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クロン〜チートすぎる生物〜  作者: 黒白灰色
2.5章 不老長寿の星
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妹と弟

足がいってえ。ウルの歩幅は小さいはずなのにとんでもなく足が早く、引っ張られて進まれると全力ダッシュしないと引きずられてしまう。

そんなもんで長い距離移動できるはずもなく、足が筋肉痛でガックガクである。

一応気や命属性魔法は使ってなかったものの普通に身体能力はぼろ負けだ。

この子の精神年齢で俺みたいに特訓してるとは思えないし種族の差ってすごいんだなあ。


「?おにいちゃん、足プルプルさせてどうしたの?」

「ううん、何でもないよ。それよりもここが家なの?」

想像していたものとは違いちょっと大きめの一軒家ぐらいの大きさだった。前の孤児院が教会とか宿屋とかそれぐらいの大きさだったのに比べると流石に小さすぎない?

あ、でもあれか。相当でかい種族とかいたしいくつか家が分けられてるのかな。

そもそもこの星での師匠の立ち位置が分からん。今までと変わらんのか、ちょっと偉い立場なのか、寧ろ悪いのか。

ちゃんと聞いとけば良かったな、まあウルが教えてくれるでしょ。

「ただいま、ヴィラ。げんきにしてた?」

ウルが扉を開けると今までの孤児院とあまり変わらない質素な空間、そして黒髪赤眼の少年が目に入ってきた。背丈はウルと同じかそれより小さいのだが、所作の一つ一つが何というか品の良さがあふれ出ている。

そのせいか見た目に反してかなりの高齢に見えた、下手したら自分よりも。

本を読んでいたのかテーブルの上には表紙は角度が悪く見えないが分厚い本があった。

「お帰りなさい、ウル姉さま。彼が噂の?」

「うん♪ミカおにいちゃん。ヴィラも仲良くしてね」

明らかに幼いウルがお姉ちゃん風吹かせているのは見ていて中々微笑ましいものがあった。

「初めましてミカ兄様、ヴィラと申します。十五です、今後よろしくお願いします」

「あ、うん。俺はミカ、よろしくね」

とても丁寧に挨拶され、年下相手にタジタジになってしまう。何か高等な教育を受けているのだろうか、でも悪口みたいに聞こえるがウルがそんな高等教育を受けているようには見えないんだけど……。

っていうかその前に結構重要なこと言ってなかったか?

「あの、さっき言ってた『噂の』ってどういう事?俺なんか有名なの?」

あの師匠ならなんか俺の悪口でも広めていても不思議じゃない、いやでもあの人ならそんな陰湿なことしないか?俺自身に不満があるなら拳で何とかしようとするだろう。でも読めないんだよなあ、遊び半分でやっても……。

そんなぶっちゃけどうでもいいことで頭を悩ませていると、

「別に悪い噂ではなく、ただ新しい家族ができる、ということだけ父様から伝えられていたんです」

とヴィラが教えてくれた。父様ってのは師匠ことクロンの事だろうな。意外と最小限しか教えられてなかったんだな。

「それっていつから教えられていたの?」

「五年前ですかね、その時はすぐ来れるって聞かされていたんですが」

ここまで長くなったと。っていうか五年前って俺が学校通い始めたあたりか、そんなに前から俺がここに来るのは決定してたのか。

あれでも学校に通うのを提案したのは師匠だったよな、それなのにすぐ来れるっておかしくね?

でもそういえば師匠って不老長寿なんだった、四、五年ぐらいあっという間なのかな。


「あ、そうだ。二人って何の種族なの?ぱっと見ただの獣人と人間だけど、師匠に連れてこられるぐらいなんだから一般的なやつとは違うんでしょ?」

「そうですね、まず僕は吸血鬼です。ただの吸血鬼じゃないです、真祖です」

おおう、いきなりドぎついのがきたな。吸血鬼の真祖っておとぎ話でしか聞いたことないんだが……。

「あ、といっても本物の真祖って訳じゃないですよ。真祖の先祖返りとかって聞かされてます」

うん変わんねえよ、と内心鋭いツッコミをしておいて。っていうか吸血鬼か、これから一緒に住むんだが大丈夫かな。寝てる間にミイラとかになってたりしない?

「お気になさらず、血を吸わなければ死ぬってわけでもないので。嗜好品みたいなものですかね、あれば飲みたいけど飲まなくても生きるのには問題ないです」

「吸血鬼なのに?」

「はい、真祖なので」

真祖ってすげえな、日光を浴びても大丈夫ってことぐらいしか知らなかったけど血を飲まなくても大丈夫でしかも不老か。生物として性能高過ぎじゃない?


「じゃあウルは?」

「わすれちゃった!」

清々しいほどの即答。ウルたしか十八だよね、精神年齢低すぎない?そんだけ凄い種族だったりするの?

「父様から教えられているので僕が説明しましょう。ウル姉さまは土地神扱いされている狼と人間のハーフですね」

はい意味が分かりません、狼と人間がどうやって子を作るんだよ。生物として違うよね。

「狼といっても普通の動物じゃなくて神獣だの聖獣だの言われてましたよ。人化もできるとか」

へーそーなんだー。俺は頭を空っぽにして全てを受け入れた。師匠関連という言葉は恐ろしいほど俺の頭から疑問という言葉を忘れさせてくれた。

「というか、二人ってそんな凄いのに何で孤児になったの?あ、言うのが辛いなら全然話さなくて問題ないよ」

「いやそんな事は全然ないですよ、ただ僕もウル姉さまも生まれた時から両親はいなかったですね。父様曰く、僕もウル姉さまも生物として強すぎるので母体がもたなかったとか。父親は僕は病気で、ウル姉さまは寿命で生まれる前にいなかったらしいです」

相変わらず師匠の教育の影響が思いっきり出てるな、普通は生まれた時から両親がいなかったら結構傷つくらしいんだけど……。まあ俺が言えたセリフじゃないか。

にしても強すぎて母体がもたなかったか、もしかして俺の想像以上にこの2人ってすごいんだろうか。

ウルの実父は寿命で死んだってことは寿命が短い方、つまり人間ってことでしょ?ヴィラもハーフとか言ってないし両親は多分どっちも吸血鬼だろうし。つまり二人共母親が自分と同族又はそれ以上のはずなのに産んだら死んじゃったんでしょ?とんでもねえなおい。

「ところで父様はどうしたんです?一緒に来たのではないんですか?」

「あ〜、えっと。ウルの突進で腰をやっちゃって……」

「なるほど」

全てを察したような表情で頷くヴィラ。もしかして今までにもウルが似たようなことやってんのかな?


「あ、そういえば師匠。クロンってこの星ではどういう立ち位置なの?やっぱりここでも孤児院開いてる感じ?」

丁度師匠の話題が出てきたので忘れかけていた事を尋ねる。ウルにはちょっと聞けなかったがヴィラならきっとまともな答えが返ってくる、と期待していたら信じられないものを見るようにヴィラの目が大きく開かれる。

「あの、もしかしてミカ兄様は父様からほとんど何も教えられてないんですか?」

「え、あ、うんそうだね」

考えてみれば師匠が宇宙人である、ということだけで何となく納得してしまっていた。

だが、当然その先だってあるはずだ。その星にもなにか過去があるはずだし一人ぼっちってわけでもないのだから……。

「結論から言うとこの星という小さい範囲ではなく父様はこの空間を『作った』、神より上位の存在だと聞かされています」

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