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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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22/26

第22話「可視化」

※私の多くの作品はアルファポリスに掲載しています。

※お時間ある方は是非、一読ください。

https://www.alphapolis.co.jp/search?category=&query=%E5%BF%8D%E7%B5%B5%E3%80%80%E5%A5%89%E5%85%AC


 石板の前。

 ユウが、妙な場所をいじっていた。

「ねぇこれ何?」

「……どれ」

 アクアが覗き込む。

 見慣れない刻印。

 今まで触っていなかった部分だ。

「押してみるね」

「おい、やめ――」

 カチッ。

 音が鳴る。

 一瞬、画面が暗転する。

 そして――

「……なんだこれ」

 表示が、変わった。

 人影の横に。

 数字と、文字。

「HP……?」

 減っている。

 戦闘中のパーティの一人。

 残り体力が、はっきり見える。

「……おい、これ」

「見えるね」

 ユウも、少し驚いた顔をしている。

「ランクも出てる」

「……Cランク」

 そのパーティの表示。

 “C”。

「……強さが分かるってことか」

「便利じゃん」

 ユウが目を輝かせる。

「便利すぎるだろ」

 アクアは、逆に少し警戒する。

 だが。

 これは使える。


「……来てるな」

 十一階。

 初めての突破者。

 あの分岐を越えた。

 宝箱を捨てて、先に進んだ。

「いいね」

 ユウがニヤリと笑う。

「欲より好奇心」

「そういう奴が、奥まで来る」

 画面を見る。

 四人。

 連携も悪くない。

「Cランクパーティか」

「ちょうどいい相手だね」

 十一階。

 回復の泉。

 パーティが近づく。

「お、水だ!」

「回復できるかも!」

 警戒しながら、足を入れる。

「……浅いな」

「でも回復してる!」

 HPが、ゆっくり戻る。

 画面で、はっきり分かる。

「……いいなこれ」

 アクアが呟く。

「調整しやすい」

「でしょ?」

 ユウが得意げ。

 だがその直後。

「……満タンか」

 HPが、全回復する。

「……この後だな」

 十二階。

 オーク三体。

「行くぞ」

 パーティが進む。


 十二階。

 オークが動く。

「来た!」

 こん棒を振り上げる。

 重い一撃。

 前衛が受ける。

 HPが、一気に削れる。

「うおっ、重っ!」

「回復追いつけるか!?」

 後衛が詠唱。

 HPが、じわじわ戻る。

 だが――

「……削り勝ちだな」

 アクアが分析する。

「うん、いいバランス」

 ユウも頷く。

 可視化されているからこそ分かる。

 ギリギリ。

 危ない。

 だが、勝てる。

「これだな」

 アクアが呟く。

「“ギリギリ勝てる”」

「一番楽しいやつ」

 ユウが笑う。

 そして――

 オーク、撃破。

「……やった……」

「ギリギリだったな……」

 パーティが息を整える。

 HPは、ほぼ限界。

「……戻るか?」

「いや……もうちょい行ける」

 迷っている。

 その様子を見て――

「いいねぇ」

 ユウがニヤニヤする。

「悩んでる悩んでる」

「……性格悪いな」

「褒めてる?」

「褒めてねぇ」

 だが。

 アクアも、少しだけ笑う。

 確かに――

 面白い。


「これでさ」

 ユウが言う。

「もっと細かく調整できるね」

「……ああ」

 アクアも頷く。

「相手の強さ見て、配置変えられる」

「強いの来たら、強いの置く?」

「いや」

 少し考える。

「強いのには、搦め手だな」

「おおー」

「逆に弱いのには、分かりやすく強さ見せる」

「なるほどね」

 ユウが感心する。

「……使えるな、この機能」

「最初から欲しかったね」

「ほんとにな」

 石板を見つめる。

 数字。

 ランク。

 動き。

 すべてが見える。

「……これで」

 アクアが静かに言う。

「もっと面白くできる」

 ユウが、にやりと笑った。

「やっとスタートって感じだね」


※私の多くの作品はアルファポリスに掲載しています。

※お時間ある方は是非、一読ください。

https://www.alphapolis.co.jp/search?category=&query=%E5%BF%8D%E7%B5%B5%E3%80%80%E5%A5%89%E5%85%AC

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※お時間ある方は是非、一読ください。

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