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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第5章
87/96

関連ターゲット

読んでくださり、ありがとうございます。

加筆修正多くてすみません。タイトルも変えてます。

ソルベルトそこまで重要人物じゃないので。


更新スピード上げる代わりに、1回か2回ぐらい修正入ります。

誤字は放置も。。。

 僕は、一番最初のターゲットをソルベルト=イジル先輩に決めていた。


「・・・それで、辺境の剣はどんな切れ味だったんだ?」

 食堂の専用室に落ち着いた途端、武器マニアのジェムニールが興味津々で武器について聞いてくる。


「切れ味?切れ味より、魔力伝導率が重要かな。辺境は魔法剣士が多いんだよ。魔物が硬いし大きいから、一瞬で狩り取るには刃と属性魔力の摩擦率が重要なんだって」


「摩擦率?」


「うーんとねぇ、いわゆる鉱物の魔力と剣に纏わせる属性魔法の相性のことだよ。鉱物の魔力純度が高いと付与する属性魔力との摩擦率が低くなる分、形成時に刃こぼれしやすくなるらしいよ。そこを辺境の職人は、職能と経験値でカバーして打つらしいんだ。鉱物の魔力純度は掘り出してから打つまでの時間でも決まるから、すぐに成形する必要があるみたい。だから王都の鍛冶職人には、本当の意味で魔法剣の作成はまず無理だろうって聞いた」


「王都の剣は形成済みで入荷するってことか」


「魔法剣の刀身部分は、どうしても鉱物のある地方から運ぶ事になるみたいだから。王都では刀身の調整と、柄とか鞘とかをオーダーで取り付けるだけなんだって。それにもやっぱり職能がいるから、王都の鍛冶屋はドワーフが多いらしい」


「そうなのか・・・確かにオーダーは、切れ味と、鞘と柄の好みについてしか聞かれないな」


「でしょ。お祖母様の魔剣なんて、魔力の伝導摩擦率0%なんだよ!いくら鉱物の純度が高くても、ありえないよねぇ〜」


「まじか!?なんの鉱物だ?」

「それが元は純度100%のヒヒイロカネに、古竜の骨が混じった呪い付き鉱物だったらしいよ」


「伝説のヒヒイロカネかっ!」

「呪いーー」

 ぽつりとつぶやく声がジェムニールの右隣から聞こえる。


「ソルベルト先輩は呪いが気になりますか?」

 僕は自然に先輩に声をかける。


 ジェムニールの取り巻きお友達は、比較的控えめで無口だ。


 多分、ジェムニールが自分より前に出る人間を潰して来たからだろう。ソルベルト先輩も静かに僕とジェムニールのやり取りを聞いていたのだが。


「古竜の呪いってどんな呪いなんだろうってね、少し気になって」

「どんな呪いなの?」

 ジェムニールの左隣で聞いてくるのは、色白の金髪美人で、ジェムニールの婚約者、バルグレコ財務長官の次女イシュカ先輩だ。


「魔力喰いです、イシュカ先輩ーー柄を握る魔法剣士の魔力を根こそぎ奪って、足りないと生命力も奪うんだって。お祖母様はその呪いを魔力で押さえつけて、倍増させているみたい。魔物の氾濫ぐらいはすぱっと一撃らしいよ」


「さすがワッツ辺境伯夫人ーーやっぱ魔剣はすげぇな。触ってみてぇ」

「お祖母様、辺境の要だから滅多に王都に来ないんだけどね」

 一応、そう言っておく。紹介しろとか、魔剣が見たいなどと言われると面倒だ。


ーーお祖母様、フランチャスカ侯爵家が大嫌いなんだ。ごめんね、ジェム。


「そういえば、辺境で〈呪いの額飾り〉の話を聞いたよ」

 僕は話を変えて、そろそろ餌をまく。


「呪いの額飾り?」

「正確には解呪が付いた額飾りで、元々竜の奥歯に挟まっていた額飾りを、冒険者が取ってあげたんだって。そうしたら困っていた竜がすごく喜んで、額飾りに解呪の効果が付いたらしい」


ーーその冒険者って僕だけど。


「そんなことあるの〜!?壁画の寓話みたいね」

「竜かーー闘ってみてぇな」

「竜って、あの絵本や教会の壁画にいる竜?本当に存在するの?」

 そう言うのは、薬草の繁茂を誇るキール子爵家の嫡男クスコ先輩だ。


「竜、いますよ。クスコ先輩」

「何でも解呪できるなら、王族が欲しがりそう」

 フリンジ穀物大臣伯の嫡男ギズベル先輩は、なかなか鋭い視点で呟いている。それを聞いたソルベルト先輩が、思案顔になっていた。


「ランボルゲ商会が辺境で買い取って、王都に持って来ているらしいので、そのうちオークションに出るかもしれないですね」


「なぁ、その額飾りを鉱物に混ぜて剣や槍に作り直したらどうだ?」


「そういえばジェム先輩ん()、鉱山あったよね?」

「ああ、家の鉱山は魔鉄や魔鉱石が出る」


「ドワーフに打ち直してもらえれば、魔剣になっちゃうかも」

「ほんとか!?」


「理想だよ?僕、鍛冶屋のドワーフじゃないし。でも打ち直したら、解呪の効果は消えるかもなぁ」

 これは嘘じゃない、本当の事だ。ただし可能ならば、の話だ。


「解呪の効果が消える?どうしてだ?」

「だって、呪いも解呪も〈闇の術式〉だから。形を変えると効果は消えるよ。でも竜の魔力が残ってるなら、魔剣にはできるかも」

「魔剣か・・・」

「オークション行く?」

 ギズベル先輩がジェムニールに聞く。


「でもランボルゲ商会ってエルフのところよね。繋がりがないわ」

「同じ商人と王宮ぐらいか」

「陰の商人ですものね」

 この国では商人間の取引、つまり卸業をする者を〈陰の商人〉と呼ぶ。貴族が直接取引をしないからだ。


「出入りの商人に紹介状が手に入らないか聞いてみるか」

「ドワーフの鍛冶屋も探さないとですわ。王都のドワーフは数が限られる上、馴染みの相手からしか、依頼を受けないといいますもの」


「ドワーフの心当たりはある、大丈夫さ」

「まぁ、さすがフランチャスカ侯爵家ですわね」

「魔剣の制作か」

 盛り上がる4人とは別に、ソルベルト先輩は僕に顔を向ける。


「モーグ卿は、呪いに詳しいのかい?」

「そうですねぇ・・・」

 針の餌に食いついたからと言って、焦って釣り上げてはいけない。


「辺境には少数民族がたくさんいたんです。病気療養で気が滅入るだろうと、次期辺境伯である伯父上が知り合いを紹介してくれて、お話をたくさん聞けたんです。そこでちょっとだけ」



ーー辺境では少数民族の小競り合いがたくさんあったんです。冒険者活動を早くしたいだろうと、次期辺境伯であるリボさんが少数民族の過激派を紹介してくれて、交渉&仲介&鎮圧にたくさん行ったんです。そこでちょっとだけ。


ーー正しくはこれだけど、嘘じゃないしモノは言いようだもんね!


「じゃあ・・・聞いたことないかい?額に家紋が浮き上がるたびに意識を失う呪い」

「額に呪術紋・・・う〜ん、そういえば聞いたことあるかもです」


「本当かっ!?」

 ソルベルト先輩が、急に大声を出す。

「おいっ、なに熱くなってんだ?ソル。そんなに呪の話好きとは知らなかったぜ」

 ジェムニールが揶揄うように話に入り込んでくる。


「え、いや、そういうわけじゃ・・・」

 せっかく掛かった獲物を、大型魚に奪われるわけにはいかない。


 僕は周りにも、餌をまく。

「そういえばジェム、僕、ランボルゲ商会と顔見知りだよ。オークションの紹介状のこと聞いてみようか?」

「マジか?」

 うん、と頷くとジェムニール達が喜ぶ。


 オークションは大人の楽しみで、ようやく学園を卒園して表の社交場に立つ準備をしているジェムニール含め先輩方には、大いに興味深い場所だろう。


「うん。聞いてみるよ。出品については明言できないけどね」

 大喜びをしている4人とは別に、ソワソワとこちらを伺うソルベルト先輩を含めた5人に僕は笑顔を向けた。


 そして。


 それから数日後、僕はソルベルト先輩と単独で話をするようになりーー少しずつイジル侯爵家の内情を聞くようになっていった。





 今更ですが、主人公の性格は「正義のヒーロー」じゃないです。

 作中の「額飾り」の闇の術式=解呪は、鍛冶屋には壊せません。

 まして数百年の間、竜の歯に挟まっていた額飾りは、ドワーフでも簡単に溶かせない頑丈さ。それを承知の上で、ジェムに魔剣作りの欲求を植え付ける、小悪魔ギーヴくんでした。

 

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