嵐の昼に薔薇の香りを添えて
こんばんは~。
KURAです。
ちょい短めです。まぁあんまり変わらないと思います~。
雨水は舞い踊り水溜まりは空へと再度踊り帰る。
そんな嵐のなかある山のなかに潜む男二人組。
一人の男が持っているのは銃社会ではない日本には似合わない無骨で何処かメタリックなかっこよさを感じるスナイパーライフル。
もう一人はスコープを覗きながら風速や、距離などの計算をしていた。所謂スポッターだ。
「……ターゲットの男は何処で事件を起こすって?」
「あそこのビルの屋上に来るらしいです。書類を見ると人質をとって屋上まで逃げてくるとの事」
「……人質までいるの……? ……はぁ、久々だなぁ。ここまでの精密射撃は」
「いつぶりでしたっけ」
「五年。大丈夫、ちゃんと昨日整えてきたから」
「いえ、もとより疑っておりません」
「ハハ、ちょっと信用が痛いなぁ……」
ちょっと芽生えている猜疑心に信頼が突き刺さっている脳裏は苦笑い。
疑いの心など無いとばかりにこちらをちらりとも脇見しない彼は本当に信じているのだろうか。
さて、もうそろそろらしいし。僕も見なくちゃ。
そうスコープを覗きみる脳裏の視界に四十代くらいの男だろうか、その男が十代後半……いや、中盤くらいの女性のこめかみにハンドガンを突きつけながら屋上飛び入るのが入った。
「アレだと思う? シー」
「そうかと。写真も貰いましたが、あの男で間違いありません」
「オッケー。風、教えて」
「東南の32です。距離は……2052メートル辺りでしょうか」
「うん。撃てる。あとは狙いを定めるだけなんだけど……警察いない? あそこ」
「いますね。どうしましょうか」
「撃ってすぐ退散しようか」
「了解しました」
脳裏の目が煌めく。比喩ではなく、雷だ。だが雷は脳裏味方したようだ。射撃音が雷にかきけされ、ターゲットのこめかみを雷音と共に貫いた。
「……あ。いった。さーて、退散するよっシー!」
「はっ、了解致しました」
気づかなかった。厄介な事に巻き込まれる前に退散するために。
一人の警官がコチラを見て、嗤っていることに。
ある男が傘を指して歩いている。
何か用事があるように急いでいるわけでもなければ、老人のように、詩人のように雨を、湿気を楽しんでいる雰囲気もない。
彼、鎖鬼は仕事を受けてもいないのに、何故外に出たのか。しかもこんな嵐のなか。
理由は
「こりゃーもっと強くなるな。最近続いてんなぁ」
――――――予感がしたから。しかも面白そうな。
普通なら下らない。こんな雨の中何で行ったら面白いんだ。
と、なるはず、だった。
普通の大人、ならば。
そうご存知の通り彼は普通ではない。
なので出ていった。そんな彼は異常?
not。彼からすると面白そうなのに外に出ない君達、傍観者、第三者、社会色々な呼び方のある普通の人々のほうが異常なのである。
どちらも異常でどちらも普通。
奇妙でもあるが、この世界の心理なのかもしれない。
……っと話がそれた。
彼はあるデパートに向かっていたのだが、丁度着いた。
さすがに、雨で人は少ない……かに思われたが。
いない。零。
鎖鬼がおや? 休みだったか? と勘違いしそうになるほどだ。
辺りを見回して、確認すると中へ入り、屋上へと階段を上っていく。
何故か、ここが目的地だったからだ。
いくら雨の日と言えど、まだ歩ける。人はいるはずである。
何故人っこ一人いないのか。
答えは小学生でもわかる。
「おらぁ! 近寄るなぁ! 死ぬぞぉ!? この女がなぁ!?」
「くっ……!」
男一人、女一人、そしてそれを遠くからみている警察四人。
つまり、人質を取った男が立てこもっているため、客は一人残らず避難した、である。
難しい? 御冗談を。小学生がニュースを見れば即答出来る問題である。
まぁ、よくあるといってはなんだが、ありふれた事件である。
何故鎖鬼は興味を惹かれたのか。
「よう、何してんの?」
「あっはー、依頼の後処理のために忍び込んでたら駆り出されてねぇ」
「馬鹿だろ。金払えば上がやってくれたろ」
「えー? そんなことのためにお金使いたくないし」
「そんなことのためにこんなことなってんだろ。つか、お前あの程度男の頭だけぶち抜けるだろ」
「目立つじゃん。だから僕としてもあんまり動けないってわけさ」
「なるほど」
そう、脳裏が警察官の中に紛れ込んでいたからである。
だから面白そうだと考えたここまで来たのであった。
「……そうだな。俺に良い考えがある。~~~~」
「なるほど……。イイね。それにしようか」
「じゃ~俺は下準備してくるよ」
そうして脳裏と鎖鬼は別れ、ある行動を行っていった。
……ふと耳を澄ませると、近くにある山の湧水が滝のように流れ音となっていて風流であった。
地鳴りを除けば。
今回ちょっとややこし~く書いてるんでどうぞ混乱してください。
作者のもくろみ通りですから。
それでは皆さん
ラナヨサ!




