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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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128/146

第128話 ユキと謎の南国部屋


アクアとユウが帰った後。

百階管理室。

静か。

ユキ。

「……帰っちゃった」

少し寂しい。

その時。

カタン。

「ん?」

振り返る。

壁。

いつの間にか。

扉。

前まで無かった。

ユキ。

「え?」

恐る恐る。

開ける。

ギィィ……。

中。

長い廊下。

明かり。

高級そうな絨毯。

「なにここ……」

歩く。

歩く。

やがて。

大きな扉。

開く。

瞬間。

ぶわっ。

暖かい風。

「!?」

目の前。

南国。

窓の外。

ヤシの木。

白い砂浜。

エメラルドグリーンの海。

波。

キラキラ。

ユキ。

「えぇぇぇ!?」

雪山ダンジョン。

なのに。

完全に南の国。

部屋。

超豪華。

ふかふかソファー。

巨大ベッド。

そして。

一番目立つ。

大きな箱。

ユキ。

「宝箱?」

開ける。

中。

ぎっしり。

食材。

肉の塊。

赤い高級魚。

巨大エビ。

カニの足。

新鮮野菜。

果物。

ユキ。

「……」

ごくり。

アクア。

『ポイントで飯食っていいぞ』

ユキ。

「……食べていいってことですよね?」

都合よく解釈。


キッチン。

超立派。

しかし。

ユキ。

料理経験。

ほぼゼロ。

ユキ。

「でもなんとかなるでしょ」

ならなかった。

巨大鍋。

どーん。

肉。

魚。

カニ。

エビ。

野菜。

全部投入。

水。

火。

ゴォォォ。

待つ。

待つ。

煙。

ユキ。

「なんか焦げ臭い?」

開ける。

底。

真っ黒。

上。

ほぼ生。

ユキ。

「……」

失敗。

だが。

食べる。

肉。

生部分。

ぱく。

「おいしい!」

味。

薄い。

調味料なし。

だが。

素材が異常。

魚。

ぷりぷり。

エビ。

甘い。

カニ。

旨味。

野菜。

みずみずしい。

ユキ。

「すごっ……」

焦げ部分。

苦い。

生部分。

最高。

結果。

上だけ食べる。

窓際。

南国景色。

波音。

雪山ダンジョンの中とは思えない。

ユキ。

「なんか……幸せかも」

カニ足。

もぐもぐ。

エビ。

ぱく。

すると。

壁。

文字浮かぶ。

【特別休憩室 解放】

【管理者福利厚生機能】

ユキ。

「福利厚生!?」

さらに。

【料理レベル1取得】

ユキ。

「料理だったのこれ!?」

焦げ鍋を見つめる。

ユキ。

「……奥が深い」

その頃。

アクア。

部屋風呂。

くしゃみ。

「……誰か変なことしてる気がする」

ユウ。

「山崩れた?」

アクア。

「崩れてねぇ!」

ミーちゃん。

ニャー。

平和だった。


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