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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第三部——召喚塔林

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愚人のパンデモニウム――カシヤと悪夢のピエロ

これは本編とは無関係の物語。


『ノンプロット・クエスト開始』

楽師カシヤは『パンデモニウム』の啓示を受け取った。

 

アポロンは光りながらリラを弾き、

ブラギは筆を手にルーン文字を刻む。

あらゆる吟遊詩人が歌いたくなる場面を見届ける準備を整えて。

 

マモンは少し落ち着かない様子だ。

今回用意された舞台は、

自らのイメージを損なうものだった。

 

地獄の群魔と諸天の神々は、

マモンの招待状を受け取った。


人ならざる者たちがイベントホライゾンの外側に集まり、

流出することのないこの光と影を捉える。

 

『闘争関数入力』

f《楽師カシヤ、悪夢のピエロ》:D《半眠の夢境》=?

 

解を求めよ:

 

 

カシヤはめったに夢を見ない。

 

心配事は多いが、

ストレスを夜まで持ち越すことはほとんどなかった。

 

規則正しい運動、質の高い食事、精密に計画された健康的な生活……。

最近は少しだけ乱れたけれど……ほんの少しだけ。

 

それでも、彼女の精神と身体に混乱が生じるほどではなかった。

だがこの夜、彼女が目を閉じた瞬間、

その規則性は誰かの爪によって削り取られた。

 

彼女は、観客席のない劇場の中央に立っていた。

天井は洞窟のように高く、帳は湿った苔、地板は鏡のように滑らかだ。

 

四辺は真っ暗で、舞台上のポツンと置かれた灯りだけが、

彼女を白く照らし出す。解剖台に載せられたかのように。

 

彼女は使い慣れた楽器を握っていた――一番馴染み深いハーモニカだ。

冷たい金属が掌に触れる。小さな守護札《お守り》のように。

 

「カ、カ、カ。」

 

笑い声が暗闇から漏れ出す。

破れたふいごに空気を吹き込んだような音だ。

 

灯りの向こう側に、あまり滑稽ではない道化師が現れた。

 

彼は腰を曲げ、カシヤに向かって大げさな礼をした。

「……」

 

彼は自分の名前を名乗っているようだが、

夢の中では、はっきりしているはずのものが曖昧になりがちだ。

 

まあいい、夢の中の名前など重要ではない。

彼は鮮やかすぎる服をまとい、

口紅の色は傷口に無理やり喜劇を塗りつけたかのようだった。

 

顔には魔力を秘めた白粉が塗られ、

口角は裂けそうなほど長く引き上げられている。

彼は顔を上げ、彼女にひどい変顔を向けた――

 

次の瞬間、舞台周囲の暗闇が不意に潮のようにうねりだした。

 

カシヤは「カチャリ」という音を聞いた。

嫉妬が捻じ曲げられたような仕掛けが動く音だ。

 

ピエロを見つめているのに、理不尽な錯覚を覚える。

舞台が自分を憎み、灯りが自分を睨み、

空気までもが呼吸を拒絶しているような。

 

「おいで、楽師のお嬢さん。」ピエロが口を歪める。

「聞かせておくれ、君の音楽が僕をも眠らせてくれるのかを。」

 

カシヤは本能的に一歩下がり、鏡面のような床でヒールが短い悲鳴を上げた。


彼女はこの夢が嫌いだ。

ここには見知った顔が一人もいない。

 

彼女は深く息を吸い込み、ハーモニカを唇に当てる。

 

――和諧わかいの楽章。

 

旋律は薄い毛布のように胸の中から広がり、

怒りを破片に、苛立ちを粉末へと変えていく。


音色が劇場を回り、

灯りはソフトフォーカスがかかったように、

暗闇の縁もたじろぎを見せた。

 

ピエロの肩がわずかに止まった。

衝動のスイッチを押さえ込まれたかのようだ。

その瞳にある「君を壊してやりたい」という輝きが、少しだけ陰った。

 

効いている!

カシヤの心にわずかな希望が芽生える。

 

だが次の瞬間、ピエロが唐突に指を鳴らした。

 

一顆の風船が暗闇から浮き上がり、

ゆっくり、ゆっくりと膨らんでいく。


表面には滑稽な笑い顔――

今にも噛みついてきそうな笑い顔が描かれていた。

 

カシヤが反応するより早く、

風船は彼女の傍で弾けた。

 

粘りつくような色とりどりの紙吹雪と、鋭い爆音。

爆音は針のように、彼女の鼓膜へ直接突き刺さった。

 

旋律に穴が開き、和諧の力は一瞬で霧散した。

気密を失ったふいごのように。

 

ピエロは大笑いし、

影の中へ消えるように身をひるがえした。

 

カシヤは一歩踏み出したが、

もう彼の姿はなかった。

 

ユーモアを気取った不快な笑い声が、

四方八方から染み出してくる。


天井、帳、地板の隙間。

劇場全体が、ひっくり返る笑い顔のようだ。

 

風船が現れ、弾け、また現れる。

カシヤの楽曲のテンポが、

故意に乱されていく。

 

ピエロは得意げに笑った。

悪戯に成功した子供のように。

 

 

カシヤはハーモニカを下ろした。

もう相手を追いかけるべきではないのかもしれない。

自分は運動神経が良くない。

だが、これだけは知っている――。

 

音より速く走れる者はいない。

 

相手がデタラメをやるならどうだというのか。

一人のテンポを壊せるなら、

もっと多くの奏者を呼んで演奏すればいい。

 

彼女は顔を上げた。

 

「――スピリッツオーケストラ。」

 

空気が震え、一人の音楽精霊が彼女の背後で輝いた。

二人、三人、四人……。

 

星のような光が暗闇に並ぶ。

弦楽器が自ずと展開し、フルートが浮かび、

ドラムの表面に細かな波紋が広がり、金管楽器が舞台の輪郭を映し出す。

 

音が合流する。

 

ピエロの笑い声が短くなる。

風船は宙で早くに弾け、紙吹雪が降り注ぐ。

 

カシヤはハーモニカを指揮棒代わりに持ち直した。

彼女はそれを振り下ろす。

 

――崩壊の楽章。

 

ドラムの音が大地を叩き、振動が拡散し、空気が再配置される。

舞台の光は安定し、陰影は退いていく。

 

暗闇からピエロが転がり出た。

彼は再び隠れようとするが、

影はすでに音の波に満たされていた。

 

二度目、指揮用のハーモニカを振り下ろす。

 

さらに多くの楽器が加わる。

旋律が重なり、低音が敷き詰められ、金管が高鳴る。

音は層を成して突き進む。

 

風船は崩壊し、爆音は飲み込まれた。

ピエロの足取りは狂い、笑みは震え、

顔の惨白さんぱくな絵の具が剥がれ落ちる。

 

彼は口を開いたが、和声に掻き消された。

音の波が広がり、劇場の境界がぼやける。

ピエロの輪郭は、深海に落ちたインクのように次第に散っていった。

 

カシヤは最後に一度、ハーモニカを掲げた。

 

全ての楽器が最高潮で収束し、

音場は静止し、劇場は再び無音へと帰した。

 

ピエロは消えた。解放されたような微笑みを浮かべて。

 

「呼、これでようやく邪魔されずに眠れるかしら?」

カシヤの顔には疲労の色があった。

 

 

スポットライトは騒がしい魔殿の上へと戻る。

 

太陽神の指が軽く弾かれ、リラの一本の弦が小さく震えた。

詩神の刻筆はルーン文字の最後の一画を書き終える。

 

マモンは今回、多くを語らなかった。

少女の夢を覗き見するなど、

紳士の振る舞いとしては欠けるものがあったから。


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