表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/58

大蛇の正体

 夜の帳が降り森の中は暗闇だ。それでも、暗闇に慣れた目を凝らすとはっきりと見えた。コルカの足元で動く生物を。


「······あれは大蛇か?」


 俺達はその正体不明の生物を確認しようとしたが、ここからの距離では判別出来なかった。


 コルカが魔物か何かをペットとして飼っている。特段それは不思議な事では無い。だが、あの洞窟にはコルカ以外何も居なかった。


 洞窟を出てからずっと入口を監視していたので、外から入ったとも考えにくい。


「エリクのおっさん。コルカのおっさんが動くよ」


 イバトが注意深く影の行方を目で追う。とにかくコルカを尾行する。俺は子供達にコルカに気付かれないように慎重に行動するよう伝えた。


 ······コルカは森から行路に入った。この先は、俺達が依頼を受けた村があった。俺は大蛇らしき生物を見てある仮説を考えていた。


 そして、程なくしてその仮説は間違って無かった事を目の当たりにする。村に入ったコルカと大蛇らしき生物は、迷う様子も無く畑のある場所へ向かった。


 畑を囲んだ柵の前でコルカは止まり、大蛇らしき生物が柵を乗り越え畑に入った。そして、収穫前のキャベツをその生物が貪っていた。


「······なんて事なの。やっぱりあの四手一族のおじさんが犯人なのね」


「正確には違うぞクレア。食べてるのはコルカのおっさんじゃない。あの大蛇みたいな魔物だ」


 クレアが同じ事だと反論した所で、俺は二人を黙らせる。俺達はこの場でコルカを問い詰める事なく、その場を立ち去った。


 翌日の朝、俺達は再びコルカの住む洞窟にやって来た。入口でイバトが大声で来訪を告げると、中からコルカが出て来た。


「またお前達か。今度は何の用だ?」


 コルカは寝起きらしく不機嫌に見えた。俺達は両手に抱えた野菜を差し出す。


「昨日、洞窟を見せてくれたお礼だ。余り野菜を採っている様子が無かったのでな。奥へ運んでもいいかな?」


 俺の説明に、暫く考えたコルカは頷いた。俺達はコルカの居住する場所に野菜を運んだ。


「やはり何度見ても見事なタペストリーだな」


 俺は壁に掛けられた聖竜のタペストリーを大袈裟に称賛した。そして、そのタペストリーをめくった。


「······やはりな」


 タペストリーの奥には、別の空間があった。そしてそこに、白い大蛇らしき魔物が横たわっていた。


 コルカが猛然とした勢いで立ち上がり、イバトとクレアがコルカから距離を取る。


「落ち着いてくれコルカ。俺達は話し合いに来たんだ。君が何故この大蛇を世話しているのか。そこから聞かせてくれないか?」


 俺にはコルカが話が通じる相手だと確信があった。コルカは鋭い目で俺を一瞥すると、再びその場に座り込んだ。


「······エリク。お前が今見た物は大蛇などでは無い」


 コルカの言葉を聞き、俺は近くに置かれいた蝋燭を持ち再度白い大蛇を見た。


「······これは?」


 俺が目にしたのは、コルカが言う通り大蛇では無かった。それは、白い竜だった。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ