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第2話 選択は成った

イグニスのコアが、アキラの言葉に呼応するように脈動した。

「乗れ、っていうんだな、イグニス」


アキラが呟くと、機体はまるで頷くように光を強めた。


一方、レイはアークの前に立ち、深く息を吸う。


「アーク、頼めるか」


返事はない。

だが、アークの外装に走る青いラインが、静かに、確かに“了解”を示していた。


「なら・・・行くか」


「ああ」


2人は迷いなく、それぞれの機体へと乗り込む。

ハッチが閉まる音が、地下空洞の奥まで響いた。


その瞬間ーーー


「選択は成った、かな?」


いつの間にか、トリックスターがそこにいた。

岩に腰掛け、片手には湯気の立つコーヒーカップ。

まるで“観客席の特等席”に座っているかのような余裕。


彼は、アキラとレイの乗り込む機体を眺めながら、本当に楽しそうに笑っていた。


「さて・・・・・・ここからが面白いところ、だよ」


その声は、空洞の壁に反響し、

まるで‘誰か別の存在’にも届いているかのようだった。


臨界点の向こう側


「計測値、異常値を観測し続けています!!

このままでは、計測器が壊れます!!」


研究員の声は、ほとんど悲鳴に近かった。

モニターには赤い警告が連続で点滅し、数値は常識の範囲を軽々と飛び越えていく。


「なんとか調整しろ!!」


主任が怒鳴る。

怒鳴りながらも、彼の手は震えていた。

‘これはただの異常じゃない’と、誰よりも理解してしまっているからだ。


「無理です!!

入力値が・・・・・・そもそも‘計測できる範囲’を超えてます!!」


研究員の声が裏返る。

主任は歯噛みしながら、モニターに映る波形を睨みつけた。


ーーー


一方、オルタ・フレーム機関。


こちらは多少余裕があるーーーように見えるだけだった。

彼らのモニターにも、同じ異常値が走っている。


「・・・・・・認めたくはないが、

‘調律者‘がここにいれば‘楽ができた‘と思ってしまうな」


白衣の男が、苦笑とも皮肉とのつかない表情で呟く。


調律者ーー

かつて彼らと肩を習えていた存在。

今は別の戦場で戦っている、もう戻らないはずの人物。


「今ここにいない者を考えても仕方ないか」


彼は椅子に深く座り直し、指を組む。


「まあ、‘我々のやり方で対処させてもらうがな’」


その笑みは獰猛だった。

だが同時に、どこか懐かしい。

‘かつての同僚’と似た雰囲気を宿しているようにも見えた。


まるでーーー

彼らの中にもまだ‘残っている’ものがあるかのように。

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