甥(ロー視点)
俺達と同じ父さんからのお守り、つまりこの人は…
「…貴方もここの出身なんですか?」
「ん〜、少し違うかな?母親がここの出身でね?俺は戸籍上は君等の甥にあたるかな。まっ、年は君等より遥かに上だけどね。」
なるほど、そういうこともあるか。
「へ〜〜、今は何されてるんですか、お仕事とかは?」
「貴族様に仕えたりとか、短期で色んなところで雇ってもらってるよ。
仕事は安定しないけど色んな人に仕えるってのは中々楽しいよ。」
「ほ〜〜〜」
なんだ、全然いい人じゃないか。俺達に気づかれず背後に立てたのも、まぁ父さんの修行を受けたんなら納得だな。
あれ?気のせいかな?お守りのキラキラが弱い様な?
「ところで、どうして孤児院に?」
「ああ、今はまた新しいご主人を探してるところてね、その道中で寄ったんだが…今爺さん、クロンはいるのかい?」
「いえ、父さんは今王都に行ってましてね、後3日は帰らないって言われてます。」
「ふーん、なら良かった。」
「?なんでですか?」
「いや〜、実は俺、家出みたいな別れ方しちゃってさ。
正直気まずくて会いたくないんだよね。」
「あちゃ〜、でも多分父さん、貴方が来るの知ってると思いますよ?
この時間に外に出ると面白い人に会えるって言ってたんで。」
「そっか〜、でもできれば秘密にしといてくれない?やっぱり今会うのは少し嫌なんだよね。」
「分かりました。ちゃんと秘密にしておきますよ。」
「ありがと、じゃあ俺はそろそろ行くね。」
「はい、あっそういえば名前は?」
「あー俺の名前はアルカ、またどこかで、じゃ〜ね。」
そうしてアルカさんは走り去っていった。
初めてだな、孤児院以外で父さんに育てられた人。それもそっか、父さん昔政略結婚させられたとか言ってたし案外俺達の『親族』は大層だな。
「いいひとだったね、アルカさん。」
「そうですねヒイ姉、できればまた会いたいですね。」
「楽しめました?ヒイ姉?」
「うん♪残り3日はまじめにとっくんするよ。」
「お〜それは良いですね、じゃあ早く家に入りましょうか、ってあれ?」
「うん?どうしたの〜ロー?」
「ああいや、なんかヒイ姉のお守りのキラキラが弱いような…まるで」
アルカさんみたいに?
「………」
「どうしたのロー?」
「………いえ、なんでもないです。多分気のせいでしょう♪」
すり替えたにしても流石に三人全員に一切気づかれないってのはないか。考え過ぎたな。
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(アルカ視点)
悪いねロー、クイ、ヒイ。
君らに話した言葉に嘘はない。
これは全部俺の目的のために…
爺さんを、クロンを殺す為に、な………




