表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/80

6話~探検当日~

洞窟にいざ入ってみると途端に視野が狭くなった。光源が入り口からの陽光しかないのだ。


何か松明代わりになる棒はないか…。


「テオ。とりあえず明るく出来るものを探しましょ。暗いと何があるか分からないからね」

どうやらセリアも同じことを考えていたらしく周囲に何かないか探していた。


――あった。

入り口の隅に乾いた木の棒が数本転がっていた。それを拾ってみると丁度松明にも使えそうな大きさに見える。


――ここは扉もそうだったけど人が通ることを想定されてるとしか思えない作りになってるな。だけど、埃の溜まり具合から見て全く使われてない。何故だ?


恐らくこれも松明として使うことを想定して入り口付近に置いたのだろう。

しかし、いくら考えても仕方が無いと割り切り火をつけることにした。


勿論魔法で


するとすぐに松明が完成したのは良いが、セリアは何だか呆れたような顔をしていた。

何故だろうか? …っあ、そういや魔法使えることはアレシアさんしか知らなかったな。

「テオ…。あんたいつの間に魔法使えるようになってるのよ。これじゃ、火打石をこっそり持ってきた意味がないわね」

「まあ…ね。一応秘密にしてくれない? 僕が魔法使えること」

「ふーん。事情は知らないけど一応努力してみるわ」


…この姉。絶対言いそうだ。


「な…なによ。言わないわよ。……きっと」

俺がじと目で見ていたのに気が付いたらしく、急に弁解をし始めたが弁解にはなっていない。むしろ言う確率が上がったようなものだ。

「…言いふらすなら家族だけにお願いね」

「勿論よ!」

途端に悪戯っぽい笑みを見せる姉。

――元気なのは良いけど…、疲れるなあ。

セリアの笑顔に苦笑で返して、気を取り直し周囲に注意しながら奥へと進んだ。

進んでいて分かったがこの洞窟は枝分かれしておらず、ここは隠れ家というよりむしろ抜け道のために作られたと推測していいのかもしれない。セリアが期待したように、お宝があるというのでもなく獣が棲みついているわけでもないようだ。


そんなことを考えながら歩いているうちに、唐突に今まで感じていた違和感に気づいた。


「そういえば何でこれを見つけてからすぐに突入しなかったの? 姉さんなら見つけた瞬間に突入しそうだけど」

最初、セリアからこれを聞いた時に何かおかしいとは感じていたのだが、その違和感はこれだったらしい。セリアなら自分の気持ちを最優先して単身で突入して夜中に帰ってくるはずだ。


するとセリアは少し気まずそうな顔をして。少し迷いながら言った。

「あたしも最初はそうしようとしたわ。だけど、入った時に洞窟の奥から何か変な声が聞こえたのよ。だから…一人だと少し危ないかなーって思って…」

「姉さん。もしかして…お化けが苦手?」


ビクッ!


「なんのことかしら? 私にそんなものは通用しないわ」

すぐにセリアは普通に返事をした。それにしても一瞬体が震えたように見えたのは気のせいだろうか。…いや、よくよく見るとセリアからは汗が滝のように流れ出ている。



そして何事もなかったように進んで数分。



「………うわぁぁあああああ!!!!!」

「きゃあああああああああああ!!!!!!!!!!」

試しに悲鳴をあげてみたところ、すぐにその数倍の声量でセリアが叫んだ。

「…はい。嘘です」

「――ッ!!!!?」

涙目で睨みつけてきた。どうやら本当にお化けが苦手らしい。


「テオ…。後で覚えておきなさ――」

「キャァァァァァ!!!」

セリアが言い終わる前に洞窟の先から誰かの悲鳴が聞こえた。声の大きさからして結構遠くにいるらしい。


「テオ! 急ぎましょう!」

叫ぶや否やセリアは走り出し、それに続いてある程度整えられた土の上を俺も走っていった。





そして数分後には道の途中にあるひらけた場所。そこに入る直前で二人は身を潜ませていた。

松明の火は広場が明るくなっているのを確認してから消してある。

そこから広場にいる人物を気づかれないように確認すると、人影が二つあった。

一人は細身で小柄な男。片方は何をされたのかは分からないが、地面に倒れていた。

「……多分あれは盗賊ね。あっちの倒れているのは誰かしら」

「分からないけど盗賊なら、他に仲間がいると思うから危ないよ。一旦父さん達にこのことを知らせない?」

相手をもし二人がかりで倒したとしても、他に仲間がいたとしたら子供二人が太刀打ちできるわけがない。確実に殺される。だからここは大人の力を借りるのが得策だろう。



「それじゃあの倒れているのがどうなるか分からないじゃない」

「それじゃあどうすれば…」


二人してどうして良いか分からず途方に暮れていると広場にいた男がその倒れている人に話し始めた。

「おいおい、早く立ち上がって俺を楽しませてくれよ奴隷。折角誰も居ない場所に来たっていうのに…なあ!!」

「あぅっ!」

「ひひひ。良い声で鳴くじゃねえか」

男は下卑た笑い声を上げながらその足下で倒れている奴隷の腹を蹴った。

この男は奴隷と二人でこんな人気がないところに来て、無理やりその奴隷を使って自分を楽しませようとしているらしい。



「「……この下種が」」

気づくと二人とも同時に呟いていた。セリアに至っては目が据わっている。


「テオ。二人であいつを倒すわよ。仲間がいないってことが分かったからいいわよね?」

「うん。ていうか姉さんは闘えるの?」

それは最初に疑問に思っていたのだがセリアは無言で頷いた。



そして二人してこっそりと広場に忍び込み、男の背後に近づいていった。

幸いなことに男は全く周囲に注意を払っていないようでセリアと俺の気配に気づいていなかった。


そしてアイコンタクトをして、二人同時に握っている短剣で突き刺す。

セリアは首に。そして俺は心臓を。

「ぐっ!! なんだ!!?」

これで絶命するはずだったが死ぬまでには至らずこちらの存在に気づかれてしまった。

確かにセリアの一撃は見事に相手の首を貫いていた。だが、俺の一撃は男が着ていた鎖帷子に阻まれていたのだ。

死んでないのを確認してセリアと俺は後ろに跳んで距離をとった。

「テオ! まだ追い討ちをかけるわよ!」

「おう!」



――だけど、首を貫かれているからしばらくしたら死ぬはず。



事実、男の首からは大量の血が流れ続けている。恐らく大量出血で死ぬだろう。

「くそお!! お前らだけでも…道連れにしてやらあ!!!」

しかし、その男は腰にさしたショートソードを取り出し、俺の方に突進してきた。

「っ!!」

それを俺は横に跳んで避けた。そして勢いを殺しきれず転んだ男の足を切りつける。


苦痛で男の顔が歪み、その顔が首から離れた。セリアが男の首を切断したのだ。




「姉さん…」

「…行きましょ。とりあえずそこの子も村に連れて行くわよ」

「うん。その子は僕が連れて行くから姉さんは先に行ってていいよ」

「そうね。お願い」

そう言ってセリアは先程来た道を戻り始めた。彼女の足は微かに震えていた。

やはり、下種な男と言っても10歳になったばかりの少女が人殺しをしてしまったのだ。

さすがにあの明るいセリアでも堪えているだろう。




「君。大丈夫?」

俺は出来るだけ優しい声色でその奴隷だった人に話し掛けた。

「っひ…! ぁ…ぅ…」

目の前のフードを被った人物は怯えながらも小さく頷いた。

あの時は盗賊の方にしか目がいっていなかったが、まだ服が脱がされてはいないところを見るとまだ精神的ダメージ的にはある程度は抑えることが出来たのだろうか…。


内心俺は少しだけ安心した。なにせ、奴隷という制度については授業でしか学んだことがないからどのような仕打ちを受けているかは詳しく知らない。だからこの人がまだ怯えながらでも喋ることが出来るだけマシなのかもしれない。


「それじゃ、僕の家で一旦来なよ。ここにいたってどうしようもないでしょ?」

「ぇ…でも…」

「いいからいいから。ほら」

手を差し出すとようやく、根負けしたのか手を握ってきた。か細い力だった。







「…ぁの」

「ん? なに?」

「…あなたは、何故私を…助けたりしたんですか?」

来た道を松明に火をつけなおして戻る道中でフードを目深に被った少女(声と身長から判断した)は急に質問をしてきた。見るとその人はまだ体震えは止まっていない。


「それは…あの男が僕達にとって許せないことをしたからかな? それに人助けはするものだよね」

俺は微笑みかけながら言うと、若干戸惑いながらもその少女はまた話し始めた。

「私が……獣人なのに?」

「え? 獣人?」

予想外の言葉に俺は間抜けにもオウム返しをしてしまった。

そしてその少女はそれを気に留めず、フードを外すとそこに黒くて長い髪が現れ、人間なら存在しない場所、頭に三角のピンと立った耳が生えていた。

「そう…。あなた達からしたら…どうでもいいはずなのに…」

その獣人の少女は黒い目を伏せてポツリポツリと少しずつ語っていった。


そういえば、本で自分以外の種族を差別して迫害している人間が多く、それを認めている国もあると書いてあったな。そこを読んだ時むかついたからよく覚えてる。





「それでも…。獣人とか人間とか関係なくこんな可愛い子がいじめられていたら僕は助けるけどね」

「――ッ! 嘘」

一瞬凄い驚いた表情をしたが、すぐにもとの暗い表情にもどって俺の言葉を拒絶した。

さっきは精神的なダメージは抑えられたと思っていたがそれは勘違いのようだ。

むしろ人間不信になってるように感じられる。これを解消できる気はなさけないがしない。

だけど、その中にも心優しい人はいるということを知って欲しい…。




「嘘じゃない。なら君がいじめられようとしたら俺はそれから全力で守るよ。だから人間の中にも信頼出来る人はいるってことを信じてくれない?」

「え…それは…、あの……」

それでも断言するとその少女は目を見開いて驚き、眼が上を向いたり左下を向いたり様々な方向に次々と向いていた。

「…あ。洞窟を抜けたみたいだね」

「っあ…。うん」




そして洞窟の外にいたセリアと合流することになった。


アクションシーン・・・難しいですね^^;

最早分からなくなってノリで書いちまったよ・・・orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ