第137話 雪山ダンジョン管理者、旅立つ
南国ビーチ。
夕焼け。
波音。
ざぁぁ……。
炭火。
ぱちぱち。
焼肉。
じゅぅぅぅ……。
アクア。
串肉。
ひっくり返す。
脂。
落ちる。
香ばしい匂い。
ユウ。
「おなかすいたー!」
ユキ。
「もう食べてますぅ!」
しかし。
食べる。
三人。
冷蔵箱から取ったジュース。
ぐびぐび。
アクア。
「……これうまいな」
ユウ。
「しゅわしゅわー!」
ユキ。
「甘くて飲みやすいです!」
かなり。
飲みやすい。
南国フルーツ風味。
肉。
焼ける。
アクア。
皿へ置く。
ユウ。
即回収。
「うまぁぁぁ!!」
ユキ。
もぐもぐ。
「幸せですぅ……」
その時。
アクア。
ふと。
口を開く。
「なぁユキ」
「お前これからどうする?」
ユキ。
「え?」
きょとん。
アクア。
肉。
食べながら。
「いや、百階まで完成しただろ」
「今の挑戦者なんて精々二十階くらいだ」
「しばらくここ見なくても問題ない」
ユキ。
「まぁ……そうですね?」
アクア。
「俺たち次、砂漠のダンジョン行くんだが」
「一緒に来るか?」
沈黙。
波音だけ。
ユキ。
「……え?」
頭。
真っ白。
今まで。
考えてなかった。
ずっと。
三人で。
このダンジョンで。
わいわい。
騒いで。
ご飯食べて。
温泉作って。
そんな毎日が。
続くと思っていた。
ユキ。
少し寂しそうな顔。
「そっか……」
「アクアさん達、旅してるんですよね……」
すると。
ユウ。
ぎゅっ。
腕。
組んできた。
「一緒に行こうよ~!」
ユキ。
「ひゃっ!?」
その瞬間。
ふわぁ……。
顔。
赤い。
アクア。
「あれ?」
ユキ。
「えへへへ……」
目。
とろん。
アクア。
ジュース見る。
ラベル。
『南国果実酒』
アクア。
「あ」
アルコール入りだった。
ユキ。
完全に。
酔った。
「いっちゃおうかなぁ!!」
立ち上がる。
「一緒にぃぃ!!」
両手。
ぶんっ。
「イエェェェーイ!!」
急にテンション爆上がり。
アクア。
「キャラ変わったな!?」
ユウ。
負けじと。
「イエーーイ!!」
ハイタッチ。
ぱぁん!
ユキ。
「旅!冒険!砂漠!ひゃっほー!」
ぐるぐる回る。
危ない。
アクア。
苦笑。
でも。
少し嬉しそうに。
「……まぁいいか」
立ち上がる。
「よし。一緒に行こう」
ユキ。
ぴたり。
止まる。
「……ほんとですか?」
アクア。
「あぁ」
「その代わり」
「まずギルドで身分証だな」
「国境超える時、面倒そうだし」
ユウ。
「おう!」
ユキ。
「おう!!」
完全に酔ってる。
その時。
海。
ざばぁっ。
バカンスシャーク。
再登場。
口。
巨大カニ。
まだ咥えてた。
ユウ。
「あ、サメさん!」
サメ。
近づく。
そして。
ぽとっ。
アクアの前に。
カニを置いた。
さらに。
魚。
山盛り。
どさどさ。
アクア。
「……お土産?」
サメ。
サングラス。
キラーン。
「シャァ!」
ユキ。
「いいサメぇぇぇ!!」
酔っぱらい。
抱きつく。
サメ。
嬉しそう。
その夜。
三人と一匹。
浜辺で。
遅くまで。
食べて。
笑って。
騒いでいた。
そして。
雪山ダンジョン編は。
静かに。
次の冒険へ向かい始めていた。




