表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第6章
95/104

〈律の鎖〉発動

お読みいただきありがとうございます。

修正多くてすみません。

「〈封〉って表示されてたんですよ〜意味はなんだと思います?」

「ギーヴ、気楽に来スギダロ」

「まぁまぁ」

「態度デカイ」


 僕は気にせず、テーブルの上にギッシュに作ってもらったクレープをスタンドごと置く。


 針金よりは太い鉄の棒を曲げたスタンドにグラスの器を据え置き、そこにクレープを立てて、生クリームやカスタードの間に、赤やオレンジ色の刻んだ果物が上から花のように見えるよう配慮したモノだ。

 前世の陳列台に置かれている見本(サンプル)の形を再現したものになる。


 試作品を見た女性や侍女たちに、見栄えがいいと、とても評判が良かったので、晴れて献上しに持ってきたのである。


「こちら新作です。ぜひご賞味いただきたいなぁとお持ちいたしました」

「・・・ゴハン?デザート?」

「デザートでございます」

 異世界ではクレープは惣菜に分類され、肉や薬草を包むものらしい。


 持ち手が長い特別製のスプーンをお渡しすれば、気難しい妖精さんも、いつの間にか現れてテーブルに座っていらっしゃる〈白の王〉も、歓迎されない雰囲気から来てしまったものは仕方ない、的な雰囲気へ態度がやわらぐ。


「んっ!?」

「・・・これはっ」

 女性たちの表情が変わる。胃袋が満たされると口もほころぶのは、前世の取調室のカツ丼と同じだ。そこを狙って、僕は再度尋ねる。


「〈妖精王〉の〈識る能力〉が通じないって変じゃないですか?他の参加者(キャラクター)は〈轍の詳細〉がちゃんと分かるんですよ。なのに第一王子だけ、〈封〉ですよ?封筒かって突っ込みたくなっちゃいます」


「〈封印〉デナク〈封〉カ」

「それは〈闇魔法〉じゃ。郎君に聞くが良い」

「ソウソウ。闇マホウ」


「俺がどうしてお前の問いに答えねばならん」

 女性たちにお茶を配るガチムチの筋肉剣士は、素っ気なくそう言うと僕に見向きもしない。


「そこをなんとか教えてください!エルバーラの光魔法で一部解除、とか書いてあったんですっ!エルバーラの為に、どうしても内容を確認しておきたいんですよっ!」

「・・・・」


「僕、エルバーラの事になったら暴れますよ!理性なんか簡単に失えます!そうなったら〈神の遊戯〉に多大なる影響を与えそうじゃないですかっ!良いんですか!?」


「それも〈遊戯〉の一部であろうのぅーー郎君」

 食い下がると、〈白の王〉が呟き、黒騎士が嫌々こちらに振り返る。


「対価は?」

「何が良いですか?」

「ーーこの間の・・・白い小さい(デザート)だ。〈我が君〉が特に気に入っておられる」


「あ・・・シロノノタルト、であってます?」

 桃に似た果物を、カスタードクリームのひとくちタルトの上に飾ったお菓子だ。


 確認すると、クレープの生クリームを味わう〈白の王〉がひとつ頷いた。


「〈(ことわり)〉には触れぬ。タルトを献上するがいい」

「ありがとうございます!」

 僕は喜んで即座に、数十個のひとくちシロノノタルトを盛ったお皿を、収納からテーブルの上へ出した。


「準備万端!コノ人間ホント油断ナラナイ!」

 文句を言う妖精さまには、カップのプリンを出しておく。


 もしもの為に、女性陣が好んで食べていたデザートを、再度いくつか作ってもらって、収納に準備しておいたのだ。


 テーブル上のタルトが載った皿ごとかき消えると、黒騎士が面倒くさそうに説明してくれる。


「〈封〉は閉じ込める、本来の作用をできなくするということだ。そこに生命の危機を加えた物を〈呪〉とする。〈呪〉は〈寿〉と表裏一体だ。人間は〈封〉を〈闇魔法の呪い〉と呼び〈光魔法〉で転じると〈祝福〉や〈解呪〉と呼ぶ」


「じゃあ、第二王子は〈呪い〉を受けているってことですか!?うわっあははは、それはウケる!」

 笑いがこぼれ出す。


 王家が受ける呪いとなれば、それなりのものだろう。エルバーラの婚約者におさまっているあの王子様が、〈呪い〉で苦しんでいるかもしれないと考えると、不謹慎だが嬉しくなる。


「・・・ほんに変わらぬのう」

「仕方ないですよ、お邪魔虫ってそういう扱いですから。僕からエルバーラを奪おうとするどんな存在も、不幸になっちゃえばいいんです」


 〈白の王〉の空間では、僕は自分を偽らなくていいので楽だ。

「人間トシテは残念なヤツ」


「つまりその話から推察すると、エルバーラが光魔法を持っていて、第二王子の〈呪い〉を一部解除しているということですか?〈呪いを解除〉してから〈神の遊戯〉が始まるってことで合ってます?」


「さぁて。妾のレコードに今回の〈神の遊戯〉の内容は詳しく刻まれておらぬ。〈神の遊戯〉とは、本来我ら〈王〉は関わらず、終わって初めてレコードに刻まれるものだ。だが今回はあの娘との接触についてのみ、妾のレコードに刻まれておった。それ以上については〈妖精王〉の権能に勝る王の権能もレコードもないのじゃ」


「〈王の権能〉さえ制限するんですね・・・〈神の遊戯〉は」


「神は〈王〉の介入を嫌がるゆえ、の。じゃが今回そなたは〈参加者〉で、あの娘は〈白の王〉に遭遇した。そしてそなたは〈7番目の王〉に遭遇した。神は〈王の介入〉を多少認めているのであろうよ」


「なるほど。それで僕もここに来ることができてるんですね。良かったです」

「お前が図々シイノダ。〈我ガ君〉の心ノ広サに感謝セヨ」


「してますしてます!それでーー複数の属性魔法って普通は使えないって聞いたんですけど」

「そなたはすべて使えるであろう?」


「はい。前世持ちの僕は全属性使える魔法チートですけど、エルバーラもまさか同じってことですか?」

「可能性はあるが、むしろ〈神の遊戯〉限定での特典かもしれぬ」


「限定特典ーー〈神の遊戯〉の間だけ使える能力ってこと?それでエルバーラの詳細にも読み取れない部分があったのかなぁ・・・じゃあやっぱり、エルバーラが第二王子の〈封〉を〈光魔法〉で解呪するのを待つしかないんですね・・・」


 〈光魔法〉以外にもエルバーラには別の特典がありそうだ。そう思って詳細を思い出している内に、気がついた。


「ん?でも、今はまだ〈神の遊戯〉は始まってない時期のはずじゃーー?」

 それなのに限定特典(ひかりまほう)使えるの?



 


 その時だった。身体の内側で魔力が動き、〈律〉の鎖が出現する。


「面白き」

「必然ダヨ」

「お前も茶番を味わえ」


ーー・・・まさか、今?この魔力・・・。


〈遠見〉の魔導具の魔力を一旦切り、〈白の王〉の前から挨拶もなく退出すると、間髪繋げてエルバーラを想う。


 針山黒蜥蜴(ブラック)に変化した僕は、周囲の様子を急いで確認し、花々の間から抜け出た。その先の光景は、エルバーラが第二王子の手の甲にまるで口づけするように額を付け、光魔法を発動するところだった。


ーーいつか見た映像と同じ・・・あの時の光景は、まだ起こってないこの時の光景だったんだ。



『〈律〉に違反する者』


『違反項目:〈乙女ゲームの悪役令嬢〉逸脱違反』



 てっきり〈律〉の違反は問題なくなったのだとーー勝手に解決したのだと、そう思っていた。だが今、目の前のエルバーラは、視界いっぱいに広がる赤い吹き出しに塗り絡められていた。


ーー『〈律〉の違反者は見逃すべからず、すぐに抹殺するべし』それがモーグの掟だ。


ーーだけどエルバーラが、なんでっ!?


ーー光魔法を使うことがなんで、〈逸脱違反〉!?


 戸惑う内に、魔法が強制キャンセルされていく。

 モーグのオリジナル魔法をキャンセルできるのは、王宮に張られた強力な結界魔法ぐらいなものだ。


 つまり今いるここは王宮の中で、エルバーラは第二王子の〈封〉を解呪したわけで。


 消えていくブラックの身体を呆然と実感しながら、手を取り合って喜ぶエルバーラと第二王子を見上げていた。




『名前 シャルモン=セル=ルクス


 属性 10歳 人間族 男性 〈王家〉


 弱点 『王家の〈傀儡〉』『〈上王の入れ物〉』『生贄』『〈自我を奪われし〉者』


 特記 『〈上王〉の器の為に生み出されし者』『魅了される者』『〈父〉殺しをする者』『〈兄〉殺しをする者』『大陸征服をさせられる者』『戦を起こす者』


 運命の轍 『〈乙女ゲーム〉の攻略され〈キャラその1〉』


 エルバーラの光魔法による解除により、キャラクター設定変更中。。。。


 詳細 設定確認中。。。   』




 一瞬でインサートされた、第二王子の内容の物騒さに、俺の混乱は増す。


ーーなんだよこれっ!?


 気がつけば、〈日記の部屋〉の続き部屋の床に、座り込んでいた。


 いつもと違うのは身体から伸びる〈律〉の鎖だ。


 このまま放置すれば、エルバーラが一族の者に排除されてしまう!


 僕は慌てて立ち上がった。




 

更新優先で行くので、ちょいちょい修正入ってすみません。


6月はちょっと忙しくなるので、今度こそ5月で終わらせられるようがんばります。終わればいいなぁ〜。


〈ぷち解説〉

白の王を始め〈王〉は、その人物の未来や過去現在の事実を、レコードで見ることができます。膨大なのでエルバーラやギーヴと直接会わないと知らないです。興味ないです。


また未来は複数存在する並行世界でもあるので、〈王〉は全てを網羅して知る権能はないです。全能は神のみです。


ただその中で〈妖精王〉の権能は、〈現在過去特化型の識る能力〉で、他の〈王〉に比べ詳細が分かる能力です。


でもギーヴは魂のはみ出しがちょっとなので、能力もちょびっとしか使えず、わかない事が多いんです。本人も自覚があるので、エルバーラの伏せ字は能力足んないな〜と流せても、第二王子の〈封〉は分かるのに意味分かんね〜みたいなことになって、白の王のトコに来てます。


わかりにくくてすみません。

文の流れで白の王についての解説は省略してます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ