瞬で陥落。
デレデレ。
グルガ。
満足そう。
「よし!わかった!」
アクアとユウ。
「「急に!?」」
グルガ。
腕組み。
「どんな刀が欲しい?」
アクア。
「何が!?」
ユウ。
「会話成立してる!?」
グルガ。
「この猫ちゃんに免じて一本打ってやる」
ミーちゃん。
ドヤ顔。
アクア。
慌てて紹介状を出す。
「あ、そうだこれ」
グルガ。
受け取る。
読む。
数秒後。
「お前ぇぇぇぇ!!」
また怒鳴る。
「なんで最初に出さねぇ!!」
アクア。
「出すタイミングなかった!!」
正論。
グルガ。
紹介状とカードを見る。
「Sクラス……二人ともか……」
急に目が職人になる。
ワクワク。
興奮。
「それは鍛冶師冥利に尽きるなぁ……」
なぜか。
ミーちゃんに向かって言う。
ミーちゃん。
「にゃー」
完全に会話成立していた。




