エピローグ 日常にまた戻る
こんばんは!
KURAです。
寝たいです。
時はあの事件から数日後。
場所は探偵事務所辛党。
男は袋一杯の粉を机に並べニンマリとした表情を浮かべ座っていた。
「こんにちはー……って辛徒さんまた香辛料買ったんですか?」
「おう、良いだろ? この机一杯の香辛料。涎が出そうだ」
「……まーた、こんなに買って……。なら私の給料上げてくださいよ。デザート食べるんで」
「はぁ……甘い物は美味しいけどよ。お前は以上だ。太るぞ?」
「うっさい! はげ!」
「はげてねーよ!」
入って来たのは甘城。
甘城は甘党で給料の半分はデザートになって消えているだろう。
辛徒も甘いものは美味しいと思うのだが……さすがにそこまで食べる甘城は理解出来ないようだ。
「私的にはお金を貰えれば良いんですけど、何処から出てるんですか? このお金は。香辛料って結構高いでしょう? 知りませんけど」
「……秘密だ、な。別に答えても良いんだが……利が無い」
惚けたような顔をして香辛料をバックに詰めていく、まぁ誤魔化せないが。
「はぁ、人身売買でもやってるんですか? どうせ非合法なんでしょ?」
「まぁな。ばらすなよ?」
「はいはい」
あくまで従業員との会話。
ただそれは彼等にとって日常だった。
「あ、そういえばこの後来客の予定だった! ……あー甘城いんの……ヤバイか?」
「へ? どうし……ま……?」
扉が開かれ男が入ってきた。
そして事務所はニュース番組の画面のようだった。
何故か、男が某国の総理大臣だからだ。
真剣な顔をし、椅子に座っている。
「……ホント、何してるんですか辛徒さん……」
「はっはっは……《ようプレジデント。用件は?》」
「《依頼を頼みたい》」
「《オーケー、金次第で承るよ》」
ちなみに二人は男の自国語で喋っているため甘城にはわからない。
しばらくすると男は立ち上がり辛徒も立ち上がり握手を交わす。
そしてハグ。ニコリと笑い颯爽と去っていった。
「ふー、仕事かぁ~。最近多いなぁ」
「私も見に行って良いですか?」
「…………死ぬぞ?」
「はい!? どういう仕事ですか!?」
「下手すると俺が殺さなきゃいけねーし。世の中さ、知らなきゃ良かったと思う事だってあるわけよ。な?」
聞き分けの無い子供を諭すように話す辛徒はやはりどこか怪しい……。
「はぁ……私だって死にたくないので諦めます。その代わり! いつか聞かせてくださいね?」
「……わーったよ。いつかな」
「はい」
「じゃいってくる」
「いっらっしゃい」
ドアを閉めて外側のドアに寄っ掛かりながらつぶやいた。
「……いつか……ね。人殺しの俺鎖鬼は殺すだろうな。あいつを」
探偵の辛徒と人殺しの鎖鬼。
同一人物同一人格だが、行動は違う。
日常も違う。
「さーて、そんなことも考えてるのめんどいし、パパっと密告者殺しに行くかぁ!」
そんな二つの日常。
場所は喫茶店brainに移り変わる。
「暇だねぇ」
「だねー」
そんな言葉が店員から出るくらい客足は遠かった。
「こら、お客さんがいないからって弛みすぎだよ?」
「だってーてんちょーやることないですしー」
「シーを見てごらん?」
「……シーさん何処ですか?」
「何処って、あそこだよ」
「え!? あそこで這いつくばって床掃除してるのシーさんですか!?」
「そうだよ。何か暇だから掃除するってさ。掃除はしなくてもいいけどここは一応職場だからね。弛みすぎ。髪型直してきなよ」
「え!? ……あ。いってきまーす」
「いってらっしゃい。ったく壁に寄りかかってちゃ変な型がついてるのに気づかないかなぁ? って、シー! 掃除もほとほどにね!」
「わかりました!」
それにしても暇だなぁと呟く涙頭をよそに扉の鈴が鳴った。
客だ。 だが客じゃない。
裏の客だ。
「いら……しゃい。明日ね」
「おう。よろしく頼む」
「あいつが頼むなんて珍しいな。嫌な予感がする。シー準備しといて!」
「前と同じで?」
「うん」
「御意」
そしてまたガランとした店内が寂しくなる。
そんな日常。
場所はまた移りある館。
「はぁ、ゲームも難しいなあ。チームワークが二人みたいに上手くいかないや。ん? 依頼?」
突然振り替えるとメガネをかけてキョロキョロとしだした。
「……まさかね。二回連続カラスメに裏切られるなんて……クソかな!?」
ピーと警告音が鳴りまた館は爆発した。
「……あー良かった。機械を通してゲームしてて」
ゲームの為に揃えた機材は館に揃っていることがある。
またはデータ。
そのために館に行くことがあるのだが……この移動がめんどくさいらしく、機械をVRの様にし、遠隔操作しているのだ。
「もしもここだったらお陀仏だったね。二回目は……キツイよぉ……。機材が……データが……」
項垂れる零は殺気を体に纏わせる。
「殺す……カラスメとぉ……僕の館に仕掛けた奴もぉ……絶対にぃ……」
零はいつも使う兵器……ではなく危ないから普段使わない兵器を装備すると出ていってしまった。
そして世話役が苦労するという日常。
常人では日常とは言えないけれど零にとっては日常。
彼の別荘はよく見つかる。
本当の家は見つからずに別荘はよく爆破されるのだ。
そんな彼等の日常。
ほんの数日前までは死にかけていたのにすぐコレに戻る。
または裏切りや、あの命がけの戦闘でさえも彼等にとって日常なのかもしれない。
おやすみなさい




