第143話 氷の街
雪道。
馬車。
爆走中。
しかし。
運転席。
アクア。
ガタガタ震えていた。
「寒さで死ぬ!!」
髪。
パリパリ。
服。
びしょ濡れのまま凍り始めている。
ユウ。
「大丈夫?」
アクア。
「大丈夫じゃねぇ!」
ユキ。
「運転代わります!」
アクア。
「頼む!」
すぐ交代。
ユキ。
手綱を握る。
サンダー。
ウインド。
快調。
そして。
アクア。
馬車の中へ飛び込む。
「寒ぃぃぃ……!」
まず。
服。
脱ぐ。
べちゃっ。
凍った上着。
床へ。
ハンガー。
吊るす。
アクア。
「最悪だ……」
その時。
後ろ。
ぽいっ。
ユウ。
普通に服を脱ぎ始めていた。
数秒後。
すっぽんぽん。
アクア。
「なんで脱いでんだ!?」
ユウ。
「濡れてるから!」
理屈は正しい。
しかし。
アクア。
視線。
つい行く。
そして。
ぴくっ。
反応。
ユウ。
即気づく。
「あ、山発見!」
アクア。
「うぉっ!?」
ユウ。
興味津々。
手。
伸ばす。
アクア。
逃走。
「やめろぉぉ!!」
ユウ。
追跡。
「待ってー!」
馬車内。
バタバタ。
ドタン。
ガタン。
外。
運転席。
ユキ。
「何してるんですか……?」
うるさい。
あまりにうるさい。
ユキ。
恐る恐る。
後ろのカーテンを開ける。
「大丈夫で――」
停止。
視界。
すっぱだかのアクア。
さらに。
すっぽんぽんのユウが、後ろから抑え込んでいた。
ユキ。
「す、すみません!!」
バッ!!
即カーテン閉鎖。
アクア。
「閉めるな!」
ユウ。
「いや開けるな!」
二人。
混乱。
ユキ。
顔真っ赤。
「な、何してるんですかあの人達ぃぃ……」
数分後。
ようやく。
アクア。
ユウを引きはがす。
「はぁ……はぁ……」
乾いた服。
着替える。
ユウ。
まだ不満そう。
「山逃げた」
アクア。
「逃げるわ!」
その時。
外。
ユキ。
「あれ?」
前方を見る。
白い平原の先。
巨大な氷の建造物。
塔。
橋。
屋根。
全部。
透き通る氷。
キラキラ光っていた。
ユキ。
「氷の建物がいっぱいあります!」
アクア。
カーテン開ける。
「ん?」
外を見る。
巨大都市。
完全に氷で出来ていた。
アクア。
「氷の街か?」
ユウ。
「すごーい!」
雪原の中。
幻想的に輝く青い街。
まるで宝石だった。
アクア。
「寄っていこう」
ユキ。
「はい!」
サンダーとウインドは、そのまま氷の街へ向かって走り始めた。




