第145話 氷祭りと白銀の災厄
氷都グレイシア。
中央区。
リリアに案内され、
アクア達は街でも最高級の宿へ到着した。
建物。
巨大。
氷の宮殿みたいだった。
壁。
透明。
シャンデリア。
氷。
床。
氷。
でも。
不思議と寒くない。
ユキ。
「すごぉぉ……」
ユウ。
床。
つるつる。
「滑れる!」
シャァァァ!
また滑走開始。
アクア。
「やめろ!」
宿員達。
ざわざわ。
「速っ!?」
「なんだあの子!?」
リリア。
くすっと笑う。
案内された部屋。
広い。
ふかふかベッド。
暖炉。
巨大ソファー。
窓からは、氷都全体が見渡せた。
ユキ。
ベッドへダイブ。
「ふわぁぁ……」
ミーちゃん。
その上で丸くなる。
ニャ。
完全にくつろいでいた。
すると。
コンコン。
ノック。
リリアだった。
今日は白いドレス姿。
氷姫感。
さらに増していた。
ユキ。
「綺麗……」
リリア。
少し照れる。
「今夜、氷祭りがあります」
「もし良ければ、一緒にどうですか?」
ユウ。
「行く!」
即答。
アクア。
「早ぇな」
しかし。
正直。
アクアも興味あった。
氷の街の祭り。
絶対綺麗だ。
そして夜。
街。
完全に別世界になっていた。
氷の塔。
光る。
氷の木々。
青白く輝く。
空には、大量の氷ランタン。
幻想的だった。
ユキ。
「うわぁぁぁ……」
完全に感動。
屋台。
大量。
氷リンゴ飴。
発光アイス。
白銀串焼き。
ユウ。
「あれ食べたい!」
「あっちも!」
忙しい。
アクア。
財布役。
「待て待て!」
リリア。
笑っている。
普段。
氷姫として、厳格に振る舞っているらしい。
だが今は、年相応だった。
広場中央。
巨大な氷像。
竜。
街の守護神らしい。
人々。
踊る。
笑う。
飲む。
平和だった。
その時。
ユキ。
ふと空を見る。
「あれ……?」
黒い影。
遠い。
だが。
大きい。
どんどん近づく。
風が変わる。
冷気。
重い。
ざわざわ。
周囲の人達も気づき始めた。
「なんだ?」
「鳥……?」
違う。
リリアの顔色が変わった。
「まさか……」
次の瞬間。
グォォォォォォォォォォォッ!!
空気を裂く咆哮。
街全体が震えた。
巨大な白銀の竜が、夜空から降下してくる。
翼。
広げるだけで広場ほどある。
全身。
氷の鱗。
青白い目。
口から漏れる冷気だけで、周囲が凍り始めた。
住民達。
悲鳴。
「氷竜だぁぁ!!」
「逃げろぉぉ!!」
パニック。
屋台。
倒れる。
人が押し合う。
氷竜。
空中旋回。
そして。
口を開く。
リリア。
叫ぶ。
「伏せて!!」
瞬間。
極寒のブレス。
ゴォォォォォォォ!!
白い奔流が、街を薙ぎ払った。
建物。
一瞬で凍結。
氷像。
砕ける。
広場半分が、完全に氷漬けになった。
ユキ。
青ざめる。
「な、なにこれ……」
アクア。
真顔。
「……強ぇな」
だが。
その横。
ユウ。
目。
キラキラ。
「すごい!」
リリア。
驚愕。
普通の人間なら、恐怖で動けない。
なのに。
ユウ。
ワクワクしていた。
氷竜。
空中から、ゆっくりユウを見る。
まるで。
値踏みするように。
そして。
再び咆哮。
ドォォォォォン!!
屋根が吹き飛ぶ。
吹雪が舞う。
祭りは、
一瞬で地獄へ変わっていた。
アクア。
剣へ手をかける。
「さて」
「祭りの続きといくか」
ユウ。
にやっ。
リリア。
息を呑む。
S級三人。
対。
白銀の災厄。
氷都の夜が、戦場へ変わった。




