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狂いだす時刻表

おはようございます。

そしてお久しぶりです。

KURAです。


間……あきましたね……。

「おいおい、いつからこの世界は平面になりやがったよ?」







ある日、三人はよくある目出し帽を被り、車に乗っていた。

塗装された道路を走っており、揺れは少ない。

車の中であるためか、まさに目出し帽のせいで泥棒といった姿をしているが周りが騒いでいる様子はない。


「僕は車。五分ね」


鴉がそう呟き、二人は頷く。

事前の計画は無く、だがこの少ない打ち合わせだけで成功すると三人は知っている。

鴉が運転席に座り、二人は後ろに座っている。

二人は周りを見渡し、歩道を歩いている人数を確認し、目の前にある銀行へと目を向けた。


「警察は?」


「やった」


鴉が返す。警察への回線は鴉の機械によって無効化されていた。

当然とばかりに彼はいっている。そしてそれを聞いた二人も何の驚きもなく流した。


「誰がとるよ」


「僕がやる。試したいのがあるんだ」


視線を銀行から逸らさずに脳裏は返した。脳裏の服からガラスが擦れる音がした。

新しいのを試すという言葉に普通ならば自らの命がかかった場面でなんて事をと思うだろうが、二人は脳裏の腕を知っている。

不安はなかった。


「んじゃ制圧は俺がやる。さっさと帰んぞ」


「置いていこうか?」


「最近僕ガス開発したんだよね」


お前が持ち込んだんだろうがなんて言いたげな目を二人は鎖鬼に向けるが当の本人はなんのその。

車から出て、試験終わりの学生のように体を伸ばしている。

目出し帽を被っている鎖鬼は当然周りの視線を集めているが、そのあまりにも堂々とした態度によりただの変人とみなされ、今のところは電話しているような人は見当たらない。

微塵も後ろめたいことを抱えてないかのような振る舞っている。


「失敗、しないでね」


「……それってお得意の独り言?」


鴉の言葉をニヤリとしながらそう返した脳裏は軽快な動きで車から降りて行った。


「む」


むすっとした顔を数秒した鴉であったがすぐ無表情に戻り、車を出した。

小柄なゆえよく勘違いされ警察に止められる鴉であったが、今回はさすがに対策をしている。

窓ガラスに何が細工をしているようだ。

鴉がチラリと助手席側を見る。そこには一秒一秒をしっかりと刻んでいるタイマーがあった。




「自分が死なないと思ってるなら動いてみな。答えをくれてやる」


入ってすぐさま近くにいた人間の脳天に一発銃弾を撃ち込み、そう鎖鬼は言った。

特に大きくもない声だったが良く響き、中にいる人間を震え上がらせた。

鎖鬼の躊躇の無さと、死という生物の持つ逃れられない恐怖を目の前に叩きつけられた銀行内部にいた職員と客は完全に見えない鎖によって縛り付けられた。


「呼んでもいいぜ? その自己犠牲が無事実るといいな」


限りなく数は少ないけれども、勇気を振り絞り警察を呼ぼうとした職員は鎖鬼に睨み付けられた。

勿論この職員の自己犠牲は実らないし、意味もないので放っておいてもいいのではあるが、人間というものは一人動くと次のハードルが限りなく低くなるということを鎖鬼は知っていたのでその無駄な行動さえも押さえつけた。

彼は有象無象の人心掌握は慣れている。

長閑な銀行を鎖鬼という悪党のフィールドへと塗り上げた。



その中仕事終わりのサラリーマンのように早めに歩く男が一人。

大きな空の鞄を持った脳裏だ。


彼はまるで自分の家のように金庫まで一直線に固まり、震え、縮こまっている人たちの間を抜けて歩いていく。

そして金庫の扉の前に来たとき、懐から二つの瓶を取り出した。

大きさは手のひら2つ分。

取り出した二つの瓶を見て脳裏はニヤリと笑う。


「実験開始といこうか」


そう呟くと一つの瓶を傾け、もう片方へと注ぎ込むと混ざり切る前に瓶の中身を扉へと振りかけた。

混ざり合いながら金庫へと衝突した二つの液体は流れ落ちることなく、重力と勢いに従うように金庫の扉に沈み込んだ。


単刀直入に言ってしまうのならば溶解だ。

金庫の扉が溶解されてしまった。

その強力さたるや見るも無惨で、彼が二つの液体で保存していた理由を指し示していた。


夏場のチョコレートのようになってしまった金庫の扉を見て、脳裏は満足そうに何度も頷く。

満足しているようだ。だが、この光景を見て恐怖を覚えずに感じるのが満足感というところに狂気を感じさせる。


「強力なものは持ち運びが難しかったんだけどこうすると便利だし、威力も申し分ない。うん、いいね!」


ニッコリと笑うと手に持っていた瓶を投げ捨て、中へ入って行った。

勿論ガスマスクを付けて。

流石に有害な気体が発生しているのだろう。




脳裏は充分に鞄へとお金を入れるとその鞄を見てため息をつく。


「重いんだよね……コレ」


そう、お金といっても物質であるし、重たい。

紙といえど大金であるため何枚ものお金が鞄の重量を上乗せさせる。

それは脳裏にため息をつかせるほどの破壊力だ。


嫌々ながらも鞄を持ち、今度はゆっくりと元の道を戻って行った。



「こっち仕事終わったよ」


「おう。おまえらのその勇気ある選択によって助かったぜ。ありがとな」


その鎖鬼の言葉は本心であり、なんの深い意味も持たない。

動かない、否動かなかった人たちに鎖鬼は笑いかけた。


脳裏がチラリと銀行の時計を見る。

鴉の到着時間までの時間を確認するためだ。

確認するとあと15秒程で来ることがわかった。


「鎖鬼、時間ない。いくよ」


「おう!」


二人が時間に追われ、銀行から出る。

そして最初に見たのはすごく見覚えのある車が映画のように転がっていく姿だった。


「んー、アレ死んだか?」


「アレで死ぬならもう骨どころか土じゃない?」


「そりゃそっか」


二人がそれはそうと何故あんな風になったんだろうと疑問を感じ、周りを見渡そうとしたときである。

その感じる真面目さから耳を疑いたくなる声が聞こえたのは。


「この世に蔓延る闇を照らす白き光! 我が名はシルバーマン!」

コレ書いてて、書き終わった時に保存しようとしたら自分のミスで保存できなくて、文章飛んで四百文字くらいまでに戻されたのはさすがにもう明日でいっかなとか思いましたね。

さすがに展開忘れそうだと思ったんで一気に書き上げたんですけど。

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