64話~「うふふ・・・捕まえてごらんなさ~い♪」~
テストが終わったため帰ってきました。一番手の数学返却は中々幸先良い出だしでした。
そしてにじふぁんが大変なことになっていますね。
二次創作で好きな作品はたくさんあったんですが・・・
この小説が終わったらリリなのでも書こうかなとか思ってたので少し残念でした。
それでは、いつも通りのgdgd文、始まります。
「…はい。これで終わり。後は私の前に2度と顔を出さないで、私に対して陰湿なこともしないっていうのならもう逝っていいよ」
「あの……何か意味合いが違う気がしたんですが」
「誰が声を出していいって言った?」
「―――っ!!」
彼の元の気質なのだろうか、秋風さんのお仕置き中に幾度となくその暴虐な行為にツッコミを入れ、そしてその度に致命傷にならないレベルでの制裁が加えられている。一例を挙げると、二の腕を色が青くなるまで抓り続けるというように、自身がされているのを想像すると幻痛がやってくる程度にはえげつない。
だから今回もどんなえげつない制裁が待っているのだろう、とか考えていると思われる青ざめて震えているスコット君を見て、ほんのちょっとだけ同情した。まあ、秋風さんの様子を見る限り今回は制裁をする気は無いように見えるけどね。
「…まあ、もうお仕置きは終わった後だから制裁は無しにしてあげる。あ、声は出さないでよ? 変態がうつるから。だから私の前から早くいなくなれ」
…多分スコット君は「サー!イェッサー!」とか内心で思っているんだろうな。だってどっか行けって命令された瞬間にいつのまにか正座の状態から軍隊顔負けの直立振りになっていて、そこからびしりと敬礼をきめたんだから。…今「あなたの主は誰ですか?」ってスコット君に聞いたらきっと「私の主は秋風教官であります!」とか震えながら答えそうな気がする。まあ、敬礼されている本人は少し青筋が見えているあたり、あまり気に入っている様子じゃないと思うけどね。
そして、ふらふらとよろめきながらも走り去っていくスコット君をメリッサさんは少し呆然としながら見送り、少ししてはっとした表情になった。
「リ、リサ」
「何? メリッサ」
「これからはどうするつもりなんだ? リサがお仕置きをしている間に外はもう夕方から夜になってしまっているが……」
「んー…そうだね。うん。私も宿題をキリがいいところまでやって帰るから少しだけ靴箱の所で待っててくれる?」
「ああ。分かった」
……んー。俺ってもう闇空間から出てもいいかな? もうストーカーが出る気配は無いし、秋風さんも帰るからそろそろ出たほうが良いよなー。
そう思いながら、闇空間から出ようと身を乗り出したその時、鞄に教材を詰め込む作業に少し集中しており、無防備な秋風さんの背中へと何かが凄まじいスピードで音も無く近寄り、そして秋風さんに何をしているのか立ち位置的に全く分からないが、少なくとも急に今現在秋風さんに気づかれずに襲いかかった何者かが、自らの口を開いて秋風さんの顔に近付かせるような行為をしたのは分かっている。…そして俺よりは確実にレベルが圧倒的に高いってこともだ。……ひとまず、それを止めるために相手を無力化しよう。秋風さんにあれは確実にトラウマものだ。
「ナナ。ここからあっちに魔法って届くよね?」
「勿論。一応魔法を発射する部分を外に出さないといけないけどねー」
「そっかー。ここって本当に便利な場所だな。闇系統の何かが扱えない限り感知するのってほぼ不可能だし」
改めてこの闇空間の凄さを実感しながらも右手に敵にするのに最適な雷の魔力を球体状にして出現させる。この姿―――半人半霊になる前までならここで発射するか、手に纏わせて終了だった。というか、これ以上の魔力操作は俺の実力では不可能だった。
だが、それは前までの俺の話だ。
今、俺は人間ではなくそれより遥かに魔力操作に熟練している半人半霊なのだからこれ以上の操作、今回は射出する際に敵に察知されにくいような形状も形成出来るはずだ。
「さて。どんな形状が最適かって言っても時間なんか残ってないわけだからここは千本あたりにでもしておくか」
早速、手の平の魔力球を縦に圧縮し、楕円形にする。変化する感覚が粘土を捏ね回しているようだが、すんなりと圧縮された。更にこれを高速で同じ方向に回転させて、より楕円形を遠目では見るのが困難なレベル、針の細さにまでする。…無理があるか?
結果から言えば、針の細さまでは気合と根性で出来た。今度から訓練して一瞬で様々な形状に変化出来るようにしておかないとね。出来て邪魔にはならないだろ。
「それじゃ早速…」
照準を、と思って敵を見るとあの秋風さんが倒れており、敵が秋風さんに覆い被さり……って、もしかして血を吸おうとしてないか?
「まあ、どっちにしろ射出することに変わりはないから今はどうでもいいんだけどっね!」
ちゃんと秋風さんには直撃しないように射出。魔力が圧縮されたからなのか形状が適していたのか知らないが、今まで球体を射出していた時よりも圧倒的にスピードが違う。亜音速はあるように見えた。
「っ痛!? なんだ!!」
「俺の仕業だが」
「お前は……ウィステリア2年生か。今まで何処に隠れていた」
倒れたまま動かない秋風さんを背後にしてこちらに向く影。その声は地球で言う中学生という年齢に似合わないヴァリトンの低く、よく響くようなものであり、ゆっくりと立ち上がって見せるシルエットはそれだけで思わず従ってしまいそうになる雰囲気を纏っていた。
そして、個人的にそれなりに、少なくともそこらのゴロツキ程度なら一瞬で気絶するレベルの魔力をつぎ込んで作った雷の魔力針が当たったにも関わらず、痛いだけで済むということは、やはりレベルが違いすぎるという俺の予想は間違いじゃなかったらしい。一秒も痺れてくれなかったのはショックだったが。…まあいい。今は秋風さんからこいつを離せばいい。
「そんなことを言うわけがないだろう。それに何故俺の事を知っているのかはまあどうでもいい。そんなことより……俺と鬼ごっこでもしないか? しないと大変なことになるかもしれないよ?」
「っち。大人しく向かってくればいいものを。まあいい、のってやろう。………だが、ウィステリア2年生………俺に捕まる時には今世は終わると思え」
「っ!?」
「ふむ。それなりに勘は良いようだな」
秋風さんを襲っていた影、もう吸血鬼でいいだろう。吸血鬼は言葉を言い終わった瞬間には俺の心臓があった位置に吸血鬼の腕が真っ直ぐに伸場していた。なんとなく、言葉の終わり方が気になり、構えていたため咄嗟に避けることが出来たが、全く見えなかった。それこそ俺の全力の雷を体に付加した状態での全力疾走とほぼ変わらない速さだったようにも思える。少なくとも今はこんなだらだらしてる場合じゃない! 雷も付加して全力で逃げないと殺られるぞ!!
こうして、俺と吸血鬼の真夜中の追いかけっこが始まった。




