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奈落に落とされたが、そこは俺の領域だった  作者: 忍絵 奉公


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105/146

第105話 温かい場所


夜。

雪道の途中。

アクアとユウは、街を出てから最初の野営をしていた。

焚火がパチパチと音を立てる。

周囲は真っ白。

静かな雪景色。

ユニコーン二頭は、少し離れた場所で草を食べている。

ミーちゃんは熊の毛皮の上で丸くなっていた。

アクアは、新しく手に入れた偃月短刀を磨いている。

青白い刃。

焚火の光を反射して、美しく輝く。

ユウ。

毛布にくるまりながら、その姿を眺める。

「やっぱりかっこいいね。その刀」

アクア。

「だろ?」

「でも十徳部分はいらん」

ユウ。

クスクス笑う。

「便利そうだけど、棒三本はいる?」

「いらん」

即答。

アクアは短刀をしまった。

その時。

ミーちゃん。

むくり。

起き上がる。

そして。

トコトコ。

アクアの毛布の中に潜り込んだ。

「ん?」

アクアが毛布を見る。

ミーちゃん。

なぜか。

股間のあたりで丸くなった。

ゴロゴロ。

満足そう。

ユウ。

じーっ。

「やっぱそこ温かいんだ」

アクア。

「何の分析してんだ」

ユウ。

真顔。

「ドラゴンの巣作りに似てる」

「知らねぇよ」

ミーちゃん。

さらに深く潜る。

アクア。

「おいミーちゃん!」

「そこはやめろ!」

ユウ。

興味津々。

じーっ。

「やっぱり今日も大きいね」

アクア。

「見るな!!」

ユウ。

「なんで?」

「病気?」

「違う!」

「じゃあ戦闘態勢?」

「もっと違う!」

ユウ。

首を傾げる。

「不思議」

そして。

好奇心に負けた。

毛布をぺらり。

アクア。

「うわぁぁぁ!!」

慌てて毛布を押さえる。

ユウ。

「今日は昨日より強そう」

アクア。

「評価するな!」

ユウ。

「硬いね」

アクア。

「やめろ!」

ミーちゃん。

ちょいちょい。

ユウ。

「ミーちゃんも気になるって」

アクア。

「絶対違う!!」

顔真っ赤。

完全敗北。

すると。

ユウ。

真面目な顔。

「これって戦闘力で変わるの?」

アクア。

「変わらん!」

「……多分」

ユウ。

「多分なんだ」

アクア。

「知らん!」

「俺だってよくわからん!」

ユウ。

大笑い。

焚火の前で転がる。

「あはははは!」

「アクア面白い!」

アクア。

「笑うな!」

恥ずかしすぎる。

話題を変える。

強引に。

アクア。

「ほ、ほら!」

「これ見ろ!」

短刀の十徳部分を開く。

カチャ。

「火打ち鉄!」

「便利!」

ユウ。

「棒は?」

アクア。

「棒は忘れろ!!」

ユウ。

さらに爆笑。

ミーちゃん。

ニャー。

雪の夜。

焚火の音と笑い声だけが、静かな森に響いていた。


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