クロンさんのほんのちょっと一部分
「「「ただいまー」」」
「うんおかえりー。」
いま俺は街に帰ってきて3人を家に送り届けた所だ。
「シンさん、少し俺とお話ししませんか?」
「あ、はい。」
あれ?誰この人?全然キャラ違うんだけど、変わりすぎじゃね?
************************************
「凄いキャラ違いますね。」
二人きりになってまず最初に俺が聞いたのこれだった。
だってしょうがないじゃん!キャラがほぼ真逆だよ!?
「今からでも夢の中での性格に戻せるけどどっちがいい?ねえねえ?」
「礼儀正しい方でお願いします!」
また一瞬あのウザイキャラに戻った、あれはマジで嫌だ。
「全く、どうやったら一瞬でそんなにキャラ変えられるんですか?」
「まぁ特に隠す事でもないので教えますけど、
俺は言った通り長い長〜い間生きてるんですよ。
その分欲望は無限に溜まる、寿命短ければ溜め続けていてもいつか死ぬけど長命なら自制心にも限度がある。
当然自制心も増えるけど欲望が溜まるほうが多いに決まってる。
だから早めに消費するんですよ、実害を失くすために夢の中で。
そのためにあの魔法の中だと俺の本音とか欲望が出やすくなるんですよね。」
なるほどね、元々欲望があるのをさっさと消費するためにあんなにウザくなるのか。
そりゃあ欲望のままになんか壊したりするぐらいなら、ちょっとウザくなるぐらい全然マシなのかもな。
いや全然ちょっとじゃないけど!
「で、話ってなんですか?」
「一つお願いしたいんですけど、これからも、うちの子と一緒に行動してもらえません?
俺からも貴方に色々手助けするので。」
「?い、いいですけどなんで俺なんですか?
たしかに俺はA級ですけどクロンさんはS級ですよね?わざわざ俺に頼る必要ないですよね?」
そうなんだ、クロンさん自身が言っていた。
あの子達と俺とじゃそこまで言う程大きな差はないが、クロンさんとあの子達は次元うんぬんレベルで差があるらしい。
それなのに何故俺を頼るんだろう?
守るためなら自分でできる筈だし、それ以外の為なら俺以外に頼ったほうがいい。
「これは内緒にして置いてほしいんですけどね?
この数年で魔王が現れる筈なんですよ、だから今のうちにうちの子を守ってくれる信頼できる人を集めておきたいんですよ。」
魔王!?何故現れるのか、何が目的なのか、なにもわからない人類の敵対者であるはずなんだが、何故この人は現れることを知ってるんだ?
それになんでこの人は……
「あの、クロンさん。
なんで貴方は孤児院を建てたんですか?」
「孤児達に同情した、じゃ不十分ですかね?」
「その、それだけならどっかの孤児院に金を寄附すればいい話です、でもなんでわざわざ孤児院を建て孤児達を拾ってるんですか?」
その金とかもある筈だ、それなのに孤児院を建てるなんて、何か事情があるんじゃないのかな。
「もしかして、貴方にはとてつもない過去があるんじゃないですか?それを教えてくれませんか?」
「過去?俺にはそんな悲惨な過去なんて無いですよ?ないない、ゼロナッシング♪」
「え?」
「そりゃあ色々嫌な事も経験しましたよ?
でもちゃんと乗り越えたし特筆すべき重大な過去なんて無いですよ。」
「じ、じゃあなんで孤児院を建てたんですか?!」
「大元の理由を言うと軽蔑されるだろうから言わないでおきますけど、大雑把に言うと何かを育てるのって楽しいよねってことですよ。」
軽蔑されるって大元はどんな理由なんだ??
それよりも…
「楽しい?」
「そう、自分で言うのもなんだけど、俺は完璧だからね♪
強い奴と闘うっていっても俺並みに強い奴なんていないし、何かを極めるって言ったってほぼ全て極めたし、それに…」
そこでクロンさんは一拍置いて
「善行をするって言ったって、何が正しいか悪いかなんてほっとんどわからない。
だから俺は自分のやりたいようにやる、楽しく面白く俺がやりたい事を。
幸い俺はほぼ全ての事ができる、苦労はしない。」
と、寂しげに言った。
正直、何を言ってるのかさっぱり理解できなかった。
これが強者の孤独ってやつなのかな?
「じゃあ、これからもうちの子をよろしくお願いしますね。」
「は、はい。 お邪魔しました。」
************************************
完璧だからやりたい事を好きにやる。
善行をするにもどれが善行かわからない。
普通そんなにどんな状況でもなんとかできる程完璧になれる訳ないし、この世のあらゆる事を極めるなんて不可能だ。
はっきり言ってむちゃくちゃな理論だけど、でもなんでだろう?
あの人ならもしかしたらあり得るかもって思っちゃうのは。




