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クロン〜チートすぎる生物〜  作者: 黒白灰色
3章 とある勇者編
55/81

俺って勇者らしいよ

大変長らくお待たせしました。

別作品『世界記憶の管理係』に専念していたため投稿できず申し訳ございません。

また、今後作者は受験生となるので投稿ペースはガクッと落ちます。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

朝日が顔に当たり、俺は目を覚ます。

体の節々が痛い、大地の上で寝たのだから当然だな。どうしてこうなったのか、と寝ぼけた頭を回し今までの過程を思い出す。


俺はレイ・エルイア、一応勇者だ。まあとはいえ何かしら凄い事を成し遂げたからそう呼ばれているわけではない、生まれつきだ。

説明が難しいのだが、俺の家系は何故か能力と呼ばれる不思議な力を持って生まれることがある。それ魔法じゃないの?と言われるが魔力は使わないし能力によっては魔法じゃ絶対にできないこともできる。とりあえず正体不明の不思議な力を持っていると考えてくれればいいだろう。

能力以外にも特別な力はあるが、まあそれに関しては別の機会ということで。

不思議な力を持っているとなると忌み嫌われ迫害を受けそうなものだが、何故うちが勇者ともてはやされているのかというとご先祖様が当時の魔王を倒したからだそうだ。

そんなだから期待され危険な役割を押し付けられるのは仕方ないと割り切ってはいるものの、流石に魔王を倒せ、というのはやり過ぎじゃね?全く勘弁してほしいと言いたい。

で、肝心の自分が何でこんな所で寝ていたのかというと簡単に言えば少人数での潜入作戦をしているからだ。

今代の魔王は歴代の魔王の中で少なくとも魔力に関しては最強の一角だと言われている、その力は凄まじく魔族の領地である魔界の守備の全てを自らが生み出したゴーレムで賄えているほどだ。

その分の戦える魔族が全て攻勢に出てきている。元々魔族は単体の戦力は高く、脅威ではあるものの数では圧倒していたがためにここ数十年は脅威と見なされていなかったが、流石に全員が攻撃に出られるとこっちの守備が追いつかない。

なので勇者である俺が特に優秀な仲間を連れて少数で魔王を倒してきてくれ、と言われたわけだ。今この現状を作り出しているのは魔族側の攻めにこっちが耐え切れないから、ならこっちから攻めて守りに戦力を使わせればいいじゃないという判断だ。

仮に俺が負けた場合人間側の最大戦力を失うってことだから、いずれ人間は魔族に負けるだろう。だが魔王を倒すことができれば魔族はトップを失い統制がとれなくなり、守りに一切戦力が割かれていないので全滅させることも可能だろう。

そんなハイリスクハイリターンな作戦の要に俺を任命するなバーカと叫びたいが、やれるのが俺しかいないのだから仕方ない。腐っても勇者と呼ばれてるんだからそれっぽい行動の一つや二つやってみたいという若気の至りでもあるのだ。

こんな無茶無謀な計画の同行者は王女のフィラ・セイス様と俺の魔法の師であるマグル・ドーナさんだけだ。俺はあくまでオールラウンダーって感じで近接特化どころか得意分野っていうわけですらないのでできればもう一人欲しいんだが、その候補だった人が指揮を執らないと防御面がスカスカになるのでついてきてもらえなかった。

生半可な強さだと寧ろ足を引っ張るだけなので仕方ないがたった三人ってどこのおとぎ話だよ、人数が多ければ多いほど良いっていうわけではないが流石に少なすぎて不安たっぷりだ。


今はマグルさんの魔法でこっそり魔界に潜入することができて一日がたったところだ、蜃気楼的なあれで警備の目を誤魔化して潜入できたのは良かったのだが問題はそこからだった。

領地の境界線だけを守って中の警備はスッカスカなのかと考えていたが、甘かった。流石に境界線よりは緩いものの警備用のゴーレムがキチンと巡回している、これでは中々進めない。

一応まだタイムリミットには余裕があるとはいえ、予定していたペースよりも格段に遅い。魔王を倒したらハイ終わりってわけじゃないからな、何とかしてペースアップしたいところだ。

とは言ったもののそう簡単に事は運ばないから困っているわけだ。ここは完全な敵地だ、しかもその敵は種族からして違うから正体を偽るとかもできない。仮にここで大怪我をした場合、落ち着いて治療できる空間が存在しないのだ。

なのでできるだけ戦闘を避けようとしているとどうしても遠回りになってしまう。焦燥感だけが募るばかりだが、現状問題俺じゃどうにもできない。


もしかしたら、というか十中八九ゴーレムの一体や二体と戦ったところで怪我なんかせずに完封勝利できるだろうけどそうやってなんせ人類の未来がかかっているんだ、そう簡単に迂闊な判断はできない。

そのせいでタイムリミットはどんどん迫っているし、精神的に疲労をためていては本末転倒なのは重々承知しているのだがどうしても思い切った行動をするだけの勇気が出ない。勇者と呼ばれてるやつが勇気が出ないとは何とも気の利いた皮肉だよな。

そうやって卑屈になってイライラしていると、その苛立ちが出てつい物に当たってしまった。しかもタイミングの悪いことにちょうどゴーレムがこちらを見ていた、いつもならマグルさんの魔法でそばにいたとしても気づかれないのだが流石に音を立ててしまってはアウトだ。

当然ゴーレムはこちらに気づき襲い掛かってくる。だが俺はどうするべきか一瞬迷ってしまった、応戦するべきか逃げるべきか。戦闘時においてその一瞬は致命的だ、既に五メートル程あった間合いは半分以上潰されていた。

一応ゴーレムは武器などは持っていないが片腕の長さだけで一メートル以上ある、思いっ切り走って加速しているのもあって既に先手は取られたな。と思っていたら後ろから火の魔法が飛んでゴーレムを吹き飛ばす。

「こうなったら仕方ありません、こいつはここで倒します!援護しますのでできるだけ早く仕留めてください!」

イレギュラーに即座に対応するあたり流石マグルさん、俺らの中の最年長だ。そうだ、もう戦うしかないんだから迷っている暇なんてない。素早く剣を抜き仕留めにかかる。

石でできているため攻撃力と防御力は中々だがその分の重量で動きはトロい、反撃を受ける前に簡単に四肢を切り飛ばせた。

ゴーレムは魔力を使って動かしているから完全に殺すには欠片一つ残さず吹き飛ばすしかないが、術者が近くにいなければ直すのは難しい。無力化することができれば魔王もこいつを動かすのは諦めるだろう。まあそんなことより、

「本当、すいませんでした。俺のせいで見つかっちゃって」

とりあえず二人に謝る、一応無傷だったとはいえこれは無駄な戦闘だった。

一切仕方ない要素がないし、どんな叱責を受けるか……。

「気にしないでください。なたはまだまだ子供なんです、そんな達人のような精神力を持っていなくても仕方がありませんよ。ストレスの溜まる作業であることは間違いありませんし寧ろ危険度の低い今それを発散できたので良かったですよ」

「そうですよ、結果特に何も問題なかったんです。ゴーレムと戦っても楽勝で勝てるって分かった分プラスです」

正直何となく察していたが特に何も言われず許してもらえた。まずいな、二人の優しさに甘えてしまっている。俺は勇者なんだ、もっとしっかりしないと……。

「それよりも早く移動しましょう、仕方ないとはいえかなり大きな音を立ててしまったのでそろそろ他の……」

マグルさんがそう言葉を切った時、地面が揺れだした。地震かと思ったがマグルさんの視線の先を見るとその原因が分かった、ゴーレムの援軍が向かってきている。

ヒト型の石の塊が集団で全力疾走している姿は中々にシュールだがそんな事言っている場合じゃない、数はざっと十は超えている。流石にあれは楽勝とはいかない、逃げないと……。

と思った矢先、更にどこからか不思議な音が聞こえてきた。これは、叫び声?しかも上から?

そうして上を見ると人が落ちてきているのが見えた。

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