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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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109/145

第109話 露天風呂大騒動


 宿に戻ったアクア。

 受付に金貨を置く。

 どや顔。

「延長で」

 受付嬢。

「毎度ありがとうございます」

 完全に上客。

 外は吹雪。

 身体が芯まで冷えていた。

 アクア。

「さむっ……」

 部屋に戻ると、真っ先に露天風呂へ向かう。

 湯気。

 雪景色。

 最高だった。

「生き返るぅぅ……」

 肩まで浸かる。

 すると。

 バシャッ!

「アクアー!」

 ユウ乱入。

 さらに。

 ニャー。

 ミーちゃんまで来た。

 普通の猫なら水を嫌がるはずなのに。

 ミーちゃん。

 浅い岩の上に腹ばい。

 完全におっさん。

「ふぅ……」

 みたいな顔をしている。

 アクア。

「なんで猫が温泉好きなんだよ」

 ユウ。

 笑う。

 そして。

 当然のようにアクアの隣へ。

 距離が近い。

 近すぎる。

 アクア。

「お前もっと離れろ」

「やだ」

「なんで」

「寒いから」

 ぴったり。

 アクアの顔が赤くなる。

 ユウ。

「顔赤いよ?」

「温泉だ!」

「ほんとかなー?」

 ニヤニヤ。

 アクア。

 目を逸らす。

 するとミーちゃん。

 突然立ち上がる。

 ぷるぷる。

 そして。

 バシャバシャッ!!

 大量の湯を飛ばした。

「うわっ!」

「きゃっ!」

 二人とも顔面直撃。

 ミーちゃんだけ満足そう。

 その後も。

 湯気の中で追いかけっこ。

 滑って転ぶ。

 笑い声。

 雪景色。

 旅の疲れが少しだけ消えていった。


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