62話~ストーカーの力量~
もう少ししたらテスト期間に入ります。
だから急に定期更新じゃなくなるかもしれませんが、ちゃんと二週間以内には復帰しますので。失踪などしません。
昨日秋風さんから頼みを受けた日、結局その日はまだ作戦を執行するための準備が足りていないという理由で今日は大人しくしていることになった。まあ、その日はメリッサさんに頼んで一緒に行動してもらったらしいが、その時も嫌な視線はしたらしい。
その時に偶然だが、面倒な事に1つ問題点が追加された。
秋風さんが、その視線で震えている頃にメリッサさんは秋風さんの様子で漸く異変に気がついたらしく、しっかりと気配を探ったのだが、戦闘スタイルが超接近戦故に気配探知がそれなりに高いメリッサさんですら結局ストーカーの存在には気づかなかったらしい。
それはつまりストーカーの実力が少なくとも3年生レベルで更にかなりトップレベルに位置することを意味する。
実は、この学院生活の半年間の中で自身の力量を測る時があり、その時に気配探知や気配隠蔽能力を測る項目があったのだが、俺はそれで両方とも3年生レベルはあるという太鼓判を担当教師の細長い学者然とした人にもらったのだ。まあ、その代わりに素の筋力は2年生でも下の方という虚しい結果に終わってしまったのだが。
そんな俺ですらメリッサさんには簡単に気づかれてしまうのだから、そいつは余程ストーカーを積み重ねたか、野生児、もしくは学院トップレベルなんだろうという予想に落ち着いてしまうわけだ。個人的には学院トップというのは勘弁して欲しいと思う。
余談だが、秋風さんは気配探知が1年生レベルだというのに、俺が隠れても何故か2秒立ち止まった後、正確に俺の隠れている方向へ走って来てすぐに見つけてしまう。
秋風さん曰く「テオ(義弟)への気持ちが強いんだよ!」と凄い笑顔で言われた時には思わず沈黙してしまった。何か変な副音声が聞こえた気がするんだよね。
まあそんなわけで、今日はそのストーカーを現行犯逮捕して、こちらには決して近付かないようにこらしめる予定なのだが現在は授業中である。
先生は渋い顔つきの中年くらいの体が引き締まったおっさん、というかおじ様と言った方が適切な気がする人である。そしてその人が今教えている内容は、
やれ騎士の心構えだとか、やれこれが王宮での最低限の作法だとかやれ冒険者になるならこれくらいの技術は身につけておけだとか、そういった知識面の授業をメインに教えており、このクラスは冒険者になろうと思い来ている生徒とそれ以外が半々の状態なのでこのような堅苦しい先生が堅苦しい内容を教えようとすると――
「おら授業中に寝るんじゃねえ!!」
「ぬぎゃ!」
ほらね。お決まりのように居眠りが多発するわけでそういった生徒達にはもれなく先生が腰にさしているハリセンを抜刀し、ハリセンで本当にこんな音を出せるのかという轟音を響かせて叩いている。そしてハリセンの餌食になった生徒達は大体がしばらく虚ろとした目をしていて、正気に戻った時には叩かれた時の記憶が無くなっている。
これが、授業中に5回は発生するため、隣のクラスから「ここで花火でもやっているのか」というクレームが当初は出てきていたが、途中から隣の先生方も諦めに入ったようでもうこちらに乗り込んで来ることは無くなった。
「それではここで今日の授業は終わりとする! 今日言った内容は確実に覚えてくるようにな。ちなみに覚えれなかった者にはもれなくペナルティをプレゼントしてやろう!」
そして先生は最悪な置き土産を授業終了とともに置いて去っていった。
さてと、今から秋風さんの所に行ってポジション取りをしておくか? いやでもあれは人目につくと説明するのが少し面倒くさいしな。
俺が放課後どうやって作戦執行までの時間を過ごそうか考えていると、背後から近付いてくる気配がした。それでも俺は考えるのを止めない。何故ならこの感じ慣れた気配には敵意が出てくるはずなどは無いからだ。
「テオよ。今日は我と手合わせでもしようではないか。今日は我の奥義を見せてやろう」
「ヤタ。分かってると思うんだけど今日は秋風さんの頼みがあるから手合わせは無理だよ。それに奥義っていうのは最後の最後で敵が完璧に油断している時に使うものだと思うよ。
「ぬ、そうか。ならばその流れでいくとテオはまだ隠している技があるということになるな? 偉大なる我に見せてみよ。臣下の実力を把握しておくのも主たる我の務めであろう」
「相変わらず偉そうな言葉遣いで喋るな。それに俺は隠している技があるともないともどっちと確定したような言い方はしてなかったはずだけどな。そして俺は臣下じゃねえよ」
「……まあいい。それとそろそろ姐さんの所に向かったらどうだ?」
そう言われて時間を確認してみるともう3年生はもう授業は終了した頃だろう。
「うん。そうだね。まあ、話相手になってくれてありがとうヤタ。それじゃ」
「うむ。必ず完遂せよ」
「勿論さ」




