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少女の毒舌

 昼食中に起こった異様な光景に、クレアが堪らずと言った様子で声を上げた。


「目の前で暴力を振るうなんて止めて!お腹が空いているなら、これをあげるわ」


 クレアは両手に持ったパンと干し肉を、妙な三人組に差し出す。その途端に、クロシード、モナコ、茶色い髪の子供がクレアの両手に群がる。


「ベ、別に私はそんな安そうなパンや肉など欲しく無いが、どうしても貰って欲しいならやぶさかでは無いぞ」


「······ああ。美味しそう。パンなんて一週間食べて無いわ」


 クロシードとモナコが今にも口からよだれを流しそうな顔をしている。そんな中、茶色い髪の子供がクレアの手からパンを取り、口に運んだ。


「ありがとうお姉ちゃん!」


 子供は幸せそうにパンを咀嚼する。その瞬間、クロシードとモナコの顔が豹変した。


「このガキがぁ!このクロシード様を差し置いて何をしておるかぁ!」


「酷いわホケット!あ!干し肉は半分私に頂戴!お願いだから!」


 ホケットと呼ばれた少年に、クロシードとモナコが掴みかかる。だが、残りの干し肉もホケット少年が素早く食べ切った。


 最悪の結末に、クロシードとモナコは大口を開けたまま項垂れた。そんな落ち込む二人に、イバトが冷たく言い放つ。


「オジさん達さあ。お腹が空いたんなら働きなよ。皆、そうやって生きてんだからさ」


「イバト!それは言い過ぎよ。働きたくても無能な人達は雇っても貰えないのよ」


 いやクレア。お前の方が明らかに言い過ぎだぞ。本当に空気の読めないガキだこいつ。気付くと、クロシードがこちらを睨んでいた。


「······労働など下賤な者がする事だ!将来、魔王候補と呼ばれる筈の私に、そんな下卑た事など必要ない!」


 おいクロシードとやら。俺と同い年に見えるお前が言う将来とは何年先だ?三十男に将来などとそんな言葉を使う資格はないぞ。


「何が魔王だよ。馬鹿なのおっさん?今日食べる物に困っている奴が、どうやって魔王になるんだよ」


 将来と言う言葉を使う資格がある、十五歳のイバトが冷たく言い捨てた。


「それは酷いわイバト。歳を取とってから考え方を変えるのは難しいらしいわ。もうこの人は、死ぬまでこうなのよ」


 同じく将来があるクレアが無自覚に毒を吐く。いや。本当に酷いなこの女。


 二人の子供に良いように言われ、クロシードは歯ぎしりをしていた。その時、黄色い髪の少女、モナコが俺達が運んでいる荷物を指さした。


「クロシード様!今、神託が降りてきました!この木箱は私達に、巨大な幸運をもたらします!!」


 モナコが叫んだと同時に、クロシードが以外にも俊敏な動きを見せ、木箱を両手に抱え走り出した。


 ······なんなんだ?こいつ等は本当に。


 

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