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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第三部——召喚塔林

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第82話 家出、親父を蹴る、先生にディスられる——すべては仲間だ


デレオは反射的に

アレカを目の前へ引き寄せた。

その箱の上にはめ込まれた宝石が、

瞬時にまぶしく輝き出す。


聖光は宝石の内部で何度も屈折し、反射し、

結晶の中で急速に魔力を増幅させると、

会長室の壁にある大きな窓へ向かって、

凄まじい勢いで跳ね返った。


窓ガラスがまとめて粉々に砕け散り、

外からは悲鳴とどよめきが

立て続けに聞こえてくる。


フィネストラは執務机の前にどっかり腰掛け、

書類を整理しながら、

意地の悪い笑みを浮かべた。


「聖騎士オクトリタス、

クリシュナの名にかけて言うけどね、

 修理代はちゃんと払ってもらうわよ?」


オクトリタスは聖光の術式を解除し、

デレオたちの後ろに立つ

マスクルスの方へ歩いていく。


二人は何やら小声で言葉を交わし、

その視線が同時にデレオへと向けられた。


オクトリタスは口元を吊り上げ、

からかうように言う。


「やはりお前の言うとおりだ。

反応がいい。

俺の婿にしてもいいくらいだな。」


アペスの顔が一気に真っ赤になり、

怒りに任せて足を振り上げる。


渾身の飛び蹴りが飛ぶが、

オクトリタスはその一撃を

あっさりと受け止めた。


まるで気にも留めない様子で、

逆に嬉しそうに

アペスを見つめる。


「娘よ、

お前はいい目をしているな。」


チェラーレは大きくため息をつき、

腕を組んだまま

ドア枠にもたれた。


「アペスの気持ちは、

正直よくわかるわ。

 もしあたしだったら、

この状況で我慢できる自信はないもの。」


その言葉が終わらないうちに、

オクトリタスの視線が鋭さを増す。


彼は腰の騎士剣の鍔にそっと手を添え、

警戒をにじませた声で言った。


「『逆光』──よくもまあ、

その姿で堂々と現れたものだな。」


だが、その手はあくまで軽く柄に触れているだけで、

抜く気配はない。


彼の顔には警戒心と同時に、

値踏みと勧誘の色が浮かんでいた。


チェラーレはまるで気にした様子もなく、

むしろ挑発するかのように

腰の血誓の匕首を弄び、

指先でその刃を軽くなぞりながら、

にやりと笑ってマスクルスを見据える。


「いわゆる“正義の味方”ってやつも、

結局はお腹の中で

いろいろ計算してるみたいじゃない。」


そのとき、

ソファから低くしゃがれた声が響いた。


「小娘、

悪党を何人か斬り捨てたぐらいで、

 皆があんたに頭を下げるとでも思っているのかい。」


ウンブラ婆ちゃんは

手にしていたティーカップをそっと置き、

わずかに顎を上げて、

鷹のように鋭い眼差しを向ける。


その声を聞いた瞬間、

それまで少しも怯むことのなかった

チェラーレの表情に、

初めてわずかな緊張が走った。


「ウ、ウンブラ婆ちゃん……!」


彼女は普段、

天も地も恐れないような態度を取っているが、

この老女の前では、

さすがに畏敬というものを思い出す。


チェラーレはあわてて匕首を鞘に収め、

慎ましく頭を下げた。


「先生……それに教授。

お会いするのは、

もう三年ぶりですね。」


シミリスも前に進み出て、

ウンブラに対して恭しく礼をする。


その隣で、

ウンブラの傍らに座るサリクス議長が

穏やかな笑みでうなずいた。


デレオも、

サリクスが王畿学院で教鞭を取っていたと

聞いたことはあったが、

シミリスがその教え子だったとは

思ってもみなかった。


「おじいちゃん!」


カシヤがはっとしたような声を上げるや否や、

その姿は一瞬で

公会の大広間の方へと駆け去っていた。


足取りはあわただしく、

履いている靴が脱げかけるほどだった。


サリクス議長は、

彼女の取り乱した背中を見送りながら、

ただ静かに首を振る。


老いた笑みには、

どこかくすぐったそうな

愛情がにじんでいた。


「やれやれ、

あの子はどうして

私の顔を見るたびに逃げ出すのかな。


 別に、

怒っているわけでもないのに。」


アビスウズも、

みんなの注意がそちらに向いている隙に、

こっそりと部屋を抜け出そうと

一歩下がった。


だが、その小さな動きすら

ウンブラの目は見逃さない。


ウンブラ婆ちゃんがそっと片手を上げると、

袖口から骨ばった骸骨の手が

ぬるりと滑り出て、

幽かな光を宿した指で

アビスウズの服の裾を器用につまんだ。


「家出して、

ここまで戻ってこなかったくせにね。

 今日は逃げおおせるなんて

思わないことだよ。」


ウンブラの声は低く、

それでいて有無を言わせぬ威厳に満ちていた。


骸骨の手はアビスウズの裾をそっと引きながら、

指先をひらひらと揺らしている。


「今日は全員ここで話を聞く。

逃げ道なんてないよ。」


そう告げているかのようだった。


アビスウズは裾を振り払おうとしてみるが、

骸骨の手の力加減は絶妙で、

乱暴に引っ張るわけでもなく、

かといって決して振りほどけない。


彼女は観念したように苦笑し、

小さくつぶやいた。


「……べ、別に逃げるつもりじゃなくてさ。

 カシヤを連れ戻しに行こうと思っただけなんだけど……」


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