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依頼品泥棒

 俺達が受けた依頼品の木箱を、黒いコートの魔族が持ち去り逃走し始めた。水色の長衣を着たモナコが左手で裾を掴み、右手でホケットの手首を掴み同じく走り出す。


「エ、エリクおじさん!あの人達、木箱を持って行っちゃったわよ!」


 クレアが俺とクロシード達を交互に見て動揺していた。俺はため息をつきながらイバトに顔を向けた。


「イバト。依頼品を取り返してこい。但し、なるべく相手を傷つけないようにな」


「相手が抵抗したら?エリクのおっさん」


 俺は黙って頷いた。イバトも頷き、残りの干し肉を口にかき込む。軽く屈伸運動をすると、イバトは猛スピードで駆け出して行った。


「クレア。俺達もイバトの後を追うぞ」


「う、うん!」


 こうして妙な追走劇が始まった。イバトはあっという間にクロシード達に接近した。


「ク、クロシード様!あの黒髪の子供、物凄く足が早いです!お、追いつかれます」


 モナコが悲鳴に近い声を出す。特にモナコはホケット少年を連れているので、動きが遅かった。


 そのモナコとホケットを追い越し、イバトはクロシードに迫る。自称、高貴な出の男は大汗をかきながら後ろを振り返った。


「おのれ!手荒な真似はしたく無かったが仕方ない!」


 クロシードが木箱を左手で抱えながら、右手で待つ杖をイバトに伸ばす。まさか呪文か!?


「イバト!横に移動しろ!呪文が来るぞ!」


「あいよ!」


 イバトが素早く真横に向きを変える。その瞬間、モナコとホケットが吹き飛んだ。あれは衝撃波の呪文か!


 イバトに当たる筈だった衝撃波は、運悪くイバトの後ろにいたモナコ達に直撃してしまった。


「ひ、酷いですクロシード様ぁ」


「痛いよ。僕お尻ぶつけた」


 モナコとホケットは大事には至らないようだ。俺とクレアは追跡を続行し、程なくして追いついた。


 クロシードは足を止め、イバトと睨み合っていた。ほう。このコートの魔族、一人で逃げると思ったが以外だな。


「コートのおっさん。物乞いに盗み。転落人生のお決まりコースだぜ」


「それは言い過ぎよイバト!盗みしか出来ない、救いようが無い愚かな人だってこの世にはいるの!」

  

 イバトとクレアに毒舌を浴びせられ、クロシードは怒りの余り震えていた。


「······おのれガキ共!かくなる上は、実力を持って我が目的を果たすぞ!」


 いやクロシードよ。言葉を繕うな。お前がやっている事は誰が見ても盗みだぞ。クロシードが右手で握る杖をこちらに向ける。


 その杖の先に、電流がほどばしっていた。これは雷撃の呪文か!?


「クレア!お前、魔法障壁は使えるか!?」


「え!?魔法障壁!?つ、つつ使えたような、使えないような?」


 俺は愕然とした。このポンコツ魔法使い、自分の使える呪文も把握していないのか!?俺はイバトとクレアに、散開するよう命じようとした。


 その時、後方からモナコの絶叫が響いてきた。





 

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