第105話 沼の主——蛇の魂
デレオは頭を下げて自分の装備をチェックし、軽く二度叩いた。
「うん……今着けている装備はサリクス爺さんからもらったもので、実際、悪くないんだ。」
その時、一陣の微風が大蛇の鱗を巻き上げ、カサカサという音を立てた。
チェラーレは流れに乗って手で落ち葉を払いながら、提案した。
「でも、さっき倒したドラゴンタートルと、この……こいつ、いったい何ていう名前なの?」
皆は顔を見合わせたが、この沼沢地にこんな怪物がいるとは誰も聞いたことがなかった。
「私には、こいつが何者か調べられる方法があるわ。」
シミリスは白い髪をかき上げ、静かに言った。「私が命名のスキルで新しい名前を定義すれば、元々の種族名がわかるはずよ。」
アレカは急き立てた。
「だったら早く試してみろ!」
「わかったわ、今すぐに……」
シミリスは深呼吸し、大蛇の頭部へと歩み寄り、両手を蛇の鱗に重ねて、呪文を唱え始めた。
「生命の伝道師 メンデルよ、この生物の真実を我に示し給え。
夢を掘り霊媒 フロイトよ、我の与える名前を、奴の記憶に刻みつけよ!」
魔法の光が、ゆっくりと流れる霧のように、彼女の指先から蛇の体へと浸透した。
一つの無形の力がシミリスへと跳ね返り、彼女はよろめいて一歩後ろへ退き、危うく地面に座り込みそうになった。
「あっ!どうして?こんなことがあるなんて!」
シミリスは額を揉みながら、驚きに満ちた顔をした。
チェラーレが慌てて駆け寄り、彼女を支えた。「どうしたの?」
シミリスはしばらく気を落ち着かせ、その眼差しは重々しいものに変わった。
「こいつはすでに名前を持っているわ。古く、力に満ちた名前を。」
デレオは思わず拳を握り締め、低い声で尋ねた。
「じゃあ、そいつの名前は……?」
シミリスは顔を上げ、厳かな口調で言った。「そいつはドミヌス・パルーディス——沼の主人よ。」
「こいつが残した素材で装備を作ったら、とんでもないことになりそうだね!」
アペスは思わず、冷たい光を放つ蛇の鱗に手を伸ばして触れた。
「こいつの残した皮だけで、僕たち六人分の全身装備が作れるくらいだ。」
デレオの口調には興奮が満ちていた。
「そうだけど、あなたは今、急いで手を付けちゃだめよ。お腹が空いたわ、家に帰りましょう!」
カシアは自分のお腹を撫で、微かに聞こえる「グゥ」という音を立てた。
「じゃあ、沼の主のことはアレカにお願い……」
シミリスはアレカの肩を軽く叩き、穏やかな口調で言った。
アレカは首を横に振った。
「装備は帰ってから作ればいいが、ドミヌス・パルーディスの魂の封印は、すぐに実行する必要がある。」
デレオは手元の蛇の死体を見つめながら、低い声で言った。
「わかった!今すぐあいつの魂を封印する!」
彼は微かに光を放つ正四面体の心の器を取り出した。
「君がまだアイテム士だった頃に覚えた、最後のスキルを使うのを忘れるなよ。」
アレカは意味深な口調で、両眼で彼をじっと見つめた。
「アイテム独占のことか?」
デレオは顔を上げ、彼と視線を交わした。
「そうだ!そのスキルを使えば、世界に唯一のアイテムを製作できる。例えば、これを使って魂の結晶を作り出すんだ。」
彼は心の容器を指差した。
「よし、じゃあ今から……」
デレオは深呼吸し、両足をわずかに開き、重心をしっかりと地面に落とした。両手を空中に弧を描くように動かし、全ての精神を掌に集中させた。
「アイテム独占……魂の結晶:ドミヌス・パルーディスの魂!」
デレオがスキル名を大声で唱えると、心の器と蛇の死体の額が光り始めた。
空気中には低い唸りが響き渡り、まるで沼地全体がこの神秘的な力に威圧されているかのようだった。
まさにこの瞬間、蛇の死体の表面には、夜の蛍のように夢幻的な光の輪が取り巻き、最終的にその正四面体の中に封印され、静かにデレオの掌に落ちた。
「よし、今夜は本当にみんな十分戦ったね。」
デレオはアレカから戦利品の報告を聞きながら、額の汗を拭った。
「ええ、私は今すぐ家に帰りたいわ。」
カシアは腕を組み、疲れ切った顔を見せた。
「それじゃ、急いで帰ろう!」
デレオは地面に置いた行嚢を持ち上げ、出発の準備をした。
アビスウズは深呼吸し、杖を地面に打ち付け、残りの魔力を振り絞った。
六匹のナイトメアが影の中から地面を割って現れた。
皆が飛び乗ると、草原にはナイトメアの蹄の音が響き渡った。




