屍の山の上でティーパーティー
おはようございます。
KURAでございます。
夜中に創作意欲が湧いたのでそのまま更新です。
「……で? なんでお前らはわざわざウチの事務所まで来てそれを話したんだ?」
涙頭は茶を啜ると笑って言う。
「いやぁ、多分コレ根強く関わっていくことになるだろうからねー」
「……だろうな。めんどうそうだ。んで、やれたのか?」
三人は職業上なんとなく関わりと言うものへは勘が鋭い為、千変万化、もしくはソレに関わる何者かと関わる事になるだろうということに気づいていた。
少なくとも一回、涙頭の予想では長く。
「さぁね。僕は確認していないや。彼みたいにまさに物語の主人公みたいな幸運の持ち主は生きてるんじゃないかな」
「あー、ご都合主義ってやつか? 今どきそんな主人公あんまりみねぇけどな。次に流行るならそれだろうが」
「違いない」
黙って菓子を貪っていた零はいきなり口を開く。
片手間に何かしらの機械を弄っている。
「多分、生きてる。何か移動した痕跡がある」
「んー、なぁそれ人間?」
「人間じゃなくても生物なら死ぬはずなんだけどねー」
「まさに主人公。でも、やれないわけじゃない」
零がそう言う。その顔は笑っている。
それを見ている他二人も、同様に。
「楽しみだなぁ」
「舐めたら死ぬけどね。実際死にかけた」
ふと、涙頭が周りを見渡して何かを気づいた様に言う。
「あれ、助手ちゃんは?」
「バカ、テメェ等バカが来るのに居らせるわけねぇだろ。帰らせたよ」
「あぁ、そういえば君言ってないんだったね」
確かに辛徒は甘城には裏の、というより辛徒の本業の方を知らせていない。
涙頭はシーは知っているし、零はそもそも周りに誰もいない。
「あたりめぇだろ。カタギだぞアイツ」
「なら雇うなよ」
「違いない。辛徒も変な奴だよね〜。こんな儲からない事してるし」
「うるさい。儲からないとか言うなら俺等のルールもそうだろ。下手すりゃタダ働きだぞ」
「まね。それでも君は変人だよ」
二人から言われて流石の辛徒もたじろぎながらも言い返す。
そして涙頭の変人発言に零はうなずく。
辛徒は頭をガシガシとかきながら話を変える様にいきなり話し出す。
「そういえば、手伝ってもらいたい依頼があるんだが」
「……? 珍しいね。辛徒が言うなんて」
「ちょっとな。流石に人が足らなくて」
顰めた顔で辛徒は言う。
彼の頭には面倒臭い依頼を持ち込まれた時の事が思い返されていた。
「は? 銀行強盗?」
「あぁ、金が欲しいわけじゃない。銀行の金を減らしたいだけさ」
そう言う男に辛徒は数秒考える。
「なに、難しい話じゃない。ちょっと操作をしたいだけさ」
「また大掛かりだな。その金で博打でもしたほうがプラスつくんじゃねぇか?」
「はは、今金が欲しいわけじゃない。実績が欲しいんだ。成功した、というな」
そう言っていた男は嘘に見えないようで、素直な人のようでまさに詐欺師だった。
辛徒の会ってきた詐欺師は二パターンいて、まさに胡散臭い者と、正直者に見える物。
今回は後者だった。後者の場合はある程度見極める力も持ち、さらに金も持っていることから詐欺師でも依頼を受けるようにしている。
だが、今回は依頼が面倒であった。
「銀行強盗ぉ? 飼い犬にでも手伝わせろよ」
「それがなぁ、今近くにいるやつそんないないんだよ」
「大半が飛び回ってるからね……。でも君が言えば来るんじゃないの?」
「コイツがするわけない。あとどうせ分け前の事でしょ」
「あーね。変に律儀だもんね。呼んだら分け前減るもんね」
「うーるせぇ。毎回毎回俺の心理を読みやがって」
「しょうがないでしょ、長い付き合いなんだから」
二人に自分の考えた事をほぼ読まれ、それはもう深い深いため息をつく辛徒。
彼らは相当長い付き合いであり、大体の人となりは理解している。
それは、彼らは己が殺さない相手を聞かれたときは他の二人を挙げるほど、である。
火薬と鉛を使ったじゃれあいもコレではコイツは殺せない、という思いのもと行われている。
もちろん感情では死なせるつもりで行っている。大事なのはその死なないという思考により理性が働かないということだ。
ちなみにソレで死んだとしても失望しか心には浮かばないだろうが。
「僕はやっても良いよ。最近暇だし」
「お、ありがとな。何か嫌な予感がしてな。一人ではやりたくなかったんだわ」
「僕はやらないとは言ってないぜ?」
「なら最初からそう言えタコ」
「君の方がハゲそうだよね。辛い物食べてるし」
「関係ねぇだろソレは!」
あまりの物言いに辛徒も声が大きくなる。
涙頭はそれをみて、愉快そうに笑っている。
零はまたバカやってる、等と呆れながらも菓子を食べている。
死者九千八百六十二万五百三十三人。
内、遺体残存者ゼロ。
生存者
「またもや男は持ち前の運により奇跡的に生き残ったのであった。かっこ、運が良いねぇ、かっこ。そう男は呟いて闇へと消えてった。ニッヒヒ」




