加速し始めた
セトさんに会って半年後、それは起きた。
「クロンさん!?クロンさ〜〜ん!」
俺は必死に孤児院の扉を叩いてクロンさんを呼ぶ。
「もううるさいなぁシン君、一体何?」
「何じゃないですよクロンさん!冒険者ギルドが取り潰しになって元冒険者は領主又は国の軍に入るようにってお触れが!」
今朝、冒険者ギルドの前に行くと出されていた。
冒険者のシステム自体一部の貴族、シバトル伯爵みたいな人からは嫌われている。
半年前、シバトル伯爵が言っていた通り軍の支配下にない強大な武力というのは権力者からしたら恐怖の対象だ。
今まで冒険者ギルドが取り潰されなかったのは俺達冒険者が反抗したら国軍も敵わないから、そのはずだったんだが…
「一部のB、A級の奴等は直ぐに直訴しに王都に向かったんですけどここの領を出る前に取り押さえられたそうです。」
国軍が出て来ていたのなら数で負けて捕らえられたと理解出来るが、この領を出る前と言ったら数はともかくシバトル伯爵の軍じゃ冒険者との質が違いすぎる。
一瞬で叩き潰される未来しか見えなかったのだが…
「ってことでクロンさん、俺と一緒に王都に行きましょう。
クロンさんなら国軍にすらきっと勝てます、だから一緒に直訴しに行きましょう!」
「もちろん、ヤダ」
清々しい笑顔で拒否された。
「なんでですか!?」
「ぶっちゃけまぁ冒険者のシステムとかどうでも良いんだよね、俺にとって。
シン君自分で言ったじゃん、俺なら国軍にすらきっと勝てるって…
別に国から強制されても払いのけられるし、どうでも良いんだよ。」
それに、と一拍置いてクロンさんは言った。
「どーせその黒幕的な奴の目的が俺の予想通りなら直ぐに俺の所に来るでしょ…」
?もしかしてクロンさんは今回の事件の原因とかを理解しているのか?
そんな風に俺が頭を働かせていると、
コンコンとドアが叩かれた。
「そらきた、行ってくるよ。」
そう言ってドアの方に向かいクロンさんがドアを開けると…
「久しぶりだねぇ、爺さん。」
「ああ久しぶりアルカ、中に入りなよ茶でも出すよ?」
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アルカさんとクロンさんが茶を啜りながら談笑している中俺はその様子を見ながら半年前の事を思い返していた。
アルカ、ロー君達が会ったと言っていたクロンさんの孫、喧嘩別れしたとか言っていたけど想像よりも仲はいいのか?
「さて、じゃあ本題に入らせてもらうよ爺さん。」
その言葉を聞いて俺は思考を中断し、二人の会話に耳を傾ける。
「爺さん、3日後に国軍がこの街に来る。
俺の仲間と国軍、合わせてあんたを殺しに来るよ。」




