第102話「おそろい」
宿。
受付。
アクア。
金貨を置く。
ドヤ顔。
「追加料金払っとく」
受付嬢。
「ありがとうございます」
ユウ。
後ろでクスクス笑う。
アクア。
「なんだよ」
ユウ。
「いや」
「金貨いっぱい持ってるのに」
「追加料金で得意げなの面白くて」
アクア。
「こういうのは気持ちなんだよ」
「払える男はかっこいいだろ」
ユウ。
「あはは!」
ミーちゃん。
頭の上で。
ニャー。
三日後。
宝石店。
店主。
深々と頭を下げる。
「お待ちしておりました」
奥から。
箱を三つ。
丁寧に持ってくる。
カパッ。
開く。
銀色のネックレス。
中央には。
メタスラの涙。
透き通る銀の輝き。
雪みたいだった。
ユウ。
「わぁ……」
目を輝かせる。
アクア。
一つを持つ。
「ほら」
ユウの首へ。
そっと回す。
カチッ。
留め具が閉まる。
ユウ。
鏡を見る。
銀髪。
白い肌。
銀の宝石。
すごく似合っていた。
ユウ。
「綺麗……」
嬉しそうに微笑む。
そして。
「私も」
アクア。
「え?」
ユウ。
アクアの後ろへ回る。
ネックレスを持つ。
アクア。
急に緊張。
「お、おい」
ユウ。
「じっとして」
首にひんやりした感触。
カチッ。
装着。
ユウ。
満足そう。
「うん」
「似合ってる」
アクア。
顔真っ赤。
「そ、そうか?」
店主。
にこにこ。
完全に恋人を見る目。
ミーちゃん。
ニャーニャー。
アクア。
「あぁお前のもあるぞ」
最後の一つ。
ミーちゃんへ。
首にかける。
だが。
ぶかぶか。
歩くたび。
ズルズル。
地面を引きずる。
ユウ。
吹き出す。
「あはははは!!」
アクア。
「長すぎる!」
ミーちゃん。
歩きづらそう。
前足に絡まる。
ころん。
店主。
「失礼しました!」
アクア。
「これチェーン短く出来るか?」
店主。
「もちろんです」
ミーちゃんのネックレスを外す。
「少々お待ちください」
その場で。
加工開始。
小さな工具。
カチカチ。
丁寧にチェーンを分解。
ミーちゃんを見る。
長さ確認。
さらに調整。
器用だった。
ユウ。
「すごい……」
アクア。
「職人だな」
最後に。
再接続。
店主。
「いかがでしょう」
ミーちゃんへ装着。
今度は。
ぴったり。
首元に綺麗に収まった。
ユウ。
「苦しくない?」
ミーちゃん。
「ニャー」
アクア。
「わからん」
ユウ。
「でも嫌そうじゃないね」
ミーちゃん。
どこか誇らしげ。
胸を張る。
店主。
笑顔。
「皆様」
「とてもお似合いです」
アクア。
少し照れる。
ユウ。
嬉しそう。
店主。
深々と礼。
「もしまたメタスラの涙を手に入れましたら」
「ぜひ当店へお越しください」
アクア。
「あぁ」
ユウ。
「また来るね!」
三人。
店を後にした。
窓の外。
雪が静かに降っていた。
第103話「雪山の咆哮」
ギルド。
依頼掲示板。
アクア。
腕組み。
「次どうするかな」
ユウ。
焼き串もぐもぐ。
「お金いっぱいあるし」
「しばらく遊んでもいいんじゃない?」
その時。
ギルド奥。
鐘が鳴る。
ガァン!!
空気。
変わる。
受付嬢。
慌てて走る。
「緊急依頼です!!」
冒険者たち。
ざわつく。
「また出たのか?」
「雪山のやつか……」
アクア。
気になる。
依頼書を見る。
『雪山付近に巨大魔獣出現』
『被害多数』
『村へ向かう荷車が襲われている』
『Aクラス以上推奨』
報酬。
金貨三百枚。
ユウ。
「行く?」
アクア。
「まぁ近いしな」
受付嬢。
二人を見る。
「あ、あの……」
「本当に行かれるんですか?」
アクア。
「まぁな」
受付嬢。
小声。
「巨大雪獣……」
「かなり危険ですよ?」
アクア。
笑う。
「大丈夫」
「死ななきゃ安い」
ユウ。
「死んだら?」
アクア。
「その時考える」
受付嬢。
不安そう。
数時間後。
雪山。
吹雪。
白い。
寒い。
ユウ。
「さむー!」
アクア。
「雪国って感じだな」
ミーちゃん。
毛皮に包まってる。
すると。
遠く。
ドゴォン!!
雪煙。
巨大な影。
現れる。
四足。
白い毛。
巨大。
三メートル以上。
牙。
爪。
赤い目。
ユウ。
「おっきい」
アクア。
「雪狼か?」
だが。
次の瞬間。
咆哮。
ゴォォォォ!!
雪。
吹き飛ぶ。
アクア。
「うるせぇ!」
雪獣。
突進。
速い。
ユウ。
刀を抜く。
アクア。
「待て」
ユウ。
「え?」
アクア。
ニヤッ。
「俺」
「素手でやる」
ユウ。
「えぇ!?」
アクア。
「最近防御力どれくらいあるか気になってた」
ユウ。
「実験!?」
雪獣。
飛びかかる。
アクア。
避けない。
ドゴォ!!
直撃。
雪吹雪。
ユウ。
「アクア!?」
煙。
晴れる。
アクア。
立ってる。
服。
少し破れた。
だが。
無傷。
アクア。
「いてっ」
ユウ。
「いてっで済むの!?」
雪獣。
困惑。
もう一度。
爪。
振り下ろす。
アクア。
今度は。
素手で受け止める。
バキィ!!
爪。
折れた。
雪獣。
「!?」
アクア。
「お前」
「力は結構あるな」
そして。
拳。
握る。
「でも」
「俺の方が強い」
腹へ。
正拳突き。
ドゴォォォォン!!
雪獣。
吹っ飛ぶ。
雪山。
転がる。
木を三本へし折る。
ユウ。
「わー……」
ミーちゃん。
ニャー。
だが。
雪煙の中。
まだ立つ。
ユウ。
「頑丈」
アクア。
「ちょっと楽しくなってきた」
雪獣。
怒り。
再突進。
アクア。
笑う。
そして。
真正面から。
殴り合いを始めた。




