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ソレだけで終わらぬというのがお約束

おはようございます。

KURAです。

若干間空きましたが私は元気です。

「……呆気ないなぁ」


「いうなよ。お前らに、ましてや俺が居るんだぜ?」


時は一気に飛び、夜中。月が博物館を冷たく照らす夜。

博物館の地下に彼らはいる。

彼らの目の前に侵入者は捕らえられていた。

数は六人。鎖鬼の普通の人間には切ることのできない糸で巻かれ拘束されている。

うめき声しかあげないその姿から何らかのダメージをうけ、言葉すらも発することのできない状況という事がわかるだろう。


「おかしい」


「どうしたのさ鴉」


「コイツ違う所」


そうコイツは別件だという鴉の言葉に三人が頭を傾ける。

鴉は己が調べたデータが間違っていること筈は無いと

そして銀が口を開いた。


「もしかして俺が恨み買ったとこか?」


「お前そんな買ってんの?」


「まぁ、こんな風に用心棒みたいになったり自発的にボコったりするし」


「あんまりやり過ぎると駄目だよ? 面倒臭いことになるから」


それからもっと恨みを買ってそうな脳裏や鎖鬼が恨みを買わない為にしていることや、対処なんかを話した。

それはまるで世間話をするような雰囲気だ。

銀城も参考になったのかなっていないのかはわからないが頷いて聞いていた。

その中いきなり鎖鬼が声を上げた。


「あ? なんか追加来たぞ」


「見えた、北から」


「時間は?」


「五分もありゃ着くんじゃねぇか?」


「んじゃパパッと処理してから追いかけるから先行っといて」


脳裏は懐から六本の金属製の筒を取り出して不敵に笑う。

銀城がピクリと眉を動かして不快な顔をするが、それも次の瞬間にはかき消え、地下から出て行った。

それに鴉や鎖鬼は続いて部屋から出て行った。

顔を顰めた銀城と変わって二人は眉一つ動かさず冷たく一瞥すると出て行った。


「んじゃ、死のうか」


金属製の筒の表面にあるボタンを押すと先に針が飛び出た。

その飛び出た針を六人の侵入者達の首へと向けた。

ゆっくりと首元へ手を近づける。

そして刺さる。

針を無造作に刺されたのだからその痛みに苦しみの声をあげる。

だが、彼らはそんな事を気にしてられない状態へと至る。

言葉にならないその声は声にすらならない風の音へと変化した。


「……!」


「機能してるね。んじゃね〜」


彼らはもはや声を出す事は出来ない。

彼らはもはや息を吸う事は出来ない。

詳しくは出来てはいるのだが、呼吸は出来ていない。

空気を吸う事は出来ることから肺は機能しているのだが決して呼吸という行為は彼らには許されない。


彼らの注入された液体には赤血球の働きを破壊する効果があったのだ。

一酸化炭素は酸素よりも赤血球と強く結びつき、呼吸が出来なくなると言うのだが、コレは赤血球自体が何も出来なくなるのだ。

彼らは空気というものを肺へと入れる事は出来るが、肺がいくら頑張ろうとも血は酸素を受け入れる事は無くなった。


世にも奇妙な水すらも、縄すらも無い窒息遺体が簡単に出来上がる。

彼らは苦悶の表情で首を掻きむしったり、一生懸命に肺を膨らませるが全ては無駄である。

何の意味もない。無駄な抵抗である。

すぐ側にいて手が届くはずの最愛の友人はもはや振り向く事は無くなった。


まさに巣穴に液体を注ぎ込まれた蟻のようにもがき苦しむことしか出来ないのだ。

それは泳ぐ事の許さない毒を注ぎ込まれたように哀れに抵抗できずに死んでいくしかない。






「ああいうの嫌いだろお前」


「まぁな。だが別に正すほどじゃない。悪党なら覚悟するべき最期だろ。自業自得って事だ」


「……随分と凡人みたいな事を言うな?」


「そりゃそうだ。俺は英雄()ほど善くねぇからな。……つーかアレ正すくらいの正義漢ならまずお前とっ捕まえとるわ」


「違いないな」


そうこんな会話をしているが方や正義を志すもの、方や大悪党なのだ。

黙って聞いている鴉も悪党なのだから正義を志す者ならば普通は戦うなり説教するなり何かしらの事をするべきなのだ。

だが銀城はそうする事はない。そうしたことの成果は少ないし、リスクというものを知っているのだ。

だからこそ彼は金にはなれない銀なのだ。


「お前、よく悪でいられるな」


「馬鹿言え。ハナから悪とか正義なんざ俺が拘るかよ。俺がしたい事をしてるだけだ。結果的に悪になるだけだ」


「クソ野郎じゃねぇか」


「なんだよ。文句あんのか」


「あるわ。こちとら一応正義の味方やぞ」


そんな事を話しながら北へと移動していると、近くの部屋から声が聞こえていることに二人は気づいた。

鴉は最初からその部屋を見ていたので、監視カメラか何かでわかっていたのだろう。鴉は軽く頷いて確認するような二人の視線に肯定で返す。


「さて、仕事しますかね」


「七人。銃持ってる」


「オッケー。鴉」


銀城がそう言いながらドアを蹴破った。

そして七人の侵入者が音へと反応し、銃を蹴破った銀城へと負けようとした時にはもう彼は居なかった。

踏み込んだ足はとっくの昔に蹴り終わっている。

片足は一人の男の顔面へ、片手は他の男の顔面へと突き出し人差し指と薬指が眼球へと男を暗闇の世界へ誘わんと向かっていた。

もう片方の手はもう一人の男の銃へと伸ばされており、この手は銃口を上げる事を許さない。

この動きを高速でするため侵入者は呆けて銀城の背中を見るしかない。


「曲芸師かバーサーカーだろお前」


そう言う鎖鬼の振るった腕の先にいた三人の男の頭が重力に従うように首に入った斜めの線を滑り落ちた。

そうあるのが正しいオモチャのような光景だがコレは確実に繋がっていたものであり彼ら自身の命を繋ぎ止めていた大切なモノだ。

それをいともたやすくしかも談笑しながら鎖鬼は斬ったのだ。


「全員やれよ」


袖から飛び出た銃を両手に握り、彼ら二人の残した二人の侵入者の命を刈り取った。

狙いはきっちり頭、しかも額真ん中に収まっていた。

狙われた二人はそのまま頭蓋を破裂させ脳髄を撒き散らしながら自らの体を重力へ任せるままにした。


そう戦闘が終わった後に扉からひょっこりと脳裏が顔を出した。

終わっていることを予想していたのかその顔に驚きはない。


「掃除大変そうだね〜」


「一番現場綺麗にやれる奴が終わった後に来てんじゃねぇぞ」


「仕方ないじゃーん。走りたくないし」


「テメェの頭をそこの脳髄溜まりに突っ込んでやろうか」


「うへー、御免だよ。まぁ、掃除するのは僕らじゃないしいいじゃない」


「そうだけどなぁ」


そんな会話を二人がしている間銀城は己が捕らえた二人の侵入者の四肢の骨を粉々に砕いていた。

コレは楽だからとよく銀城がしている手である。

事務作業をする様に彼は黙々とこなしている。


「うへー、いっそ殺したほうが楽じゃないの? ソレ」


「別に俺はコイツらの為にやってる訳じゃないしなぁ。別に更生しようとしなかろうと俺に関係ないし」


「根っからの正義野郎め。感情って辞書で引いてきなよ」


「正義に感情も何もあるかよ。あるのは正義って言う事実だろ?」


「駄目だコイツ話通じないわ」


その血の匂いしかしないような部屋を後にし、待機部屋へと戻ると彼らは談笑し始める。

どうでもいい話や、中々身になるアドバイス等だ。

そしてそんな緩い時間は唐突に終わりを告げた。


「……本命」


「やっと来たか。コレこいつら終わってもまだ他の来るんなら割に合わないなぁ」


「受けた仕事だ諦めろ」


「正義君のくせに生意気な」

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