第97話 暴れのドラゴンタートル——「ハードバトル」
大泥の波が去り、
一行はようやく足場を固めた。
「あんなに強そうに見えるけど、
動きがこんなに遅いなら、私たち魔法を使わない組だけで片付けちゃいましょう。」
アペスはかなりの自信を見せた。
「確かに、
奴はあらゆる属性防御スキルが非常に強そうだ。
君たち魔法使いが相手にするのには向いていない。」
デレオは深く考えた末、
結論を出した。
「それなら、シミリス、
あなたは魔力を使い切ったばかりなんだから、
ここで休んでなさい。」
チェラーレはシミリスを後ろへ押しやった。
皆が戦術を決め終えた途端、
アレカがドタドタと跳ね戻ってきた。
頬にはまだ泥がいくつか付いている。
「在庫量なんて気にしてられるか!」
彼は悔しそうにキャノンを担ぎ上げ、
その目には負けん気の炎が燃えていた。
砲口は再び赤く光り、
砲弾は流星のように空気を切り裂き、
暴躁のドラゴンタートルの分厚い甲羅に
次々と叩きつけられた。
爆発音が轟音を立て、
足元には太鼓のような振動が伝わり、
大地までもが震動した。
飛び散った泥漿と苔が空中で乱舞し、
まるで雷雨が降ったかのようだった。
この猛烈な砲火を掩護として、
デレオ、チェラーレ、アペスの三人は
ドラゴンタートルに急接近した。
彼らは足首がほとんど埋まってしまうほどの
泥濘を、
苦労しながら跨いで進んだ。
近づいてみて、
初めて彼らはこの巨獣の途方もない大きさを
実感した。
周囲には比較対象となる木や建物が何もないため、
彼ら自身が、
この巨獣と比べると格段に小さく見えた。
「本当に大物ね。」
チェラーレは顔を上げて評価した。
「頭のてっぺんに届くには、
二回ジャンプしないとね。」
デレオはその甲羅と分厚い鱗を注意深く観察した。
「どうすれば奴にダメージを与えられるか、
よく考える必要がある。」
チェラーレはドラゴンタートルの側面を回り込むように動き始めた。
その足取りは機敏で、
泥沼に動きを阻害されているようには見えなかった。
巨亀は防御力が驚異的である一方、
その動作は驚くほど遅かった。
三人がすでにその背後へと
「歩いて」回っているのに、
巨亀の首はようやくゆっくりと回転し、
巨大な双眼で彼らをじっと見据えた。
アレカはパタパタとゆっくり跳ねて
デレオの傍に来た。
「君の顔を見れば、
材料の補給が必要なのがわかるよ。」
「ああ、ちょうど良かった。
鉄と、さっき処理した魚の骨をいくつかくれ。」
デレオは彼の手から材料を受け取り、
迅速にアイテムの製作に取り掛かった。
「アイテム製作:杭。」
デレオは魚の骨を鉄皮で包み、
その構造を強固に固定して、
頑丈な骨の杭を一本作り上げた。
「アイテム製作:破牆槌。」
デレオはさらに骨の柄と金属製の頭部を
組み合わせて、
ずっしりと重い大槌を一本完成させた。
骨の杭と槌を握り締め、
彼は息を潜めて、
ドラゴンタートルの太い前脚に狙いを定め、
渾身の力を込めて打ち下ろした。
ガン!
槌打の音が鋭く響き渡り、
彼の掌は震えて痛み、
腕全体がほとんど痺れた。
しかし、
ドラゴンタートルの鱗は微動だにせず、
少しも傷ついていなかった。
これほどまでに硬いとは。
これでは、
奴が悠然としていられるのも無理はない。
動作は緩慢だが、
一切のダメージを恐れていないのだ。
ドラゴンタートルは誰かが自分を傷つけようとしているのを感じ、
前脚を力強く払った。
デレオは巨亀に、
大量の汚泥と一緒に払いのけられた。
「うおおおお!」
デレオは、
まるで山崩れの土石流に巻き込まれたかのようだった。
「デレオ、しっかり捕まって!」
アペスはデレオが作った沼地用ブーツで
泥の波の上を駆け抜けた。
彼女は泥の中からデレオを掴み出すと、
そのまま勢いをつけて大きく投げ飛ばした。
骨の杭を手に持ったデレオは、
ドラゴンタートルめがけて飛んでいった。
アペスが自分を投げ飛ばしたのを見て、
彼はすぐに彼女の考えを理解した。
空中で、彼は骨の杭を再びドラゴンタートルの脚に
狙いを定めた。
「デレオ、態勢を整えて!体を横に倒して!」
アペスは遠くから大声で叫び、
泥の地面の上で両足をしっかりと固定した。
彼女は数歩助走をつけ、
体を旋回させると、
疾風のように骨の杭目掛けて一蹴した。
『蹴撃』
スキルで強化されたその蹴撃は、
元の数倍の威力を持っていた!
骨の杭は、
その巨大な力と共に根元まで突き刺さり、
ドラゴンタートルの脚に深く打ち込まれた。
ドラゴンタートルは低く唸り声を上げ、
その脚は微かに震え、
ひび割れから微かに鮮血が滲み出た。
「効いたわ!
私にも一本ちょうだい!」
チェラーレは声を張り上げ、
目を輝かせながら骨の杭を要求した。
デレオは素早く作りたての骨の杭を一本彼女に投げ渡し、
彼女は片手で受け取った。
チェラーレの力はアペスには劣るものの、
彼女は蛇のように身軽だった。
彼女は器用にドラゴンタートルの
分厚い甲羅を回り込み、
砲火でひびが入った裂け目のそばへと
敏捷に滑り込んだ。
チェラーレは、
その血が滲む傷口をじっと見つめた。
彼女は深呼吸し、
両手で骨の杭をしっかりと握り、
息を詰めて、裂け目の中で最も脆い場所を狙った。




