第91話「グルガ爺さん」
防具屋。
重い扉。
ギィィ……
アクアがファイヤーベアの毛皮を持って入る。
店主。
筋肉質。
ヒゲ。
一瞬で毛皮を見る。
目が細くなる。
「……おい坊主」
「ん?」
「これどうした」
アクア。
普通に答える。
「倒した」
店主。
沈黙。
そして。
鼻で笑う。
「はっ」
完全に疑っていた。
「どうせ盗品だろ」
ユウ。
むっ。
アクアが肩をすくめる。
「違うって」
店主。
毛皮を広げる。
顔色が少し変わる。
「……本物か」
だが。
まだ疑いの目。
「まぁいい」
適当に言う。
「銀貨百枚でどうだ」
アクア。
心の中。
(安い)
絶対安い。
この反応。
完全に舐められている。
アクア。
毛皮をたたむ。
「売らない」
店主。
「は?」
「別の店行く」
そのまま出る。
ユウが後ろを歩く。
「いいの?」
アクアが頷く。
「失敗した」
「?」
「最初からカード見せればよかった」
ギルマスにもらったランクカード。
取り出す。
ユウ。
「あー」
次。
服屋。
かなり上品。
年配の店主。
アクアが毛皮を置く。
「これ買い取ってほしい」
店主。
毛皮を見る。
「ほぉ……」
アクア。
さらにカードを置く。
「あとこれ」
店主。
カードを見る。
停止。
「……え?」
目を擦る。
もう一回見る。
「Sクラス!?」
店内静止。
アクア。
「あぁ」
店主。
アクアを見る。
ユウを見る。
信じられない顔。
「お、お前さんが!?」
アクア。
親指でユウを指す。
「ちなみにこいつも」
ユウもカードを出す。
店主。
「おぉぉ……」
震えていた。
「こんな子供が……最強コンビ……」
完全に見る目変わる。
今度は毛皮を丁寧に確認。
「これは……素晴らしい」
毛並み。
厚さ。
状態。
最高級。
店主が急にソワソワし始める。
「その……」
「?」
「サインいただけます?」
アクア。
「え?」
「絶対プレミアつきます!」
ユウ。
爆笑。
「アクア有名人〜」
アクア。
ちょっと照れる。
「まぁいいけど」
サイン。
さらさら。
ユウも書く。
店主。
感動。
「家宝にします!」
そして。
「サイン込みで金貨二十枚で買い取りましょう!」
アクア。
「おぉ」
かなり高い。
即決。
金貨受け取る。
ずっしり。
アクア。
久しぶりのお金。
ちょっと嬉しい。
「ありがとう」
店主。
「いえいえ!」
そしてアクアが聞く。
「ところでさ」
「はい?」
「いい刀売ってる店知らないか?」
店主。
少し考える。
「あぁ……」
顔が真面目になる。
「それならグルガ爺さんの店だな」
「グルガ?」
「この街一番の鍛冶師です」
「へぇ」
「ただし……」
店主。
苦笑。
「恐ろしい親父ですが」
ユウ。
ワクワク。
「面白そう!」
店主。
紙を取り出す。
紹介状。
サラサラ。
「これを持っていってください」
場所も教えてもらう。
街外れ。
古い鍛冶屋。
煙突。
黒煙。
カン!カン!カン!
遠くから音が聞こえる。
アクア。
少し緊張。
「行くか」
ユウ。
「おー!」
ミーちゃん。
「にゃー!」
三人は雪道を進む。
新しい刀との出会いへ。




