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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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142/145

第142話 水上ユニコーン


川辺。

昼食終了。

アクア。

「……ほんとに行けるんだろうな?」

ユウ。

「だいじょぶ!」

満面の笑み。

そして。

サンダーとウインド。

川へ。

ザバァッ!!

ユキ。

「きゃっ!?」

しかし。

沈まない。

ぽん。

ぽん。

ぽん。

ユニコーン達。

水面を蹴っていた。

正確には。

足が沈む前に次の足を出している。

異常な脚力。

異常な速度。

結果。

水上走行。

アクア。

「うぉぉ!?」

馬車ごと。

滑るように川を走り始めた。

ユウ。

「すごーい!」

ユキ。

「ほんとに走ってるぅぅぅ!?」

ザァァァァァ!!

水しぶき。

爆散。

しかも。

ユニコーン達。

妙にテンションが高い。

楽しくなっていた。

アクア。

「おい、対岸向こうだぞ!」

しかし。

サンダー。

ブルルルル!!

ウインド。

ヒヒィィン!!

そのまま。

川下へ爆走。

アクア。

「おいぃぃぃ!?」

制御不能。

ユウ。

大笑い。

「はやーい!!」

ユキ。

馬車にしがみつく。

「きゃぁぁぁぁ!!」

その時。

前方に川が見えない。

轟音。

ゴゴゴゴゴ……。

アクア。

顔色変わる。

「……滝だ」

ユキ。

「え?」

前。

巨大な滝。

落差。

五十メートル。

アクア。

「このままだと落ちるぞぉぉぉ!!」

ユキ。

半泣き。

「止めてくださいぃぃぃ!!」

しかし。

ユウ。

妙に冷静。

「この勢いなら大丈夫だよ」

アクア。

「なに基準だ!?」

ミーちゃん。

馬車内。

クッションの上。

ぬくぬく。

片目。

ちらっ。

「ニャー……」

まったく危機感なし。

そして。

滝。

到達。

飛んだ。

ユニコーン。

馬車。

全部。

宙へ。

ユキ。

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

アクア。

「うぉぉぉぉ!!」

ユウ。

「たのしー!!」

完全にジェットコースターだった。

風。

轟音。

水しぶき。

そして。

ドボォォォン!!

滝下。

二十メートル先へ着水。

ユニコーン達。

一瞬。

沈む。

その勢いで。

ザバァァァ!!

大量の水。

アクアとユウへ直撃。

アクア。

「ぶはっ!?」

ユウ。

「つめたーい!」

しかし次の瞬間。

サンダー。

再加速。

ウインド。

水面復帰。

また。

水上爆走開始。

アクア。

びしょ濡れ。

ユウ。

びしょ濡れ。

氷点下。

数分後。

ようやく。

陸地。

ユニコーン達。

満足そうに停止。

ブルルル。

アクア。

運転席。

固まる。

髪。

パリパリ。

凍っていた。

ユウ。

前髪。

カチコチ。

「凍った!」

ユキ。

馬車内から顔を出す。

ほぼ無傷。

「だ、大丈夫ですか……?」

アクア。

「寒ぃ……」

ユウ。

「頭かたい」

ぱきっ。

前髪。

折れかけた。

ミーちゃん。

ぬくぬく。

毛布の中。

「ニャー」

完全勝利猫だった。



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