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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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47/62

第47話「蹂躙」


 五十階。

 巨大な炎をまとった熊。

 ファイヤーベア。

「行くぞ」

 レオンが一歩踏み出す。

 咆哮。

 炎が揺れる。

 だが。

 一閃。

 それだけだった。

「……終わりか」

 炎が消える。

 巨体が崩れる。

「弱いな」

 レオンが剣を払う。

「まぁこんなもんだろ」

 盾役が肩をすくめる。

「次行こうぜ」

 あまりにもあっけない。

 五十二階。

 扉を開ける。

 広い部屋。

 静か。

 次の瞬間。

 四方から魔物が湧き出す。

 モンスターハウス。

「来たな」

 だが。

 レオンが前に出る。

 剣を軽く振る。

 剣圧。

 空気が裂ける。

 目に見えない刃が広がる。

 次の瞬間。

 魔物が一斉に崩れる。

 全滅。

「……つまらん」

 ぽつりと呟く。

 他の三人も苦笑する。

 五十九階。

 宝箱がぽつんと置かれている。

「どう見る?」

「明らかに罠だな」

「ボスだろ」

 全員が理解している。

 近づかない。

 魔法使いが杖を構える。

「いくよ」

 遠距離から魔法を放つ。

 直撃。

 宝箱が揺れる。

 ギギッと口が開く。

 その瞬間。

 レオンが動く。

 一瞬で距離を詰める。

 突き。

 内部へ。

「終わり」

 宝箱が崩れる。

「……雑魚だな」

 六十二階。

 アスレチックゾーン。

「これ、遊びか?」

 足場。

 罠。

 揺れる床。

 だが。

「遅い」

 軽々と突破。

 跳ぶ。

 避ける。

 止まらない。

 六十九階まで。

 一度も止まらずに駆け抜ける。

 七十階。

 マグマの川。

 向こう岸にダークエルフ。

 弓を構える。

 一斉射撃。

「来るぞ」

 盾役が前に出る。

 ガンッガンッと矢を弾く。

「遅いな」

 レオンが呟く。

 次の瞬間。

 跳ぶ。

 信じられない距離を。

 一気に対岸へ。

 着地と同時に斬る。

 一人。

 二人。

 三人。

 残りも瞬殺。

「……終わりか」

 あっという間だった。

 静寂。

 宝箱が現れる。

「開けるぞ」

 中には。

 宝石。

 大量の。

「これは……当たりだな」

「いいね」

 全員が頷く。

 そして。

 帰還。

 光に包まれる。

 次の瞬間。

 一階。

「……で?」

 盾役が言う。

「また行くか」

 レオンが答える。

「当然だろ」

 迷いはない。

「もっと奥だ」

「上限を見たい」

 静かに笑う。

 その目は。

 完全に“攻略者”。

 

 一方。

 コントロール室。

「……はは」

 アクアが乾いた笑いを漏らす。

「やりたい放題だな」

「強いね~」

 ユウも感心している。

「でも」

 アクアの目が細くなる。

「ここまでだ」

 石板に映る。

 次の階層。

 七十階以降。

 さらにその先。

「もう遊びは終わりだ」

 低い声。

「本番だな」

 ユウがにやりと笑う。

「うん」

 アクアが頷く。

「狩りの時間だ」

 迷宮は牙を研ぐ。

 頂点にいる者を。

 叩き落とすために。


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