セトさんとお話し
「じゃあお話ししましょ?クロン様について、私に答えられることなら何でもお教えしますよ?」
「はぁ、じゃあ遠慮なく…」
と、俺は一拍置いて、
「貴方がクロンさんの妻ってマジすか?」
「うーん、そうとも言えるし、違うとも言えるんだよねぇ。」
?この人もクロンさんみたいなこと言うなぁ?
「えーっとですね、実は私、100年ぐらい前に滅んだ隣にあった国の王女だったんですよね。」
「「えっ?」」
俺とレンは声を合わせて驚いた。
「おおお、王女様だったんですか?!」
「アハハ、元ですよ元。
うんまあそれで、クロン様は500年前ぐらいまでこの国の軍人、しかも相当偉い地位に居たんですよ。」
えっマジで?クロンさんが軍人、誰かに縛られているのが嫌いそうなのになぁ〜。
「まぁそれで彼の部下が私の国の貴族に失礼をしてしまったんです。とはいえ貴族がかなり自由奔放な行動をしていてそれに見かねたクロン様の部下が殴ってしまったと…
国同士の中は一気に険悪に、戦争するかもと噂が絶えませんでした。
そこで私の父は考えました、私とクロン様を政略結婚させようと。
当時もクロン様は絶大な力を持っていて、他国から恐れられていました。
その力を手に入れるため政略結婚させようとしました。
クロン様は責任を取らなければいけないため拒否権はない、結果私とクロン様は結婚することになったと言う訳です。」
なるほどね、それで結婚したとも言えるし、違うとも言える、か。
「あれ?でもなんで貴方はクロンさんにベタぼれしてるんですか?」
「そう!それなんですよ!」
「うわ!」
と、いきなりセトさんが食い気味に話し始めた。
「クロン様はおっしゃられたんです、貴女の今後を俺なんかとの政略結婚で決めてしまうのは、あまりにも心苦しい。
なので俺は貴女に俺と結婚して良かったと言っていただけるよう努力しますよ、と。
そして今幸せを謳歌してるんです。」
「あ〜、じゃあクロンさんから貴方への愛的なものはないと?」
「少なくとも恋愛はないと思いますね、残念ながら。
他の家族愛とかは分からないですけど。」
「だってさ、良かったじゃんレン。
まだチャンスはあるってさ。」
「うん、ありがとうシン!」
とレンはとびっきりの笑顔を見せた。
うんうん、レンはやっぱり笑顔が似合うよ。
「あとそうだ、クロンさんが貴方と合わせるのが優しさとか言ってたんですけど、どういう意味か分かります?」
と俺が言うとセトさんは頭を抱えて唸る。
「う〜ん、正直に言いますね?」
「は、はぁ…」
?何か重大な話なんだろうか?
「あの〜、えーっとですね。
クロン様は前に言ってたんですけど、多分クロン様は恋とか経験できない生物なんだそうです。」
?恋とか経験できない生物だぁ?
「その理由とか言ってました?」
「いえ、それはクロン様の正体を暴くきっかけになるかもしれないから言えないと…」
恋ができないことが自らの正体を暴くきっかけになるかもしれない?
クロンさんの正体って一体何なんだ?
「そういえば、何で貴方数百年も生きてるんですか!?
クロンさんみたいに謎多き生き物〜とかじゃないんですよね?」
「あ〜、それはですね。
クロン様は生物を不老長寿にする技術を既に確立させているって言ってたんですよ。
私はその技術の恩恵を受けた訳ですね。」
生物を不老長寿にする技術!?そんなもの…
「他の権力者にバレたら最悪クロンさんを捕らえようと戦争になるんじゃないですか。」
「そう、そしてクロン様が全て返り討ちにして世界は崩壊する。
だからこの話は内緒にしておいてくださいね?」
その言葉に俺とレンは首がちぎれるくらい頷くことで答えた。
今までの話全て容易に想像できる、クロンさんが人を不老長寿にできるとバレて権力者がそれを求めて競ってクロンさんを捕らえようとして、クロンさんがそれを全部返り討ち。
そりゃ大量に人は死ぬだろう、こんな話誰にも言わないほうが吉だ。
それにしても人を不老長寿にできる技術なんてクロンさんはどうやって手に入れたんだ?




