表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
79/85

第79話「ユニコーン暴走」


 倒れた盗賊たち。

 うめき声。

 白目。

 地面に転がる武器。

 その中で。

「あ」

 アクアが何か思い出した顔をする。

 ユウが首をかしげる。

「どうしたの?」

 アクアは周囲を見回す。

 そして近くの木から長い蔓を引きちぎった。

「一応な」

 盗賊の一人を縛る。

 ぐるぐる。

 次。

 また次。

 三十人全員。

 ユウが笑う。

「律儀だね」

 アクアが肩をすくめる。

「放置して暴れられても面倒だ」

 さらに武器も回収。

 山積み。

 剣。

 斧。

 弓。

 全部まとめる。

 そして木に近づく。

 石を拾う。

 ガリガリガリ……

 文字を刻む。

『盗賊です。見ないでください』

 ユウが吹き出す。

「なんで!?」

「見たくないだろ」

「そういう問題!?」

 アクアは満足そうに頷いた。

「よし」

 再び馬車へ。

 ユニコーンたちが鼻を鳴らす。

 ヒヒン。

 アクアが御者台に座る。

 少し酒が入っている。

 ほろよい。

「そういや」

 手綱を握る。

「このユニコーン、どれくらい速いんだ?」

 ユウの目が輝く。

「やってみよう!」

 アクアが軽く鞭を叩く。

 パシッ。

 瞬間。

 ヒヒィィィン!!

 ユニコーンが急加速。

「うおっ!?」

 景色が吹き飛ぶ。

 速い。

 とんでもなく速い。

 草原が流れる。

 風が顔に叩きつける。

 だが。

 馬車はそこまで揺れない。

 高級サスペンション。

 超高級品。

 アクアが感心する。

「すげぇなこれ」

 ユウもテンション爆上がり。

「もっといける!」

 パシィッ!!

 鞭。

 さらに加速。

「おい!?」

 ゴォォォォ!!

 風圧。

 もはや暴走。

 道の石が弾け飛ぶ。

 前から歩いていた男が目を見開く。

「なっ――」

 慌てて飛び退く。

 馬車が横を通過。

 突風。

「ごめんなさーい!!」

 ユウの声だけ残る。

 男が呆然。

「……なんだ今の」

 アクアも笑っていた。

「ヤバいスピードだな」

 だが。

 少しずつ。

 笑顔が引きつる。

 速すぎる。

 そして。

 前方。

 長い下り坂。

「おいユウ」

「うん?」

「これ止まれるか?」

「知らなーい!」

 坂へ突入。

 ドォォォ!!

 さらに加速。

 ユニコーンは平然。

 この速度でも足がもつれない。

 化け物だ。

 アクアが汗を流す。

「流石ユニコーン……!」

 だが問題は。

 馬車。

 前方。

 右カーブ。

 かなり急。

 アクアの目が見開く。

「曲がり切れないかもしれん!」

 ユウが笑っている。

「うわぁぁ楽しい!」

「楽しくねぇ!!」

 カーブ突入。

 ギギギギギ!!

 馬車が傾く。

 片輪走行。

「うおおおお!?」

 ユウが反射的にアクアへ抱きつく。

「落ちるー!」

 アクアが歯を食いしばる。

「このまま左に荷重が寄ったら――」

 転がる。

 即理解。

 右側へ飛びつく。

 全体重をかける。

 ギリギリ。

 車輪。

 浮く。

 耐える。

 ユニコーンがさらに踏ん張る。

 そして――

 ドンッ!!

 馬車が地面に戻る。

 カーブ突破。

 二人。

 しばらく無言。

 そのまま上り坂へ。

 速度が落ちる。

 ようやく。

 減速。

 静寂。

 アクアが青い顔で呟く。

「あ……危なかった……」

 息を吐く。

「ライフ一個無駄使いするとこだった」

 ユウ。

 数秒固まった後。

 大爆笑。

「あははははは!!」

 腹を抱える。

「超楽しかった!!」

 アクアが睨む。

「二度とやらん」

 ユウがニヤニヤする。

「またやろ?」

「やらん」

 ユニコーンたちは満足そうに鼻を鳴らした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ