王都への道
翌日、ギルド前にて。
「シン君、準備出来た?」
「はい、じゃあどうやって行くんですか?」
「それは、こいつを使うんだよ。」
と言って指笛を吹くと辺りが急に暗くなった。
上を見るとなんとでっかくて黒いドラゴンがいた。
よく見ると背中にまるで家のようなコブがある。
「こいつはハウスドラゴン、
貴族でもかなり上位の人しか使えない最高級の移動手段で、
野生のだと背中のコブに自分の子供を隠したり、魔物では珍しく他種族と徒党を組む種でコブに仲間を入れておいて戦闘では仲間を出して共闘するっていう魔物で、
その性質の有用性と強さや、希少性から生け捕りだとA級が呼ばれるほどだよ♪」
何故それを貴方が持っているのか、とは聞かない。
だってクロンさんだもの、だってクロンさんだもの!
「さっ、乗って乗って。
早く行かなきゃ観光も何もできないよ、行きたいとこもあるし…」
クロンさんに急かされて俺達はコブの中に入る。
中は想像以上に整った空間でかなり快適だった。
「さっ、進め♪」
クロンさんが笑いながら言うとドラゴンは怯えたように身体を震わせ飛び立った。
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「クロンさんクロンさん、どうして今日俺だけじゃなくてレンも誘ったんですか?
もしかしてレンに興味があるとか?」
「君も中々に鬼畜だね、まさか本人がいる前で聞いてくるとは思わなかったよ。」
「ははは、ごめんなさい。
で、どうなんですか?」
「あ、取り消す気はないのね。
んーとね、まぁ君が『レンも連れて行ってください』って言いそうだから先に誘ったっていうのと、
王都に連れて行ったら面白そうってことかな?」
大変だ、さっきまでレン少し頬を紅く染めていたのに、今じゃ目の光が…
「レンちゃんの目がヤバイから一応言って置くけど、レンちゃんも女性の魅力はある方だよ?うん。」
「本当ですか!!?」
「わわ、レン落ち着けって!」
魅力があるって聞いた瞬間とんでもない速度でレンがクロンさんに詰め寄った。
「うん、流石に本人の目の前で具体的に話すのは恥ずかしいから勘弁してね?」
と、舌をペロッと出しながら言った。
ふつーに男の俺から見てもクロンさんの美貌と相まって魅力的だった。
レンなんかもう悶え死にそう。
「ほらもうすぐ見えて来たよ王都が。」
「ホントですね、速すぎません?」
「そりゃあ貴族御用達の移動手段を俺が調き、ゲフンゲフン、特訓したからね。」
明らかに今調教って言おうとしたな。
こんなドラゴンを調教ってやっぱクロンさん頭おかしいな。
「さてさて面白そうな事が起きそうだな、ククク。」
「あれ?クロンさん今何か言いました?」
「ううん、久しぶりの王都は楽しみだなぁってだけだよ♪」
ふーん、まぁ俺も初王都…楽しみだな。




