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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第5章
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エルバーラの奮闘7〈イレギュラー〉

読んでいただきありがとうございます。

エルバーラ視点、たぶんこれで終了です。

◆◇◆◇



 それは、突然の悲報だった。


「モーグ侯爵夫妻が亡くなった!?」

 先日パーティで見た堂々たるモーグ一侯爵夫妻の姿を思い出す。


 メイドに急かされ私は喪服に着替えた。

 フランチャスカ侯爵夫妻とジェムニールの4人で、公の場に行く初めての機会が、パーティやお茶会ではなく、モーグ家の葬式だということに、私は小さく震えた。


ーーゲームの物語どおり・・・。


『ギーヴィスト=フィン=モーグは若くして、両親を失い、学院在学中の16歳で、侯爵の地位を継ぐ』


『ギーヴィストは両親の秘密、義務で産み育て愛されてなかったことを、二人の死で知ることになるのだ』


『傷ついたギーヴは学園に入園しない』


 そのことが彼が隠れキャラになる要因(ファクター)の1つとなる。


 葬儀で会ったギーヴィストは確かに暗く沈んでいた。

「大丈夫?・・・まだーー傷ついてる?」


ーーもう傷ついてる?まだ傷ついてる?傷ついて学園には入学しないの?


 私は確かめたくて仕方なかった。

 だって、もしギーヴが傷ついたまま、学園に入園しなければ。


『結末はお前が選ぶのではないーー神が定めた存在(しゅじんこう)が選ぶのだ』

 そう言ったのは、人ならぬ存在、黒髪の騎士だ。


『お前が足掻こうと足掻くまいと、〈神の遊戯〉は進む』


ーー私がどんなに頑張っても、ゲーム通りに進む。


 そう聞けば、この世界の〈エルバーラ〉として頑張ってきたことが全て無意味なことのように感じる。


 抗えない世界の強制力に失望する反面、〈私〉にとっては、3人が必ず助かるならば味気ない人生も受け入れてみせる、と考えさせられるような、そんな返答だった。


『じゃあ、私が何もしなくても、〈神の遊戯〉どおりに現実が動いて、〈契約〉は達成できるということ?』

『そうであるならば、私はここに居らぬ』


ーー〈契約〉を改変しうる存在、イレギュラー。


 〈私の契約〉に干渉しようとしたギーヴの行動は〈神の遊戯〉に含まれるものなのか、それともイレギュラーな存在ゆえの行動なのか。


ーーそれに、この〈契約のペンダント〉をエルバーラが持つこと自体、イレギュラーなはずだ。


『神は意味あるものを好む』

 曖昧な言葉、曖昧な法則だ。


ーー同じように〈神の遊戯〉を変えうる存在、イレギュラーが存在するのか。それとも神が〈遊戯〉を改変しうるイレギュラーな行動を〈許す〉のか。


 はっきりとした答えを与えられないまま、黒髪の騎士は〈契約の遵守〉だけを念押しして去った。


 だから私は、葬儀でギーヴとジェムニールお兄様との会話に無理やり割り込んでまで、聞いたのだ。「ギーヴは学園に通わないの?」と。


「うん・・・僕も学園行きたいよ!お祖父様に頼んでみる」

 ギーヴがそう答えた時、僅かな改変ぐらいは起こり得るのではないかと思った。


 だってすでに〈私〉というイレギュラーが存在しているのだから。


 だがーー。


 ギーヴはやはり学園に入園しなかった。

 そして〈私〉の光魔法は、ガルーダに封印されてしまう。


 そして始まる〈乙女ゲーム〉の前ふりエピソードーーシャルモン殿下とエルバーラの仲に亀裂が入る最初の事件が、起こるのだった。


エルバーラの視点は、ギーヴの行動の裏話になるので、暗いし入れ子で分かりにくい話なので、読み飛ばしても大丈夫ですので。

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