シルド先生の恋愛相談(笑)
「ミカお兄ちゃんを私にください!」
「うん、却下。」
「お願いします!」
「ダメ」
「どうかぜひ!」
「帰れ」
この数日、シアはめげずに何度も師匠の元に通い続け頭を下げたが全く師匠は首を縦に振る気配がない。
理由を聞いても、それは自分たち自身で気づくべき事だって言ってはぐらかし続けている。
あんなに頑張ってるんだしオッケーだしても良いと思うんだがなぁ。
師匠が珍しく頑固だ。
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「もお〜〜!!クロンさん頑固過ぎない!?理由すら教えてくれないとか酷いよ!」
絶賛、俺の部屋で四人で相談中。流石に30回を超えた辺りからシアが愚痴り出した。
「う〜ん、他の子がこういう時はあっさり良いよって言ってたんだけどねぇ?」
よくこういう事は起きるんだが、いつも師匠は簡単に首を縦に振る。なのに何でこんなに強情なんだ?俺が気づくべき理由ってなんだ?
「なんかないの?心あたりとか、その、結婚するのに問題とか?」
「プフっ」
真剣に話してたらいきなりシルド君が堪えきれない様に笑いを零した。なんか変な事言ったっけ?
「ああ、いや失礼。なんとなく分かりましてね、と。」
「え、ホントに?!なになに?っていうか何で!?」
おおう、俺が聞こうとしたのにそれ以上にフリエさんの圧が凄え、分かったって聞いた瞬間の目の光り方すごかったぞ。
「いえ私はフリエさんの様に別に恐れられてもない普通の貴族ですから、社交性や人の観察眼なら多分この中で誰よりもありますよ?」
うっ、確かに。平民で基本決まった人としか喋らない俺に相変わらず魔力の関係で問題児なフリエさん。村育ちのシア。これは酷い。それに比べたら貴族でパーティーとかやるシルド君の方がよっぽどそう言うのはあるよな。
「いや〜〜、確かにこれはクロンさんの言うとおり自分たちで気づくべき事ですね、と。
なので教えられません。」
「えっ、何でよ!?ケチ!」
「世の中、自分たちで解決すべき問題なんていくらでもあるんです。今回はその類の事ですね、と。」
うん、さっぱり分からん。何の手がかりもない。折角理由が分かるかと思ったんだけどなぁ。
「まぁヒントとしては問題はミカ君にあります。しかしそれに気づかなければならないのはシアさんの方です、と。」
う〜ん、俺に問題?しかも気づかなきゃいけないのはシアの方ってどゆこと?更に分かんなくなった。
「結局これに関しては私が何かを教えるのは無粋ですからねえ、2人、と言うよりシアさん頑張ってくださいね、と。」
「は、はぁありがとうございます?」
そんなシルド君の助言、助言になってたか?まぁそんなのに一応シアが感謝の言葉を言う。
どうしよう、どんどんシルド君と師匠のキャラが被ってきている。これから更に師匠と似てきて、あの鬼畜さやウザさが再現されたら……
いや無理か。
「お〜い、ミカ〜?ちょっとこっちこ〜い!」
「うん?ちょっと失礼。」
突然師匠に下から呼ばれたので部屋を出て向かう。
「なんですか?師匠。」
「お前今から3人連れて依頼行ってこい。」
へ?何でいきなり?
「もちろん良いですけど、どうして突然?」
「5年前に嫌な予感がするって言ったろ?あれ多分もうそろそろだから改めて皆の、と言うよりシアちゃんの実力を確認しとき。快く戦力になってくれるとは思えないがまぁお前の頼みなら絶対に聞くだろ。」
う〜ん、なんか師匠のシアへの態度が冷たい様な……師匠ってシアの事嫌いなのかな?
「誤解がないように言っておくが俺は別にシアちゃんの事嫌いじゃないぞ?寧ろ自分の欲望丸出しなのは人間味があって好感が持てるもん。
ただ欲望丸出しなんだからこそ悪い所もはっきりと分かるからな、それだけ。」
フ〜ン、よく分かんないけど別に嫌いじゃないならいいや。妹と父親が喧嘩してるみたいでなんか嫌だし。
とりあえず上の3人呼んでくるか。
ひとまず何も起きないといいけど……
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(クロン視点)
う〜ん、想像以上に手遅れだなこりゃ。
まさかあそこまで意識してないとは思わんかった。ど〜せさっき俺がシアちゃんの事を嫌ってないと知った時も妹と父親が喧嘩してるみたいで嫌だったから、だのそういう事考えてたに違いない。
全く女子としては認識してない、最悪結婚の意味とか理解してない可能性もあるな。
確証がないから断言はできないが、マジでタイムアップしかねない。
ムムム、今回の件が終わったらそろそろ連れて帰る事を検討しなくちゃならんな。
ったくホントにミカは厄介事が尽きんな。まぁ仕方ないか、それがあいつの宿命的な感じって事で諦めるか。




