55話~受験⑪~
受験編が長すぎる(・ω・;)
これはあかん。受験受けるだけで2万2千文字使うってどんだけなんだよ
俺はなんとかよろよろと立ち直ったものの未だおろおろしていて何も出来ない女兵士さんを視界の端におさめながらイルマのもとに駆け寄った。とりあえず、秋風さん達の所には連れて帰ろうか。
「これ、僕の連れなので僕が連れて帰りますね。うちのイルマがご迷惑をおかけしました」
「あ、はい。こちらこそ…って、え?」
軽く女兵士の方にお辞儀をしてすぐに俺はイルマを引きずって元きた道を歩いていった。途中でさっきの女兵士が何故か不思議がるような声を出していたが俺にはよく分からない。イルマの連れて行き方を多分これでいいんだよ。
「テオ……さっきからけつがずりずり擦れて痛い」
「そうか」
「……え?」
「けつが痛いなら立って歩けばいいだろう。我慢できなかったら回復させてやるさ。後でそれに魔法を使えばまだ戦えたんじゃないのか?」
「………酷いな。それとさっき話していて初めて知ったんだけど魔法を使った瞬間に本気を出しても良いと伝えられてるから魔法は使わないのが正解なんだよ」
「それでもこんな扱いを受けられないように常に立って歩ける程度の体力と気合を残しておくべきだろう。そんな都合よく可愛い子とか意中の子が駆け寄ってきて、優しく介抱してもらうなんて展開があると思うなよ。そんなのはいくらお前みたいにイケメン顔で生まれてもフラグがそもそも存在してないから無理だ」
「…いつも通り中々辛辣な言葉を吐くなテオは。っていうか見た目だけならお前一応美少女(?)の範囲に両足突っ込んでるよな」
「………ほう」
イルマが何気なくその言葉を言った瞬間、イルマを引きずる動きが荒くなり、試合場から出たところで隅の方に放り出された。
「そんな下らん冗談を言えるなら連れて行く必要は無いからここに置いてくぞ。ナナ、イルマのけつを一応治しといて?」
「うーん、面倒くさいけどテオの頼みなら仕様が無いな~。まだ体が元に戻ってないからしばらくはあまりこういったお願い事はしないでね?」
「分かってるよ。最低限でも治し終わったら中に戻ってきてもいいからね」
テオがそう言うと胸の所に円状に黒い穴のようなものが現れその中から30センチ程の大きさになったナナが出てきた。その姿は初めて精霊石から出た時と大体同じ格好をしているが、仮面と鎌は今は持っていないようだ。
「……なあ、テオ」
「なんだ?」
「精霊って精霊石から出た後は、自由に空中を漂ったり姿を見えなくしたりして過ごしてるって学んだんだけどさ。何でその子はテオの中から出てきたんだ。明らかにテオの体内に住んでますよって感じに話してたよな?」
「実際その通りなんだが。前に話したように俺が死んだ時ナナの肉体と俺の肉体を合わせて生き返ったっていったよな? その時に精霊石の欠片も大分含まれていたみたいで、俺の体ってナナの依り代の役割を果たすことも出来るようになったみたいなわけだ。それで、その時にナナの精霊としての格が下がったみたいで力を早く取り戻したいからっていう理由で俺の体内に住んでそこから直接俺の闇の魔力を吸い取ってるらしいよ? そっちの方がかなりはやく中位精霊くらいにまでは上がれそうだって言ってた」
「へえ……それじゃあかなり特殊な環境下が重なって、こんな状態になったわけか」
「そうですよ~。最初は中位精霊だったのにいつのまにか妖精位にまで下がっていて少し落ち込んだけど偶然テオの体の中に入れて魔力を吸収出来たのは嬉しかったな~。おかげで最近下位精霊に格上げされたんだあ」
イルマが納得したような声を出すと回復をしていたナナがのんびりしたような声でそれに答えていた。っていうか、精霊の格って魔力量で上がるもんなのか? まあそれは後で聞けばいいだろ。
「まあそういうことで俺はもう行くな」
「いってらっしゃ~い」
「ん? ああ。頑張れよ」
「っあ。メリッサさんもう来てたんだ。早かったね」
試合場に来ると、さっきまで戦っていた兵士達はその場に座って休憩しており、その近くでメリッサさんが準備運動程度に動きをおさらいしていた。
「ああ。早すぎて悪くなるということもそうそう無いからな。そんなことよりテオ君。君はあの人達には勝てそうか?」
「ん~…ぼちぼち…かなあ? それとさっきから気になってたんだけどメリッサさんは武器は持たないで戦うの?」
俺は右手に持つ片手剣を指差しながら聞いてみた。いくら素手で戦うのがメインとはいっても、さすがに武器を持っている相手なんかとは不利なんじゃないかな。下手したら攻撃を防いだ時に誤って拳の方が傷がつくっていう事態になりかねないからねえ。
一応そんな意味をこめて言ったつもりだったんだが――
「大丈夫だ。私にはこれがある。むしろほぼ素人同然の武器を扱うよりは遥かにましだろう?」
どうやら俺の気遣いは無駄だったらしい。っていうかおせっかいだけど何かしらの武器を1つでも扱えるようになった方が良いと思うよ?
「整理番号8番から14番の受験生はこれより試合を始める! それぞれ指定された相手の所に向かうように」
試験官の声が聞こえたので指示に従って相手の兵士の元に向かうと――
「嬢ちゃんが相手かい? そんなひょろひょろした体じゃ手加減に困るじゃないか!!」
そう言って目の前で豪快に笑うのはこの中で明らかに強いステータスを持っているおっちゃんだった。……まじかよ。




