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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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121/145

第121話 雪山ダンジョン改革


夕方。

ぴたりと冒険者の姿が消えた。

アクア。

「あれ?」

ユキ。

「夜は寒すぎるので、みんな街に戻るんです」

ユウ。

「なるほど」

アクア。

少し考える。

そして。

「地下三階に回復温泉エリア作ろう」

ユウ。

「いいなそれ!」

即食いつく。

ユキ。

「温泉!?」

アクア。

「寒いダンジョンなら休憩場所が必要だ」

「強い魔物だけじゃ客は増えない」

ユキ。

「は、はい!」

早速。

管理室操作開始。

青白い魔法陣。

地形変更。

地下三階。

岩盤を掘削。

温泉脈接続。

ゴゴゴゴゴ……!!

巨大空間完成。

湯気。

岩風呂。

木の橋。

休憩スペース。

ユウ。

「すごーい!」

アクア。

「いい感じだな」

さらに。

アクア。

「五階クリアした奴いるか?」

ユキ。

「いません」

「挑戦者も最近はほとんど……」

アクア。

「原因それだな」

五階。

雪狼削除。

「ギャン!?」

十階へ強制転移。

ユキ。

「雪狼さんごめんね」

代わりに。

五階へ。

オークリーダー配置。

大きい棍棒。

筋肉。

だが雪狼ほど凶悪ではない。

アクア。

「これならCクラスでも倒せる」

ユキ。

「なるほど……!」

アクア。

「まずは成功体験を作るんだ」

ユウ。

「急に先生っぽい」

そして。

宝箱設置。

問題は中身。

アクア。

「何か人気出そうなの……」

ポイント残高。

スカスカ。

ユキ。

「あっ」

目を逸らす。

アクア。

「食費だな?」

ユキ。

「はい……」

残り少ないポイント。

アクア。

悩む。

そして。

「竹とんぼだ」

ユキ。

「竹とんぼ?」

アクア。

「光る魔石付き」

ユウ。

「絶対子供好き!」

アクア。

「親が欲しがられるんだよ」

「子供から“ほしい!”ってなる」

ユキ。

「おぉ……!」

感動している。

そして。

ポイント。

完全消滅。

ピコン。

残高ゼロ。

ユキ。

「あっ……」

アクア。

「まぁなんとかなる」

ユウ。

「ところでご飯は?」

全員。

静止。

管理室。

しーん。

アクア。

「バーベキューセットは?」

ユキ。

「ないです」

アクア。

「厨房は?」

ユキ。

「ないです」

アクア。

「なんで!?」

ユキ。

「全部食費に……」

アクア。

「徹底してんなお前!」

仕方なく。

十階。

部屋の外。

石を積む。

竈完成。

火を起こす。

唯一あったフライパンを置く。

アクア。

「肉は?」

ユウ。

「ある!」

馬車から持ってきた保存肉。

ジュゥゥゥ……。

香ばしい匂い。

ユキ。

「わぁ……」

目が輝く。

アクア。

「今日は泊まりだ」

ユウ。

「うん。楽しいね」

三人。

フライパンを囲む。

雪山ダンジョン最深部。

管理者部屋の前。

湯気。

肉の匂い。

笑い声。

ユキ。

「こんなの初めてです」

アクア。

「ん?」

ユキ。

「誰かとご飯食べるの」

少しだけ。

寂しそうだった。

ユウ。

「じゃあ今日から友達だね!」

ユキ。

固まる。

「……友達」

そして。

少し泣きそうな顔で笑った。

「うん!」

その頃。

五階。

新配置されたオークリーダー。

ぽつん。

「ブモ?」

誰も来ない。



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