第103話「ジャイアントスイング」
雪山。
吹雪。
白銀の世界。
巨大雪獣。
イエティ。
ゆっくり立ち上がる。
二足歩行。
でかい。
四メートル近い。
アクア。
見上げる。
「うわ」
「でけぇ」
イエティ。
ゴォォ!!
怒り。
上から。
巨大な拳。
振り下ろす。
アクア。
「おっと」
紙一重。
避ける。
だが。
こっちは。
顔まで届かない。
アクア。
「高っ」
ユウ。
後ろで笑う。
「チビだね」
「うるせぇ!」
アクア。
狙い変更。
足クビ。
蹴る。
ドゴッ!!
イエティ。
「グォッ!?」
太腿。
殴る。
バキッ!!
嫌そう。
だが。
反撃。
殴る直前。
イエティ。
足を上げて防御。
アクア。
「なら脛だ」
ゴッ!!
脛。
直撃。
イエティ。
悶絶。
雪を巻き上げる。
さらに。
巨大パンチ。
上から。
ドォォン!!
アクア。
ギリギリ回避。
雪が爆発する。
アクア。
「危ねぇ!!」
ユウ。
「当たったら痛そう」
アクア。
「絶対痛い!」
イエティ。
少しずつ。
動きが悪くなる。
足。
痛めた。
軸足。
ふらつく。
アクア。
見逃さない。
「そこだ!」
軸足。
蹴る。
ドゴォ!!
イエティ。
バランス崩壊。
ズドォォン!!
倒れた。
雪。
大爆発。
地面。
揺れる。
イエティ。
起き上がれない。
足。
かなり効いている。
アクア。
さらに。
蹴る。
ドゴッ!!
イエティ。
暴れる。
無茶苦茶。
足をばたつかせる。
ドガッ!!
アクア。
吹っ飛ぶ。
「いてっ!!」
さらに。
ドゴッ!!
「いたい!!」
ユウ。
大笑い。
「すごい戦い方!」
アクア。
雪に埋まりながら。
「うるせぇ!」
そして。
アクア。
イエティの足首。
ガシッ。
掴む。
ユウ。
「あ」
アクア。
ニヤッ。
「やってみたかったんだよな」
そのまま。
回転。
グルン。
グルン。
グルン!!
ジャイアントスイング。
イエティ。
「グォォォォ!?」
巨大な身体。
振り回される。
雪が竜巻みたいに舞う。
ユウ。
「わぁー!!」
アクア。
「飛べぇぇぇ!!」
ブンッ!!
放り投げた。
イエティ。
空へ。
飛ぶ。
山越え。
遠い。
めちゃくちゃ遠い。
隣の山まで。
ゴォォォン……
遅れて音。
静寂。
アクア。
「……」
ユウ。
「……」
ミーちゃん。
「ニャー」
アクア。
「討伐したか?」
ユウ。
「わかんない」
遠すぎる。
確認不能。
アクア。
「まぁいいか」
ユウ。
「あはは!」
そして。
二人。
雪山を下りる。
ギルド。
報告。
受付嬢。
「イエティは……?」
アクア。
「投げた」
受付嬢。
「……はい?」
アクア。
「隣の山まで」
受付嬢。
沈黙。
周囲の冒険者も。
沈黙。
誰も。
意味がわからなかった。




